たいていの文庫本には、巻末に解説というものがついています。
著者の斎藤氏は、それを付録、読者サービスのためのオマケと定義しています。
本書は、今までありそうでなかった文庫の解説というものに焦点を当てたものです。
斎藤氏は、数々の例を挙げ、文庫本の解説の意義、あるいは、どうあるべきか、ということを検証していきます。
俎上に挙げられるのは、漱石の「坊っちゃん」、「三四郎」、川端康成の「伊豆の踊子」、「雪国」、
村上龍の「限りなく透明に近いブルー」、比較的最近の百田尚樹の「永遠の0」まで、
またジャンルも、外国文学、評論、児童文学、ミステリーと広いジャンルが取り上げられています。
当然、斎藤氏がほめている解説もありますし、けちょんけちょんにけなしている解説もあります。
しかし、後者のほうが圧倒的に多く、その批評の内容は、快哉を叫ものも少なくありません。
例えば、「伊豆の踊子」と「雪国」は、一線を越えたか否かの男女の物語で、そう考えれば一対のものだ、
「ロング・グッドバイ」、「グレート・ギャッビー」、「白鯨」は、ゲイの文学だ、
「赤頭巾ちゃん気を付けて」、「なんとなく クリスタル」で批評が滑ったのは、ナメていたからだ、
解説も作者の軍門に下ってはだめだ、なんてなのがそういうことになります。
私は原則的にあまり解説を読みません。ただかなり昔の作品で、それが書かれた時代背景、著者の置かれていた立場、
などがわかりにくいときは、解説を読みますが、そういう時に限ってそういったことことが記されていない時が多いようです。
作者の略歴、書誌的なことは、本来解説とは別枠にすべきだろうと思います。
ともかく、斎藤氏の批評、指摘が的を射すぎていて、思わず快哉を叫んでしまいました
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文庫解説ワンダーランド (岩波新書) 新書 – 2017/1/21
斎藤 美奈子
(著)
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購入オプションとあわせ買い
基本はオマケ、だが、人はしばしばオマケのためにモノを買う。マルクス、漱石、松本清張。『武士道』『なんクリ』『永遠の0』──古典名作にベストセラーがずらりと揃う文庫本、その巻末の「解説」は、読み出すとどうにも止められないワンダーランドだった! 痛快きわまりない「解説の解説」が、幾多の文庫に新たな命を吹き込む。
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2017/1/21
- 寸法10.7 x 1.1 x 17.3 cm
- ISBN-104004316413
- ISBN-13978-4004316411
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商品の説明
著者について
斎藤美奈子(さいとう みなこ)
1956年新潟県生まれ.児童書などの編集者を経て
現在─ 文芸評論家
著書─『妊娠小説』『紅一点論』『文章読本さん江』(以上,ちくま文庫),『文壇アイドル論』『モダンガール論』(以上,文春文庫),『戦下のレシピ』(岩波現代文庫),『冠婚葬祭のひみつ』(岩波新書),『名作うしろ読み』(中公文庫),『名作うしろ読みプレミアム』(中央公論新社),『ニッポン沈没』(筑摩書房),『学校が教えないほんとうの政治の話』(ちくまプリマー新書)ほか多数.『文章読本さん江』で第1 回小林秀雄賞受賞.
1956年新潟県生まれ.児童書などの編集者を経て
現在─ 文芸評論家
著書─『妊娠小説』『紅一点論』『文章読本さん江』(以上,ちくま文庫),『文壇アイドル論』『モダンガール論』(以上,文春文庫),『戦下のレシピ』(岩波現代文庫),『冠婚葬祭のひみつ』(岩波新書),『名作うしろ読み』(中公文庫),『名作うしろ読みプレミアム』(中央公論新社),『ニッポン沈没』(筑摩書房),『学校が教えないほんとうの政治の話』(ちくまプリマー新書)ほか多数.『文章読本さん江』で第1 回小林秀雄賞受賞.
登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2017/1/21)
- 発売日 : 2017/1/21
- 言語 : 日本語
- 新書 : 256ページ
- ISBN-10 : 4004316413
- ISBN-13 : 978-4004316411
- 寸法 : 10.7 x 1.1 x 17.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 70,347位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 82位論文集・講演集・対談集
- - 341位岩波新書
- - 1,982位実用・暮らし・スポーツ
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
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2017年1月29日に日本でレビュー済み
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2021年12月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ともかく面白いし、なるほどと思わされる説得力のある批判に教えられる所が多い。また著者の日本の政治状況への不満、苛立ちのようなところには共感を覚える所が多い。
ただ、松本清張の作品を取り上げてミステリーについての文庫解説ではトリック批判が
必要だとしている点ついては私は著者とかなり見解が異なっている。トリックの欠陥を指摘するのは構わないが、まずその作家や作品が発表された時代にどんな新しい所が注目されているのかをきちんと指摘した上で細部の批判をすべきだと私は思っている。そうでなないと古典的な作品の意味が読者にはわからずじまいになる危険があるからである。著者にジュリアン・シモンズの犯罪小説論についてどう考えているかを聞きたいと思う。
ただ、松本清張の作品を取り上げてミステリーについての文庫解説ではトリック批判が
必要だとしている点ついては私は著者とかなり見解が異なっている。トリックの欠陥を指摘するのは構わないが、まずその作家や作品が発表された時代にどんな新しい所が注目されているのかをきちんと指摘した上で細部の批判をすべきだと私は思っている。そうでなないと古典的な作品の意味が読者にはわからずじまいになる危険があるからである。著者にジュリアン・シモンズの犯罪小説論についてどう考えているかを聞きたいと思う。
2017年1月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
文庫本の解説を批評するという、有りそうで無かった企てに、
見事に成功している本です。
数多の解説が俎上に載せられ、バッサリと斬られて行きます。
書き手が大物であろうと容赦はしません。
その一方で良いものには、キチンとフォーカスが当たってい
ます。
著者の評価基準は、批評としての芸が有るかどうかです。
解説の芸の無さに憤慨しつつ、著者自身の毒舌を交えた見事
な批評芸により、解説だけでなく、作品そのものも浮かび上
がらせて行きます。
これまでは、文庫本の解説という、ぬるま湯世界の中で、読
者の為と言うよりも、人間関係から来る著者の為、果ては自
分の為に書かれたものには、読まれるべき批評芸が有りませ
んでした。
そういえば下名も何時しか、文庫本の解説を読まないことの
方が多くなっていました。
この本の影響により、文庫本解説界に緊張感がもたらされる
ことを期待します。
見事に成功している本です。
数多の解説が俎上に載せられ、バッサリと斬られて行きます。
書き手が大物であろうと容赦はしません。
その一方で良いものには、キチンとフォーカスが当たってい
ます。
著者の評価基準は、批評としての芸が有るかどうかです。
解説の芸の無さに憤慨しつつ、著者自身の毒舌を交えた見事
な批評芸により、解説だけでなく、作品そのものも浮かび上
がらせて行きます。
これまでは、文庫本の解説という、ぬるま湯世界の中で、読
者の為と言うよりも、人間関係から来る著者の為、果ては自
分の為に書かれたものには、読まれるべき批評芸が有りませ
んでした。
そういえば下名も何時しか、文庫本の解説を読まないことの
方が多くなっていました。
この本の影響により、文庫本解説界に緊張感がもたらされる
ことを期待します。
2020年11月10日に日本でレビュー済み
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解説とは無名の新人作家に偉い作家がお墨付きを与えるためのものであった、、そうですが、いまは全く様変わりで種々の解説花盛り。で、著者は解説を快刀乱麻で斬り、同時に作者・作品も斬りまくる、誠に愉しい本です。小林秀雄先生がコバヒデですからお気の毒ですが;コバヒデの脳内ではよく何かが「突然降りて来る」のである。(略)こうした一種の神秘体験を共有できるかどうかでコバヒデを理解できるか否かがきまると言っても過言ではない(p.150)。江藤淳の解説が解りにくいのは:1.小林秀雄の内面に寄り添おうとしている、2.にも拘わらず小林の内面の背景にある伝記的事実は伏せている、からである、と解説者も斬られてしまう。
渡辺淳一(ナベジュンである)の解説を女性作家に任せるのは暴挙ではないか、と疑問をつけ、理由はナベジュンが描く女性像や恋愛像はぶっちゃけ男の幻想か妄想の賜物で今日の女性読者には違和感のほうが強いはずだ、、、と(p.213)。コバヒデもナベジュンも草葉の陰で歯ぎしりしているでしょう。
渡辺淳一(ナベジュンである)の解説を女性作家に任せるのは暴挙ではないか、と疑問をつけ、理由はナベジュンが描く女性像や恋愛像はぶっちゃけ男の幻想か妄想の賜物で今日の女性読者には違和感のほうが強いはずだ、、、と(p.213)。コバヒデもナベジュンも草葉の陰で歯ぎしりしているでしょう。
2020年4月14日に日本でレビュー済み
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「文庫本の解説」に対する解説。この視点が面白く、題名がポップで、語り口はフランクな感じ
なので手軽な読み物のように思ったが、岩波新書であるということもあり、そうでもなかった。
主に小説、文芸書、文学作品の解説を論じており、筆者が序文で書かれているように「オマケ」
と定義されているものであるにもかかわらず、筆者はあるべき解説を非常に高いところに置い
ているように思う。なぜそうなのかというと、文学に対する危機感があるのではないかと思った。
読む力を示せる場として解説が機能すれば、文学が理系学問に負けない重要な学問であることが
示せるのかもしれない。専門書には当たり前に与えられている場が文学書にはないばかりに、
文学が不要な学問と思われてる現状に一石を投じる意図が著者にあるように私は見えた。
なので手軽な読み物のように思ったが、岩波新書であるということもあり、そうでもなかった。
主に小説、文芸書、文学作品の解説を論じており、筆者が序文で書かれているように「オマケ」
と定義されているものであるにもかかわらず、筆者はあるべき解説を非常に高いところに置い
ているように思う。なぜそうなのかというと、文学に対する危機感があるのではないかと思った。
読む力を示せる場として解説が機能すれば、文学が理系学問に負けない重要な学問であることが
示せるのかもしれない。専門書には当たり前に与えられている場が文学書にはないばかりに、
文学が不要な学問と思われてる現状に一石を投じる意図が著者にあるように私は見えた。
2019年7月17日に日本でレビュー済み
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この人本当に作品が好きなんだね。解説を評論するなんてすごい発想。よく本当によく読んでると思うし、批評精神があると思う。
2017年5月13日に日本でレビュー済み
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斎藤美奈子節炸裂。爽快だ。いろいろ、そうだよなあと思う。
『文章読本さんゑ』に匹敵するかもしれない。
『文章読本さんゑ』に匹敵するかもしれない。
2020年7月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日本の文庫解説というのはたしかに不思議なもので、全然「解説」にも何にもなっていない駄弁が綴られている確率がかなり高い上に、なぜか義務的に律儀に各文庫のたいてい末尾に付される。欧米でも推薦文としての意味合いで著名人のどうでもいいような思い出話が序文に置かれる場合があるが、日本によくある文庫「解説」はそれとも違っている。推薦文として作品本文の前に読ませるのでもなければ、読了後に作品について知識を補足して勉強させてくれるのでもない、一体何のためにあるのかよく分からない「解説」がたくさんあることは本書に書かれているとおり。
こういうことは一度誰かが指摘しておくことには意義があるが、四角四面な研究論文として提出することは難しい。その観点からも著者が『紅一点論』『妊娠小説』以来のおちょくり文体でお硬いはずの岩波新書から本書を出したことは見事だと思う。言うまでもなく文体の選択もまた批評の態度の表れである。文庫解説などという世界をこれだけ探検しただけでも感嘆してしまう。なんという本への愛だろう。
こういうことは一度誰かが指摘しておくことには意義があるが、四角四面な研究論文として提出することは難しい。その観点からも著者が『紅一点論』『妊娠小説』以来のおちょくり文体でお硬いはずの岩波新書から本書を出したことは見事だと思う。言うまでもなく文体の選択もまた批評の態度の表れである。文庫解説などという世界をこれだけ探検しただけでも感嘆してしまう。なんという本への愛だろう。