テーマごとに深掘りしてあらとてもよみやすく、最後は自問自答させられる。
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れるられる (シリーズ ここで生きる) 単行本 – 2015/1/16
最相 葉月
(著)
堅実なリサーチと冷静な筆致で信頼あついノンフィクション・ライターが、人生の受動と能動が転換する、その境目を、6つの動詞で綴った連作短篇集的エッセイ。どうやって生まれるのか。誰に支えられるのか。いつ狂うのか。なぜ絶つのか。本当に聞いているのか。そして、あなたは誰かを愛していますか? れる/られる、どちらかに落ちる時が、ある。
- 本の長さ168ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2015/1/16
- 寸法13.5 x 1.4 x 19.5 cm
- ISBN-10400028729X
- ISBN-13978-4000287296
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商品の説明
著者について
最相葉月(さいしょう はづき)
1963年生まれ.ノンフィクションライター.著書に『絶対音感』(小学館ノンフィクション大賞),『青いバラ』,『いのち 生命科学に言葉はあるか』,『星新一 一〇〇一話をつくった人』(大佛次郎賞,講談社ノンフィクション賞,日本SF大賞ほか),『ビヨンド・エジソン』,『セラピスト』,『最相葉月 仕事の手帳』,児童書『調べてみよう,書いてみよう』など.
1963年生まれ.ノンフィクションライター.著書に『絶対音感』(小学館ノンフィクション大賞),『青いバラ』,『いのち 生命科学に言葉はあるか』,『星新一 一〇〇一話をつくった人』(大佛次郎賞,講談社ノンフィクション賞,日本SF大賞ほか),『ビヨンド・エジソン』,『セラピスト』,『最相葉月 仕事の手帳』,児童書『調べてみよう,書いてみよう』など.
登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2015/1/16)
- 発売日 : 2015/1/16
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 168ページ
- ISBN-10 : 400028729X
- ISBN-13 : 978-4000287296
- 寸法 : 13.5 x 1.4 x 19.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 488,556位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,060位ロシア・東欧文学研究
- - 7,175位日本文学研究
- - 8,818位日本のエッセー・随筆
- カスタマーレビュー:
著者について
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1963年、東京生まれの神戸育ち。関西学院大学法学部卒。科学技術と人間の関係性、スポーツ、近年は精神医療、カウンセリングをテーマに取材。
97年『絶対音感』で小学館ノンフィクション大賞。2007年『星新一 一〇〇一話をつくった人』で大佛次郎賞、講談社ノンフィクション賞、日本SF大賞、08年同書で日本推理作家協会賞、星雲賞。
ほかのノンフィクションに『青いバラ』『セラピスト』『ナグネ 中国朝鮮族の友と日本』『れるられる』『証し 日本のキリスト者』『中井久夫 人と仕事』など、エッセイ集に『なんといふ空』『最相葉月 仕事の手帳』『辛口サイショーの人生案内』『辛口サイショーの人生案内DX』『母の最終講義』、児童書に『調べてみよう、書いてみよう』、共著に『心のケア 阪神・淡路大震災から東北へ』『胎児のはなし』など。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年3月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ノンフィクションライター最相葉月氏による随筆集。助動詞の「れる」、「られる」には受け身(例:私は上司に怒られる。)、可能(例:ここで景色を眺められる)、尊敬(例:先生が講話をされる)、自発(例:当時のことが思い出される)の4つの意味があるそうです。
本書は「生む・生まれる」、「支える・支えられる」、「狂う・狂わされる」、「絶つ・絶たれる」、「聞く・聞かれる」、「愛する・愛される」の6章で構成されています。
「れる」、「られる」のあり方から生きる⇔死ぬ、正気⇔狂気、強者⇔弱者など対となる状況に対し、著者が見聞きしたり体験した事例をあげながら主に受動と能動の境界に生じる“何か”について言及されています。
この境界に生じる“何か”は時に曖昧で時に儚く、答えのないもののように見受けられますが、結果や結論にあらわされない大切な感情の流れが隠されているように思います。
本書は「生む・生まれる」、「支える・支えられる」、「狂う・狂わされる」、「絶つ・絶たれる」、「聞く・聞かれる」、「愛する・愛される」の6章で構成されています。
「れる」、「られる」のあり方から生きる⇔死ぬ、正気⇔狂気、強者⇔弱者など対となる状況に対し、著者が見聞きしたり体験した事例をあげながら主に受動と能動の境界に生じる“何か”について言及されています。
この境界に生じる“何か”は時に曖昧で時に儚く、答えのないもののように見受けられますが、結果や結論にあらわされない大切な感情の流れが隠されているように思います。
2015年3月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
単なる言葉の意味を超えて予想以上に、深い本です。ぜひオススメ致します。
2015年4月15日に日本でレビュー済み
妊娠すると超音波検査をだいたいするものらしい。
しかし、そこで何か異常の可能性があった際は出産をためらう人も
出てくる。
確実を求めて羊水検査をする時点では、胎児が成長していて出産を
諦めるという選択肢は選べない。
超音波検査が100%確実ではないが故に、健康であっても親の選択に
よって生まれて来れない子どももいるわけだ。
そこにあるのは医者や親の目線のみで、生まれてくる子どもの目線が
ない、と著者は言う。
タイトルの「れるられる」には、そんな意味合いが込められている。
災害派遣に携わった人のメンタルヘルス、研究者の就職先がないなど、
いわゆるポスドク問題、医療者と患者家族の問題など、考えさせられる
6編のレポート。
特にメンタルな部分では、人は常に山の稜線を歩いているようなもので、
少し風に吹かれれば、どちらかに堕ちてしまう危険性を抱えて生きて
いるのだと思う。
ぜったい大丈夫、という人はおそらくいない。
しかし、そこで何か異常の可能性があった際は出産をためらう人も
出てくる。
確実を求めて羊水検査をする時点では、胎児が成長していて出産を
諦めるという選択肢は選べない。
超音波検査が100%確実ではないが故に、健康であっても親の選択に
よって生まれて来れない子どももいるわけだ。
そこにあるのは医者や親の目線のみで、生まれてくる子どもの目線が
ない、と著者は言う。
タイトルの「れるられる」には、そんな意味合いが込められている。
災害派遣に携わった人のメンタルヘルス、研究者の就職先がないなど、
いわゆるポスドク問題、医療者と患者家族の問題など、考えさせられる
6編のレポート。
特にメンタルな部分では、人は常に山の稜線を歩いているようなもので、
少し風に吹かれれば、どちらかに堕ちてしまう危険性を抱えて生きて
いるのだと思う。
ぜったい大丈夫、という人はおそらくいない。
2015年4月12日に日本でレビュー済み
講談社ノンフィクション賞、小学館ノンフィクション大賞を受賞している作家・最相葉月が、岩波書店のシリーズ『ここで生きる』の第九巻として書き下ろした作品。
同シリーズは、「立ち止まる。考える。生きること。私たちのこと。」をテーマとしているが、本書では、著者が、身近な人々やライターとして接した人々の生き方を通して考えた、人生の様々な局面・事象における「・・・れる人(こと)と・・・られる人(こと)」について綴られている。
医学の進歩によって広まった出生前診断の問題を取り上げた「生む・生まれる」、東日本大震災などの様々な災害・事件を通して考えた「支える・支えられる」、友人及び著者自身の精神疾患を踏まえた「狂う・狂わされる」、科学研究の現場で働く人々の苦悩を語った「絶つ・絶たれる」、著者の父の終末期などから感じた「聞く・聞かれる」、昭和の作家・田宮虎彦と妻のエピソードへの思いを綴った「愛する・愛される」の6篇は、いずれも著者の深い洞察を通した重みのあるものとなっている。
著者の作品からは、初期のエッセイ集『なんといふ空』(2001年発刊、2014年復刊)の当時から、他のライターには見られない不器用なほどの正直さ・誠実さが伝わってくるが、本書もその著者だからこそ書き得た、心を打つ作品集と思う。
(2015年4月了)
同シリーズは、「立ち止まる。考える。生きること。私たちのこと。」をテーマとしているが、本書では、著者が、身近な人々やライターとして接した人々の生き方を通して考えた、人生の様々な局面・事象における「・・・れる人(こと)と・・・られる人(こと)」について綴られている。
医学の進歩によって広まった出生前診断の問題を取り上げた「生む・生まれる」、東日本大震災などの様々な災害・事件を通して考えた「支える・支えられる」、友人及び著者自身の精神疾患を踏まえた「狂う・狂わされる」、科学研究の現場で働く人々の苦悩を語った「絶つ・絶たれる」、著者の父の終末期などから感じた「聞く・聞かれる」、昭和の作家・田宮虎彦と妻のエピソードへの思いを綴った「愛する・愛される」の6篇は、いずれも著者の深い洞察を通した重みのあるものとなっている。
著者の作品からは、初期のエッセイ集『なんといふ空』(2001年発刊、2014年復刊)の当時から、他のライターには見られない不器用なほどの正直さ・誠実さが伝わってくるが、本書もその著者だからこそ書き得た、心を打つ作品集と思う。
(2015年4月了)
2016年3月21日に日本でレビュー済み
著者最相葉月さんの”はじめに”で境目の本と記している。
≪ここで生きる≫シリーズの1冊。
エッセイではあるが、軽く読める本ではなかった。
生む生れる
支える支えられる
狂う狂わされる
絶つ絶たれる
聞く聞かれる
愛する愛される
・・・・・
深く考えることを大事だと思った。
そして、深く考えさせられる本だった。
≪ここで生きる≫シリーズの1冊。
エッセイではあるが、軽く読める本ではなかった。
生む生れる
支える支えられる
狂う狂わされる
絶つ絶たれる
聞く聞かれる
愛する愛される
・・・・・
深く考えることを大事だと思った。
そして、深く考えさせられる本だった。
2018年4月4日に日本でレビュー済み
言葉に敏感な最相葉月ならではの視点で、れる・られるの位相をとりあげたのが面白くてこれは企画が良いと思いました。さっと読めます。
2019年11月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
生き方や人間関係にモヤモヤしている人に読んでほしい、心の清涼剤だ。
「生む・生まれる」「支える・支えられる」「狂う・狂わされる」「経つ・絶たれる」「聞く・聞かれる」「愛する・愛される」という能動と受動の立場を綴ったエッセーだ。
この本の著者、最相葉月さんのことは、新聞の相談欄で見かけて以来、知っていた。明快な回答を書くことで、どんなことを考え、どんな文章を書くか気になり、本書を読んでみた。
文章の中に、実に、美しい倫理観が見える。SNSの世界を行き来すると、どちらかが強者でどちらかが悪者、どっちが黒で白で……という二項対立の軸しか見えてこない。しかし、最相葉月さんが捉える人間は、誰の中にも弱さと強さ、する・られるがある。
先の災害を思い返してみればわかることだろう。遠く離れた土地の被災者を想って胸を痛めていたら、今度は自分が被災したという方もいるだろう。あちら側がこちら側になることもある。私が昨日はあちらで、今日はこちらになることもある。だからこそ、寛容な社会でいずれの立場も受け入れたい。そんな感情が沸き起こってくる。
「生む・生まれる」「支える・支えられる」「狂う・狂わされる」「経つ・絶たれる」「聞く・聞かれる」「愛する・愛される」という能動と受動の立場を綴ったエッセーだ。
この本の著者、最相葉月さんのことは、新聞の相談欄で見かけて以来、知っていた。明快な回答を書くことで、どんなことを考え、どんな文章を書くか気になり、本書を読んでみた。
文章の中に、実に、美しい倫理観が見える。SNSの世界を行き来すると、どちらかが強者でどちらかが悪者、どっちが黒で白で……という二項対立の軸しか見えてこない。しかし、最相葉月さんが捉える人間は、誰の中にも弱さと強さ、する・られるがある。
先の災害を思い返してみればわかることだろう。遠く離れた土地の被災者を想って胸を痛めていたら、今度は自分が被災したという方もいるだろう。あちら側がこちら側になることもある。私が昨日はあちらで、今日はこちらになることもある。だからこそ、寛容な社会でいずれの立場も受け入れたい。そんな感情が沸き起こってくる。