悲観する力 (幻冬舎新書) [Kindle]

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (163ページ)

感想・レビュー・書評

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  • 「悲観」と聞くとあまりいいようには捉えられない言葉ですが、この本の中では違います。
    物事を悲観し、考えつく悪い結果への対策を準備する。
    これをやったから成功するだろうという楽観を捨てる事は大切なのだなと思いました。

  • 悲観をするのも大事なことだという話。
    悲観をする、というとネガティブな響きがするが、悲観する→備える→悲観しなくていいまで備えることで何かあった時に対処できるので、悲観的になることをネガティブにとらえず、備えよう!という感じ。
    不安になってしまいがちな人に良さそうな本。

  • <感想>
    一般的にはネガティブな意味で捉えられていてる「悲観」を新たな視点で解釈する試み。
    一言でまとめると「悲観する力」は「考える力」である。上手くいかないケースを想定してどうすれば回避できるか考えて準備する。だから結果的に成功する。
    楽観的な人は特に根拠もなく成功すると思い込む。失敗することを考えない。考えないから準備もしない。
    そのような文脈で「悲観」を解釈している。何をやっても上手くいかない=悲観的、ではなく、上手くいかないケースを想定して準備する=「悲観」なのだ。
    楽観が感情で悲観が理性、という説明は納得できるものだった。

  • こどもの頃、大人になにか頼み事をするとき、いつも「どうせダメだろう」と思っていたことをなぜか思い出した。森博嗣が言うところの悲観には今一歩足りないけど、楽観ではないと思うので、素養はある!はず(なんの?)
    いまなら、ダメと言われた場合の対策を考えるかな。そもそも誰かに頼み事するなんてことがないけど。大人になったなあ。

  • 2021/2/17 Amazonより幻冬社電本フェス2021本祭にて251円でDL購入。

  • P.2019/6/18

  • "自己満足よりも価値のあるものはこの世にないと、僕は確信している。"
    電子書籍で買ったのでハイライトはデジタルでつける事になるんだけど、物理本だったら何重にも線引いただろうなぁと思ったのが上記の一文。その他に何箇所も、我が意を得たり!と思い、ハイライトを残した箇所があった。

    ただ、楽観と悲観と言う言葉自体については、どちらも私が考えているよりも広範囲な意味で捕らえられているようだった。

    タイトルにもなっている「悲観する力」
    この本で指している「悲観」の意味は、将来をただ心配するわけではなく、起こる可能性のある問題を検討し対策を事前に練っておくことだと思われる。
    そういった思考をする人のことをエリヤフ・ゴールドラッドの本(日本語訳)では、現実主義者と読んでいたような気がするし、個人的には、悲観的というよりも現実的といった方がわかりやすいと感じた。(悲観的というと、すでに持っているイメージがあり、新しい概念として受けいらづらいため)

    この本では思考の大切さが繰り返し説かれている。
    それに合わせていくつかの、思考力を鍛える方法が紹介されているのだが、中でも面白かったのは、文化や、教育など抽象的な事柄について、調べ物をせずに自分の考えを毎日2000字程度にまとめると良い。というものだった。時間さえあったらやってみたいと思う。(2000字は投げぇよと正直思った)

    また、大人は問題が発生した時に、考えて解決をしているわけでなく、過去の経験に応じて判断しているだけだというのは、最近仕事でも頭を使っていないと思うことばかりの私としては、耳が痛いお言葉だった。
    大人になると、色々なことを経験しているので、何か問題が起こった時に過去の経験値により、何も考えなくても解決できてしまう。
    それ自体は悪いことでは無いが、それにより考えなくなってしまうという弊害はあるし、十分な経験を積んでいない場合は、なんでもトンカチで打ち付けるような自体になってしまうこともあり得る。
    問題に対する解決策については、常に謙虚にいたいものである。

  • 20190217読了
    悲観することの効用について書かれた本。楽観的思考と対比して、物事を悲観して考える姿勢について書かれている。
    森博嗣の考え方は他のエッセイ等と共通しているが、本書の特徴としては悲観と楽観の対比の他に、理性と感情、未来と過去、願望と意見といったものについても書かれている。

    あと印象に残ったのは、予想外の事が起こる事を想定した最も抽象性の高い対応は「時間的余裕をみる」だとのこと。確かにその通りである。

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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