本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (262ページ)
感想・レビュー・書評
-
吉弘家の兄弟…兄の吉弘左近鑑理(あきただ)と弟の吉弘右近鑑広(あきひろ)が在る。当主は兄の鑑理(あきただ)で、弟の鑑広(あきひろ)はよく兄を助けていた。
大友義鑑(よしあき)の命を飽くまで重んじ、義鑑(よしあき)が廃嫡ということにしようとしていた大友五郎義鎮(よししげ)を幽閉する行動に出ようとしていた吉弘家の兄弟であったが、行動を開始してみれば、館で大友義鑑(よしあき)と新しい後継者になる筈であった塩市丸とが惨殺されてしまった。
大友五郎義鎮(よししげ)が大友家を後継することになった中、吉弘家は「反主流!」と目され、改易(潰されてしまう)というような危機に陥った。そうした中、飽くまでも義を重んじようとする吉弘鑑理(あきただ)や、兄を助ける他方で妻と子を大切にするという吉弘鑑広(あきひろ)はどうして行くのか?周囲の人達はどうするのか?そういう物語が本作だ。
「二階崩れ」のような“騒動”は美しいモノとは言い悪いかもしれない。打算や足の引っ張り合いが渦巻いて幅を利かせるような情勢にもなってしまう。そういう中で打算とは少し距離を置くような生き様を見せようとする吉弘家の兄弟が在る。吉弘家が「存続の危機?」となる時、古くから吉弘家に在る侍大将は他家に直ぐに映ってしまうが、鑑理(あきただ)の考え方に深く共鳴し、自身へ信任を寄せる姿勢に感じ入った新参の家臣は智勇を尽くして危機的状況下で活動をする。
何かそういう状況が痛快にも思えた。そして重厚な雰囲気の作中世界の感じも好い。好い作品に出くわした!詳細をみるコメント0件をすべて表示
全1件中 1 - 1件を表示