セラピスト(新潮文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 日本の心理学の歴史と中井久夫の言葉、両方に一度に触れられて、あと、河合隼雄も、読みではあったが、読みごたえもあった。

  • 2014年の単行本の文庫版を読んだ。
    地道で丁寧な取材に基づいた仕事。
    日本にカウンセリングが導入される経緯と、キーとなる人物への取材。
    実際に自分でも絵画療法などを受けたときの逐語録など、
    多面的な内容でみっちりと濃かった。
    心の病と向き合うことは、人として関わり合うことの重さや、
    じっくりと経過を見ていく膨大な時間を要するもの。
    箱庭療法を通じて変化していく患者の様子は印象的で、
    辛抱強く寄り添い続けるセラピストの力にうなる。
    ただ今は、短い時間で、一期一会的な対応をしていくしかない状況にある。
    クライエントの性質も変わってきて、
    物語的な構築ができなくなっている、というのはちょっとショックだった。
    気持ちを言葉で表したり、悩みを考え抜いたりということができず
    もやもやのままため込んで暴発して忘れてしまう。
    内省する力がなくなってきているのは、
    労せず手に入るもの、望む前にそこにあるものが多すぎる結果なのかもしれない。

  • ノンフィクションだから印象付きやすい。

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著者プロフィール

1963年、東京生まれの神戸育ち。関西学院大学法学部卒業。科学技術と人間の関係性、スポーツ、精神医療、信仰などをテーマに執筆活動を展開。著書に『絶対音感』(小学館ノンフィクション大賞)、『星新一 一〇〇一話をつくった人』(大佛次郎賞、講談社ノンフィクション賞ほか)、『青いバラ』『セラピスト』『れるられる』『ナグネ 中国朝鮮族の友と日本』『証し 日本のキリスト者』『中井久夫 人と仕事』ほか、エッセイ集に『なんといふ空』『最相葉月のさいとび』『最相葉月 仕事の手帳』など多数。ミシマ社では『辛口サイショーの人生案内』『辛口サイショーの人生案内DX』『未来への周遊券』(瀬名秀明との共著)『胎児のはなし』(増﨑英明との共著)を刊行。

「2024年 『母の最終講義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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