ラグビー日本代表ヘッドコーチ エディー・ジョーンズとの対話 コーチングとは「信じること」 (文春e-book) [Kindle]

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  • ・選手一人ひとりにとって、何が必要なのか、それを見極めるのがコーチングにおける「アート」。選手個々の能力を引き出すためには、どのようなコミュニケーションをとるべきなのか。その見極めにこそ!「アート」が生まれる余地がある。コーチの仕事はいかにそれぞれの人間の能力を最大限に引き出すか、それにかかっている。日本人はアートとあう言葉を、芸術関係のものとしめ捉えてしまう固定観念が強すぎるのかもしれない。

    ・周りの人間に責任を持たせ、その結果、最大限のものを引き出すのが本物のリーダー。先頭に立ってプレーするだけではなく、他者を生かすのがリーダーの役目。

  • ①スポーツに含まれるアートの要素
    スポーツに限定しなくとも、他者とのコミュニケーションの中にアートの要素があることを気づかせてくれる。

    引用↓
    >エディーさんは日本人に「スポーツとはあくまでリクリエーション(recreation)の一部」という発想を持って欲しいという。 「本来、リクリエーションとは、何かをもう一度創造するという意味の言葉です。日本では、『レクレーション』と発音されて娯楽的な意味合いを帯びているようですが、それとは全く違う種類のものです。スポーツは本来の意味でのリクリエーションの一部であり、人間の人生においてエネルギーや活力を与えてくれる活動です、それこそがリクリエーションの本質なのです

    人生に活力を与えてくれる活動をデザインすること。アートであれ、スポーツであれ、仕事であれ、すべての活動に「遊び」「リクリエーション」の要素が必要。


    ②数字の力をコーチング・マネジメントに活かす
    また、アートをベースに、数字をエビデンスにすることで常識の外に出て成果を出すマネジメントができることが書かれています。

    引用↓
    >「まず、ハッキリさせておきたいのは、数学はサイエンスであり、あくまでもコーチングというアートをバックアップするものだということです。だから私は数字に支配されないように気をつけています。ただ、数字で客観的な事実を提示されると、自分の目で試合を見て感じたことの裏付けにはなる。コーチングに有効な数字を使っていくことで、選手のモチベーションの向上にも役立てられます

    そこで導き出されているのが、数字をもとにした戦略成功要因のパターン
    ・パスが11回に対してキックが1回
    ・ポゼッション率54%以上をキープ
    ・W杯で戦う準備は30〜40のテストマッチが必要(指導者として成功するのにもパターンがある )
    ・ポジションごとのピーク年齢


    スポーツは暗黙知の要素が非常に強い。
    感覚的に成功パターンをもっているが、その成功パターンをより発展させたり、チームに共有することは感覚要素のままでは難しい。
    徹底的にデータ解析をし、成功パターンを数値化することで勝つための戦略を明確なものにしていく。

    参考:スポーツ・イノベーション特別編第2回
    時代は「データアナリスト」から「ビジュアルコーチ」へ
    https://newspicks.com/news/1196521/body/?ref=search

    >それでも、ビッグデータの膨大な実績値から相関を見てフィードバックすると、「いや、そんなつもりはないけど」、もしくは「確かにそうかも」と、何らかの気づきが出てきます。

    ③創造性・クリエイティビティをスポーツで育てる

    引用↓
    >一般的に、日本ではスポーツを表現する場合に「創造性」や「クリエイティビティ」といった言葉が使われることはほとんどない。欧米ではよく使われる表現なのだが、そもそも日本にはスポーツに創造性を求めるという発想自体が希薄なのかもしれない

    サッカーのオシム監督、岡田監督、野球だと野村監督(ノムさん)など、プロスポーツの監督が書いた本は下手なビジネス本より学びが多い!

    参考:こんなミーティングが楽しい監督はいない。湘南・曺監督の言葉力
    https://newspicks.com/news/1170017/body/?ref=search

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著者プロフィール

高知工科大学マネジメント学部講師

「2011年 『企業家に学ぶ日本経営史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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