戦後経済史―私たちはどこで間違えたのか [Kindle]

著者 :
  • 東洋経済新報社
4.09
  • (4)
  • (4)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 30
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (314ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 日本は今のままでは成り立たなくなる。
    政治、経済、教育、社会保障、少子化等全ての面で行き詰まっている。
    どうしてか? どうするんだ?

  • 個人の体感等書いてあることは面白い。

  • 冒頭の年表に、自分史を書き込む欄があるので、活用したいなら紙の本で読んだ方がいいかも。
    著者は日本経済の戦後を始まりから経験している。
    1940年代始め、岸信介の主導で、社会主義経済に向かっていた。直接金融より間接金融を重視し、株主の支配が排除された。
    戦後日本の大企業の多くは、戦時中に政府の手で作られたり、軍需で成長した企業。
    GHQは日本経済について何も知らず、日本のテクノクラートたちが彼らの権威を利用して、改革を実現させた。戦後日本の復興を支えたのは、戦時下で確立された制度だった。

    労働組合が企業別で、経営陣と一体となって賃上げよりも会社の存続を優先したことで、石油ショックを無事乗り越えることができた。
    が、これらのことが日本経済の過大評価に繋がり、国内においては改革を阻むこととなった。
    バブルの頃の財テクや地上げの方法を本書で初めて知った。
    著者は1987年に、地価高騰がバブルであることを指摘していたが、多くの経済学者たちから強い批判を浴びたらしい。
    バブルの発生原因についても、本書で言及されていて興味深い。

    バブル崩壊の尻拭いに、税金がわかりにくい形で大量に投入されていたことに驚いた。

  • 著者の半生と戦後の日本の経済的発展及び苦境がパラレルで描かれる、非常に読み応えのある本であった。

    40年体制の継続が戦後の日本に優位性を与えたものの、その体制の不変性が現在の苦境を生んでいるという筆者の一貫した主張・随所に現れる自由主義への傾倒・そして日本への「違和感」が、未だ変わりきれぬ日本の現状を示している。

    次の世代に向けて、自分が世の中(あるいは日本)に与えるべきインパクトの方向性を改めて考える機会となる良書。過去を責めるのではなく、過去から学びこれからを正しく生きることこそが我々に与えられた使命だ。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業。64年大蔵省入省。72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授(先端経済工学研究センター長)、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て2017年9月より早稲田大学ビジネスファイナンス研究センター顧問。専攻はファイナンス理論、日本経済論。ベストセラー多数。Twitterアカウント:@yukionoguchi10

「2023年 『「超」整理手帳 スケジュール・シート スタンダード2024』 で使われていた紹介文から引用しています。」

野口悠紀雄の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×