デザイン解体新書

  • ワークスコーポレーション
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感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784948759916

感想・レビュー・書評

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  •  本や印刷物のデザインについて、グラフィックデザイナーの工藤強勝氏により、懇切丁寧に解説されている。
     「なるほど!なるほど!」と頷くことが多かった。
     文字の組み方については、一種類の書体を何も考えずに使っていると揃って見えないことがある。一連の文章の中でも漢字とかな、カナ、アルファベットにより書体を変えたり、サイズを変えたり、ずらしたりすることにより美しく見える。文字の詰め方も縦書きの時と横書きの時、書体によって異なる。
     写真の配置の仕方にもセオリーがある。基本的にジグザグに配置すると読者を飽きさせない。しかし、視線の流れを妨げるのはダメ。全体的に白っぽく、軽い写真は誌面上部か小口側に寄せ、黒っぽく、重い写真は誌面下部か、ノド側に寄せると圧迫感を感じさせない誌面になる。人の顔の写真の上には他の写真を置かない。良い写真の活かし方。イケていない写真を使う時のデザインテクニック、例えば地色を使うこと。写真を活かす、文字色の選び方。 
     情報の分かりやすい伝え方。表にすると分かりやすいが、罫線で細かく区切るよりも文字揃えによりラインを生み出したほうが窮屈なデザインにならないということ。
     本のつくりについても詳しい解説がされている。綴じ方(糸かがり綴じ、無線とじ、中綴じなど)による版面設計の違い。糸かがりとじや中綴じだとノドが大きく開くので、版面をノドのほうまで寄せてもよいが、無線綴じだとノドが開かないので、特に写真などはダブルトリミングしないといけない。中綴じ本は、外側にいくにつれて、小口の余白が少なくなるということ。表紙、カバーのデザインの仕方も並製本か上製本かにより、大きさなど変わってくる。
     本のデザインをする人はそこまでの知識がなければならない。
     デザイナーさんというと、天性の閃きやセンスで物を生み出す、マイペースな方というような思い込みをしていたが、全然違うと分かった。
     良いデザインを出来る方とは、緻密な計算をし、経験基づいた理論を持ち、そしてクライアントさんや編集者さんとの連携プレイをしやすいようサムネールを作るなど、仕事の仕方もデザイン出来る方のことだ。
     もちろん、天性の閃きやセンスも大切である。思うような書体や写真や色や素材に恵まれなかったときの工夫により時代を代表するような作品が生まれてきた。そのようなコラムも面白かった。
     おすすめの本である。
     
     

  • この本が2500円で安いなぁ、と思うのはコンピュータ書籍の買い過ぎとも言えるかもしれないけれど、それでも安いと思います。

    一冊の本をデザインすることにどれだけの考えが詰め込まれてるのをしりました。以前あるデザイナーさんがデジタルがダメだといってたことを本と電子書籍にもいえるんだろうと、思いました。文章があれば、それでほんといえるのだろうか。

  • 著者の手掛けた実例のデザインを挙げ、そのラフ段階から「いかにデザインしたのか」を丁寧に解説している。章ごとに焦点を絞っているため素人にも分かりやすい。何度でも読みたくなる良書。

  • 今さら……おいおいと言われそうだけど、
    今の方が理解できることがたくさん書かれている工藤さんの著書。

    工藤さんのレイアウトの指定紙のあとに実際のデータが並んでいる構成が、とても勉強になる。この指定でこうなるのか、この書体はこんなプロポーションだったのか。名前しか聞き覚えがなく、使ったことのない書体の情報を学ぶにも。

    色々な吸収の仕方がある内容の濃い本だと思います。

  • もうちょっと、身を入れてデザインを勉強しなくては…と悩んでいたときに教えていただいた本。webにも十分通じるセオリー。webでは表現が豊かに出来、自由度が高いぶん文字を疎かにしすぎている。丁寧な処理を施すことでイメージががらりと変わる、文字を「魅せる」ことを教えてくれる教科書。

  • 工藤強勝先生による、エディトリアル、タイポグラフィを学ぶための実践的な書。

    私もかなりお世話になっています。
    行間・字間などの組を具体的な良い例・悪い例をあげて解説したり、イラレやInDesignでの実践的な設定方法、キャプション、製本に関することまで、まさに本を作るための教科書(入門書)。
    かっこいい組版を並べてあるだけのよくあるデザイン書とは違い、基礎がちゃんと載っていて安心感があります。

  • 基礎本。知りたいことがだいたい載っている。
    特にツメについて本書は細かい。

  • これで紙のデザインの理解が一気に進んだ一冊。

  •  
    ── 工藤 強勝《デザイン解体新書 20060301 ワークスコーポレーション》272P
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4948759910
     
    ……(Kudou, Tsuyokatsu)監修《DTPWORLD 20020400-20050800 》人気
    連載を書籍化! デザインをするために必要な「文字」「組版」「レイア
    ウト」「造本」「DTP」 のすべてをこの1冊で理解することができます!
     工藤強勝氏が、これまでに積み重ねてきた経験と知識に裏付けされた
    デザインのルールを、『指定紙』を通して解説する1冊です。
     DTPの普及により、マシンとソフトがあればある意味デザインはできる
    ようになりました。が、その作業が正しいのか正しくないのか、良いの
    か悪いのか、判断しながらデザインをしている人は少ないのではないで
    しょうか。
     デザインするときには、ソフト上で、数値的には揃っているはず、機
    械的に同じ大きさのはず、と思っても、「本当にこれでいいのか」「も
    っと見やすく、もっと読みやすくできないか」と疑ってみることがとて
    も大事です。
     本書で取り上げる『指定紙』には、アプリケーションまかせの作業で
    は実現できない"仕上がりイメージを形にするための指定"がされていま
    す。アナログ、デジタルを問わない普遍的なデザインルールが詰まった
    1冊です。
     
     著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
     
     グラフィックデザイナー。首都大学東京システムデザイン学部インダ
    ストリアルアートコース教授。1948年岩手県生まれ。桑沢デザイン研究所
    グラフィックデザイン研究科中退。1976年デザイン実験室設立。建築
    雑誌『SD』、文化誌『別冊太陽』,『日経アート』や数多くのPR誌の
    エディトリアルデザイン・ディレクションを歴任。様々な分野の造本装幀や
    美術展、建築展のポスター・作品図録デザインを手がけるほか、グラフ
    ィックデザイン・タイポグラフィックデザイン・ブックデザインの評論
    を著す。監修書に『編集デザインの教科書』(日経BP社)、『書物の時空』
    (竹尾)がある。日本グラフィックデザイナー協会、東京タイポディレク
    ターズクラブ、日本タイポグラフィ協会、各会員。東京ゲーテ記念館
    評議員。第七回桑澤賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲
    載されていたものです)

    http://q.hatena.ne.jp/1200820550#a797053(No.3 20080123 22:43:50)
     
    http://q.hatena.ne.jp/1488267365#a1262473(No.2 20170305 06:52:07)
     
    http://d.hatena.ne.jp/aedlib/20170301
     
    (20170301)
     

  • まだ青二才の自分には専門度が高くて難しかった。
    図書館で借りて読んだが、デザインの辞書として自分の本棚に並べておきたいので、今後購入したい。

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