- Amazon.co.jp ・本 (418ページ)
- / ISBN・EAN: 9784916028303
作品紹介・あらすじ
「ママ、わたしはダンカを連れて必ず家に帰るわ!」。温かい家族と友達に囲まれて幸福な生活を送っていたレナと、その妹ダンカ。しかし、戦争が始まり、二人はあのアウシュヴィッツに送られることに…。死ととなり合わせの過酷な状況にありながらもレナは妹とともに必ず生き延びてみせると固く誓う-。一人の女性の感動手記。全米の女性たちを、涙と感動の渦に巻き込んだ物語。
感想・レビュー・書評
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生きて帰る。そう決意すれば生き残れるほどアウシュビッツはたやすい場所ではない。レナと同様、希望と気力を失わなかった人々も、看守が左右どちらを指差すかで、死ななければならなかった場所だ。レナと妹のダンカが生き延びることはできたのは幸運と巡り合わせのせいだ。しかし生きる目的がなければ、幸運と巡りあわせも彼女を助けることはできなかっただろう。
ぼくがその場にいたらどうだったろうか。ぼくの生きる目的は、足りるだろうか?
絶滅収容所はひとが作ったものだ。ひとがひとに対して、どうしてこんなことができるのだろう? いくら本を読んでもわからない。わからなくて良いのかもしれないが。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ユダヤ教の安息日にあたる土曜日にも私たちは働く。私たちの信仰を傷つけ、私たちの不屈の精神を挫く別の手段。ぬかるみと格闘しながら、この神聖な日に労働で手を使うのはヘブライの律法に反していることを忘れる。日の出から日の入りまで土をスコップで掘り起こし、篩にかけ、引っ張って行く。日曜日には点呼はない。キリスト教の安息日だ。キリスト教徒の彼らはこの日を休むことにしているが、キリスト教徒の慈愛などかけらも持ち合わせていない。この日は自由日だ。もっともアウシュビッツに自由と呼ばれるものがあればの話だけれど。
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最後まで読み終えてから、もう一度プロローグを読み返すといい。プロローグが凄まじい。
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<あらすじ>
ポーランドの田舎町で暮らしていたコルンレイフ一家は、ドイツの侵略によって家族がバラバラになってしまう。三女レナはアウシュヴィッツに送られたとき 21歳。偶然にも後から来た妹を見つけ出すことができたレナは、強く心に誓う。妹を生きて両親の元へ連れ戻す、何としてでも。
<ひとことコメント>
アウシュヴィッツから生還し、現在アメリカに暮らす女性(レナ)が50年ぶりに語った記憶を、ライター(ヘザー)がまとめたものです。最終的にレナは助かるんだとわかっていても、読んでいる最中は怖くてたまりませんでした。あらゆる人に読んで欲しい一冊です。
原題“Rena's Promise” 訳:古屋美登里 -
「ママ、わたしはダンカを連れて必ず家に帰るわ!」。
温かい家族と友達に囲まれて
幸福な生活を送っていたレナと、その妹ダンカ。
しかし、戦争が始まり、
二人はあのアウシュヴィッツに送られることに…。
死ととなり合わせの過酷な状況にありながらも
レナは妹とともに必ず生き延びてみせると固く誓う。
一人の女性の感動手記。
全米の女性たちを、涙と感動の渦に巻き込んだ物語。 -
設立直後、1,715番目にアウシュヴィッツの囚人になって、最後まで生き延びた女性。親戚や肉親や近所の友人らが次々にやってきては死んでいく収容所で、妹と二人でいかに頭を使って生き延びたか、いかに生に執着していたか、その体験談には息を呑むしかない。理不尽な収容所生活を賢く生き延びた姉妹の物語。
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極端な話をすると私の生き方を変えた本。アウシュビツから生還した女の人のノンフィクション。極限下で人を支えるのは自分に対する誇り、ちいさな楽しみ、そして諦めない事なのだと知った。この本を読んで「正々堂々」と生きることが私の人生のキーワードとなった。