- Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
- / ISBN・EAN: 9784915999154
感想・レビュー・書評
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立花隆さんのエーゲ海旅行記。須田慎太郎さんの写真が素晴らしく、写真集として読んでもよい作品です。
立花さんらしく、単なる見聞記だけで終わらせず、各地で歴史、宗教、哲学について思いを巡らせます。ギリシャの神々がキリスト教に与えた影響、滅びたミレトスの歴史と哲学者ターレスの功績など、好奇心をくすぐられる話ばかりでした。
あとがきにもありましたが、立花さんの文章に加え、これだけの写真がオールカラーで入っていて、ハードカバーで1500円(2005年当時)。関係者の気合いを感じさせますね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「衝撃的な出会い。雷に打たれ、背筋に電流が走ったかのような思いがする瞬間。そういう出会いをより多く持つ事ができた人ほど、人生は豊かである。」衝撃的な出会いをする為に、また、旅に出よう。
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写真と文双方を堪能できる一種の遺跡紀行文。個人的に行ったことがない場所、これからもなかなか行けないだろう場所が多く、またギリシャ神話やキリスト教、哲学者の解説と共に写真を眺められるのが魅力的。
遺跡をめぐりながら著者は「知識としての歴史はフェイクだ」と書く。学校で教えられた歴史、歴史書の中の歴史、歴史家の説く歴史、記録や資料の中にある歴史、それらはすべてフェイク。最も正当な歴史は、記録されざる歴史だと。
確かに、我々が読める歴史は”勝者”が書いた物語、と学生の頃学んで以来、そういう目でものごと見るよう努めてきたが、膨大な記録されざる歴史に迫るのはなかなか難しい。そういう意味でも面白い一冊だった。 -
知の旅は終わらない で立花隆が紹介していたので、
手にした。
写真集としても中々、クオリティが高いと思う。
P.119の写真は本人の許可は得たのかな。
バルセロナータのビーチでも、こんなシーンはたくさん見たよ。
立花隆は、うんざりしたらしい。^_^
第3章は、立花隆としては外せないところだろう。
なんて事を考えながら本書を読んだ。
2005年11月1日の刊行だが古さは感じさせない。 -
38700
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序章で、何と無駄なことをしている著作かと思ったが、それは最初だけで、第1章からはエーゲ海を一周する旅の、たいへんに示唆に富む旅行記であった。
特に印象的だったのは、ギリシャのフィリピとトルコのエフェソス。もしも機会に恵まれれば、ぜひ訪れてみたい。 -
立花隆の『ぼくの血となり肉となった五◯◯冊そして血にも肉にもならなかった一◯◯冊』をパラバラ再読していたら、同書の中で立花がこの『エーゲ』について、「ぼくが書いた沢山の本の中でも、内容的に三本指に入る本だと思う」と自画自賛していたのが目についた。それで読んでみたしだい。
1982年、立花が写真家の須田慎太郎とともに、40日間かけてエーゲ海の回り(ギリシア、トルコ)をぐるりと旅したときの旅行記である。
いまなはき月刊『プレイボーイ』に連載されたものの、未完に終わっていた作品。それから20年以上を経た2005年に、ようやく完成・刊行された。
美しいカラー写真と文章が、ほぼ半々の構成。オールカラーでこの値段は格安だと思う。
ミーハーな観光旅行の対極にある、立花隆らしい深みのある思索に満ちた旅行記。おもに古代遺跡を見て回る旅で、さまざまな遺跡を見ながら、立花が歴史・文明・宗教・哲学に思いを馳せていく。
文章にも力がこもっていて、「立花は田中角栄などに深くかかわるより、ホントはこういう仕事だけやっていたかったのだろうな」と思わせる。もっとも、本書は彼の本の中でいちばん売れなかった部類らしいけど。
文章量も少ないし、立花の著作でベスト3に入るほどの作品かというと首をかしげるが、読みごたえある好著であるのはたしか。
「最初の哲学者」ターレス(「万物の源は水である」と言った人)を生んだ都市国家ミレトスの遺跡を訪ね、そこから哲学の根源や歴史のもつ意味について思索を広げていく終章が、最も面白い。 -
写真がとても綺麗だし文章も広く西洋知に関連していていい内容だと思う。西洋の思考の源泉のひとつをこうして写真とともに触れることは大切かなと思う。そういうこと含めてマインドが広がるいい本かな。
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知識は読んで考えるだけでは身に付かない、実際に動いて何かを見て、聞いて、感じてこそ身につくものっていう事を改めて考えさせられた一冊。
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歴史や神話など興味深い内容だった。少しつながりなどがわからないところもあり難しく感じた。