ラブレター: 写真家が妻と息子へ贈った48通の手紙

著者 :
  • ネコノス
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本棚登録 : 177
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784910710044

作品紹介・あらすじ

エッセイでもない、日記でもない。それは、妻と子へあてた48通のラブレター。 

子育て情報サイト「ninaru ポッケ」で、2018年から続いている幡野広志さんの連載『僕は癌になった。妻と子へのラブレター。』 その第1回から第48回までを、写真とともに一冊の書籍にまとめました。

 治らないがんを宣告された写真家が、日々の暮らしの中で思い、考え、伝えて続けているのは、自分たち家族のありかたは、他の誰にも振り回されることなく、自分たちで決めようということ。
 
 育児、仕事、お金、遊び、友人、病気、旅行、家族、食事。私たちの毎日は様々な選択の連続です。その選択一つ一つを、自分できちんと考え、自分で決めよう。限られた時間、残された時間の使い方を、習慣や世間体などに惑わされず、自分の意志で選び取ろう。それが自由で豊かな人生につながるのだ。幡野さんはそう繰り返し言います。
 一人の夫・父親が妻と子に送る切実な言葉は、子育てから生き方にまで広がり、その個人的な言葉はやがて普遍的なものとして、私たちの胸の深くまで飛び込んできます。

感想・レビュー・書評

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  • 奥さんと息子さんに向けたお手紙。

    大事なことがたくさん載っていて、
    満足して幸せに生きること。
    楽しめない迷信も不幸をばら撒いてくる人もちゃんと距離を置く大切さ。
    置いていく者と置いていかれる者どちらもしんどいけどあくまで他人。だから、自分は気にせず幸せになってほしいという願い。
    温かみのある家族写真。

    すごく胸に迫ってきて1人で泣きながら読んだ。
    共感性高すぎる自分キモいな、と思いながら読んだ。

    何が言いたいかというと、とってもいい本です。
    また読みます。

  • 前半はフェブでも公開されていたエッセイで、幡野さんの子育てや生き方に対する考え方が綴られている。そして後半はタイトルにあるように奥さんへのお手紙だ。前半は皮肉も少し入ったピリッとした感じの文章だけど、やはり後半は奥さんや息子さんのこれからを思って書かれたためなのか、とても温かくて涙が出そうになった。

    自分の人生が無限ではないことを実感しているからこそ紡がれる言葉ばかりで、背筋が伸びる感じがした。

    それにしても幡野さんの子育て論はすごく参考になるし、実践されてるからすごい。子育て何回目ですか?ってくらい説得力がある。

  • 特別な一冊。

    巡ってきた特別な日に読みました。

    写真、文章、装丁、どれも素敵でした。

    家族ではない私が読ませていただいていいのだろうか、という気持ちと、読ませてくださってありがとう、という気持ちと。

    自分の子どもが優くんくらいの年齢のときにこの本を読めていたら、どれだけ助けになっただろう、と思いました。

    優くんが、パートナーさんが、とても大切にされていることが伝わってきました。否、お互いを大切にし合うご家族であることが伝わってきました。

    この特別感、本当に素敵です。
    大切に、大切に、読み返していこうと思います。

  • PARCOの写真展で特装版を買いました。
    写真家であり癌で余命宣告されている筆者が、奥さんにあてる形で書いた約50通のラブレター。2018年からコロナ真っ只中の2022年まであります。
    お子さんとの向き合い方がとても共感できますし、宝くじを買って当たったら家族に美味しいものを食べさせたいと言う奥様がかわいいです。

  • 思い出話で思い出し笑いをするような幸せな人生を歩んでほしい。

    ミルクをこぼしても、ぼくは絶対に怒らない。息子の失敗を怒らないということを、ぼくの憲法にしている。怒らないでこぼしたミルクを拭き取ることを教えている。

    子育ての目的は自立をさせること。
    自立をさせることが目的なら、信じることが手段なのだ。

    親バカの最大の危険は子どもの加害に気づきにくことだ、ぼくも気をつけよう。

  • 正体不明の涙があふれた。

    幡野さんって、ひねくれて理屈っぽくて
    大切な物以外には結構ドライだ。
    こう書いてしまうとディスっているように
    聞こえちゃうかもしれないけど、
    それって 人に流されず、物事を自分の頭で考えて
    大切な物をエネルギー全振りで愛する
    ってことでもある。

    そこが好き。

    一冊の中でだんだんと成長していくゆうくんの姿が
    会ったことも無いのにめちゃくちゃグッときたし、
    奥さま・ゆうくんへの温かい眼差しが伝わる写真と言葉から、家族の尊い瞬間を 分けてくれてありがとうございます、という気持ちになった。

  • 写真家である筆者が撮った家族との日常の写真と、妻と息子に宛てた手紙のような文章が48編収められている。

    筆者は、子どもが1歳半を過ぎたときに多発性骨髄腫を診断された。平均余命は3年というこのがんが分かってから1か月後にインターネットで綴り始めた文章が基になっている。

    ただし、闘病記ではなく、そのような環境に置かれた父親から家族へのいろいろな気持ちが綴られた、表題通りの「ラブレター」という内容だった。

    とても印象に残ったのは、がんになっても自分のやりたいこと、行きたいところ、過ごしたい時間を大切にし、また家族にもそのように過ごしてもらいたいという気持ちを持って日々を過ごしているという筆者の生き方である。

    実際には、筆者自身も家族(特に妻)も、将来への不安やさみしさを内にたくさん抱えていると思うが、だからこそ逆に、自分たちを幸せにしてくれる時間を大切にしたいという想いで日々を過ごしていることが感じられた。

    また、筆者から妻や息子への「ありがとう」という言葉が何度も出てきているところも、とても素晴らしかった。家族それぞれが自分のことを大切にしながら、一緒の時間を過ごしていけているということが、自然な感謝の気持ちの源になっているように感じた。

    本書には、連載の2018年2月から2022年2月までの約4年間分が掲載されており、最初は小さかった息子が5歳になって見違えるほど大きくなっていく。写真を見ながら読んでいるうちに、いつの間にかこんなに大きくなったんだということに気付かされ、この連載の間に経過した時間の長さも感じた。

    自分のことを大切にしながら相手のことも思いやる。この2つのことが自然に組み合わせられることで、幸せな人間関係が出来るということを、教わったように思う。

  • 幡野さんが奥さんと息子さんに宛てた、大切な大切な手紙。
    「ぼくは息子に言葉を残してあげたい」と幡野さん。
    迷った時、困ったとき、きっと何度もこの本を開く、そしてこれで良かったんだと安心して進んでいける言葉達ばかりだった。

    タイトルや終わりに幡野さんの自筆の箇所がある。
    何気ない写真もいい。

    ありがとうございます。

  • 死を直前にした著者の命の叫びと思ったが、いつもの日々を綴ったエッセイでした。

  • 48のラブレターを約3ヶ月かけて読了。
    コスパやタイパが囁かれている時代ですが、時には手を止め、足を止め、ゆっくり読んで欲しい本。
    家族や時間が愛おしくなる一冊。

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著者プロフィール

1983年 東京生まれ。写真家。元狩猟家、血液がん患者。2004年日本写真芸術専門学校中退。2010年広告写真家高崎勉氏に師事。2011年独立、結婚。2012年狩猟免許取得。2016年息子誕生。2017年多発性骨髄腫を発病。著書に『ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。』(ポプラ社)、『写真集』(ほぼ日)、『ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。』(PHP)、『なんで僕に聞くんだろう。』『他人の悩みはひとごと、自分の悩みはおおごと。』(ともに幻冬舎)がある。

「2022年 『ラブレター』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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