- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784910413112
作品紹介・あらすじ
「俺はこの町で一番頭が悪く、なんのコネやツテもなく、やる気も金もないクソみたいな道具屋だ」
関西某所のとある古道具店。その店主は、かつてブログが登場する以前のインターネットで多くの読者を魅了した伝説のテキストサイトの著者だった――中卒、アングラ商売、アルコール依存症、ホームレスなど破格の経歴をもつ道具屋店主による、金と汗と汚物と愛にまみれた“冒険”の数々を、唯一無二の文体でつづった痛快私小説。
「俺だけのルールがある。俺専用のやつがな。誰だってそうだろ? 俺たちは世界のすべてを全員で共有してるわけじゃない。たまに交錯したり、部分的に共有してるだけだ。だから自分の世界を生きるのには、自分だけのやり方がいる。他のやつのやり方じゃダメなんだ」
【推薦】
古物のみならず人間の本質を見抜く確かな目。群れない。他人の評価に無関心。
クソをクソのまま描く作者の口の悪さと無類の筆力に圧倒された。
――こだまさん(作家)
溢れ出す悪態、自分流儀の厳守、ときに逡巡なき暴力、そして猫。ハードボイルドさながら、古道具屋の日々をタイトなビートで描く、こんなクールな「業務日誌」が、かつてあっただろうか。
――books 電線の鳥 原山聡矢さん
世間、社会そして自分自身に対して悪態をつきまくりですが、その底にある優しさや愛、その在り方が滲んでいて読みながら愛おしくなってくるから不思議です。この人に後始末をしてもらえるなら成仏できそう。
――湘南 蔦屋書店 八木寧子さん
三途の川を渡れない品々を汗みずくでかき集める因果な稼業の秘密を川井さんは見事に物語化してしまった。漂泊の果ては乱暴で温かい世界だ。
――平井の本棚 津守恵子さん
川井さんの言葉ざまが好きだ。ロクでもないし、本物だ。というか、マジで面白い。噓じゃない。残念ながら、最高だ。川井俊夫を読まないという選択肢があるひとが羨ましい。ぼくにはなかった。ありえなかった。
――紀伊國屋書店 国分寺店 猪股康太さん
この「途方もなくデカい肥溜め」という世界の中で、何かを、誰かを、見つけたいと思っているあなたへ。
――BOOKS青いカバ 小国貴司さん
読み始めは荒々しい言葉に少し身構え、自分には縁のない世界だな…なんてことを思っていました。読み進めていくうちに何だか憎めない、さらには愛おしさすら感じてしまう不思議な魅力がありました。破天荒な人生を歩んできた川井さんにしか書けない唯一無二の作品。すでに次作が待ち遠しくすらあります。
――紀伊國屋書店 吉祥寺東急店 徳光のぞみさん
感想・レビュー・書評
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読み心地の良い文体、説明も少なく読者を信頼している(書きつけていると言いそうだが、)ので微笑ましく読めた。微笑ましい内容ではないが、壮絶なものを超えた、あるいは越えようともがいている人間にのみ書ける文章。もっとたくさん読みたい。塩と水、まで辿り着いたが自分に受け止めれる情緒が今なく、いつか、と思っている。
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黒いゲロ、ゴキブリの糞まみれの食器、異様な収集物、妖怪ジジイ。自分の暮らす日常とかけ離れすぎて、ほとんどホラーファンタジーです。でも現実なんだろうなという説得力、重みがある。そしてなぜかスカッとする。面白かったです。好き。
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最高にクール めちゃめちゃおもろい
この本に出会わせてくれた本屋は家から遠いけど、これからずっと応援する
あの時、レジでたまたまこの本の値付けをしていた店主さん、ありがとう -
とても面白かったし良かった
パラパラとページをめくって拾い読みした印象では、必要以上に粗く乱暴な言葉選びで耳目を引くことばかり考えたブログの雑文の様なのに、読んでみると著者の自分の哲学に真っ直ぐな様にピッタリはまっているし、骨董屋としてのエピソードはもちろん、著者の妻との馴れ初めの話はとても美しくて良かった -
自己流を貫き、厭世的でハードボイルドなんだけど、その言動と書き振りの底には目一杯の温もりが溢れていて。狙って書いたらこの感じは出ないと思うので、道具屋という職業とその異色の経歴を含めて、唯一無二の小説家だと思います。次作も是非読んでみたい。
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全編悪態にまみれているのに、爽快な読後感。
この人の文章好きだ。 -
面白い。著者のツイートのファンです。とにかく口が悪く荒々しいのに、信頼感があって快い…不思議な言葉の数々。好きです。あっという間に読みました。でもやっぱり生っぽいリアルタイムなツイートが一番大好きだから星4。