ベンチャー・キャピタリスト──世界を動かす最強の「キングメーカー」たち

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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784910063218

作品紹介・あらすじ

【孫正義/ピーター・ティール/モデルナワクチンの仕掛け人など、世界の「キングメーカー」勢揃い】

ギャンブラーよりもクレイジーで、起業家よりもビジョナリー。

時に1兆円を超える巨額を投じ、名だたるスタートアップ企業をリードしながら、新たな産業を創り出す、「キングメーカー」の投資戦略とノウハウ、その全思考がついに明かされる。



日本経済史上、最高の利益を叩き出したのはスタートアップ投資だったーー。
2020年3月期、孫正義が率いるソフトバンクグループの投資会社「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」が叩き出した純利益5兆円(含み益込)は、日本企業のあらゆる記録を打ち破った。

いまやスタートアップへの投資が、国力を左右するキーファクターになっている。
その投資額はグローバルで50兆円に達する勢いで激増しており、7年前に初めて使われたユニコーン企業(時価総額1000億円以上のメガベンチャー)は、いまや世界で1000社に届こうというスピードで増殖している。

新型コロナのワクチンを作ったモデルナ、コミュニケーションの生命線となったズーム、脱炭素のアイコンとなっているテスラ、宇宙防衛産業のフロンティアにいるスペースXまでーー。
GAFAを始めとする巨大なスタートアップの裏側には、彼らを「時代の覇者」に押し上げてきた、知られざる黒幕がいる。

それが、スタートアップ投資を専門にするベンチャーキャピタルだ。

イノベーションの世界の舞台裏で、ハイリスクハイリターンの投資を繰り返しては、時には想像を絶するような利益を手にしてゆく。彼らは巨額を動かす投資家でありながら、起業家スピリットをもつビジネスエリートにして、イノベーションの再現性を探る科学者のようでもある。

アメリカだけで8000社を超えるベンチャーキャピタルの中でも、トップ・オブ・トップの「超勝ち組」と呼ばれる一握りの投資集団たちが、長らくイノベーションの世界のキングメーカーとして君臨してきた。いわば未上場の株取引市場は「独占産業」だった。

普段、ほとんどその姿は表に現れず、長らく秘密のベールの内側に包まれてきた。
しかし、NewsPicksサンフランシスコ支局長を務めるジャーナリストの筆者が、シリコンバレーで有数の投資実績を誇るSozoVenturesの協力を得て、GAFAを始め、ズーム、テスラ、スラック、コインベースなどを初期から支えてきた、実に31社40人以上の独占取材に成功。
トップオブトップのベンチャーキャピタリストが網羅された、本邦初のインタビュー集だ。

いまだに世界3位の経済規模をもちながら、なぜ日本から革新的なビジネスがなかなか生まれず、そのポテンシャルを引き出せないのか。
日本が30年間、見落としてきたその答えを、世界的なテクノロジー企業たちと巨万の富を作ってきた、キングメーカーたちが教えてくれるはずだ。

感想・レビュー・書評

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  • シリコンバレーのベンチャーキャピタルSozoventures協力の下、ベンチャーキャピタル業界の産業構造や特性、業界の現実を説明した上で世界で活躍する30ものベンチャーキャピタルの投資家たちのインタビューをまとめた本。


    日本ではベンチャーキャピタルと言っても会社がギャンブルをやっているようなものと捉えられがちだが、シリコンバレーを中心とするベンチャーキャピタル業界ではそれ自体産業と捉えられていて、その規模も2020年で3474億ドルだそうだ。(因みに日本は45億ドル)

    もちろん上場企業に投資するわけではないのでその投資先の過半数は元本を割り込み、10倍以上のリターン案件は4%ほどというハイリスクハイリターンの投資で、勝ち組ベンチャーキャピタルはトップ1%しかないのであるが、その投資は決して運任せではない。

    それぞれベンチャーキャピタルには各々の強みがないと生き残れず、例えばもと研究者でその研究分野の事業評価に強みを持つとか、ある特定の地域の消費者の嗜好や法律に通じているとか、人脈が豊富でサポートできるなどの強みを活かしてカネとしての投資のみならず営業面や知財面、技術面や法務面等のサポートを通じ元本10倍以上のホームラン案件を増やすべく努力している。

    本書で取り上げている代表的な30のベンチャーキャピタルの特徴もSaaSやFintecに強いものから一流の科学者を集め、仮説を持ち寄り、創業のヒト・モノ・カネの段階から作り始めるタイプのもの、インド・南米など特定の地域に通じているタイプのものなど様々だ。

    ただ、金融緩和が終わり、金利上昇の局面に入ろうとしていることや、米中対立やウクライナ戦争のように世界で分断が進んでいることなどを考えるとリスクマネーの供給もかつてほどには進まないようにも感じる。しかしながら脱CO2の問題が世界の課題となったり、IT革命に続くAIの革命で旧来型の産業が一部転換しつつあることもまた事実で、その点ではリスクマネー供給による社会変化が望まれる。
    ただ、日本としてはこういったベンチャーキャピタルの役割を商社が果たしていたり、親会社の新事業として子会社を立ち上げてそれを親会社がサポートすると言ったような日本的なイノベーションも存在しているように感じた。

  • ほとんど表に情報が出てこないベンチャーキャピタルの世界を、少しだけ覗かせてもらった。

    優秀なベンチャーキャピタリストを、一企業が雇うことは不可能。報酬体系と金額、そもそもの保有資産が莫大だから!

    ベンチャーキャピタリストは、ベンチャー投資をギャンブルだとは思っていない。凄まじい労力をかけたデューデリと、ネットワークによる情報収集、ビジネス拡大の能力を持ち合わせており、腕に自信があるから!

  • もう最新の情報ではないですか、キングメーカーの視座に触れる機会としては面白かったです

  • グローバルの有名VCにどういうプレイヤーがいて、どういう原理に基づいて考え行動しているのかがわかり面白かった

  • VCにまったく興味がなかったけど上司から勧められて読んでみた!ベンチャーキャピタリストたちがどんな思いで動いているかよくわかった。筆者の狙いかどうかはわからないけど、
    ・日本人はもう少し大胆にパッションあふれる生き方をしないと諸外国(特に米中印)と張り合うことが本格的にできなくなりそうな気がする
    ・やはり白人男性がヒエラルキーの頂点にいる気がする
    の2つが率直な感想です。だからどうと言うわけでもないけど、まあ、読んでVCそのものの理解は深まったのでよしとしよう。自分が投資家になろうとは相変わらず思わなかったけど笑

  • かなりの数のVCインタビューが読み応えがある

  • なかなか深い情報が書かれていて興味深かった。

  • 様々なベンチャーキャピタリストの活動がまとめられており、その活動を垣間見ることができる貴重な書籍。シリコンバレーのみでなく、ヨーロッパ・アジア・アフリカなど様々な地域、さらには社会課題の解決やマイノリティへの投資など主要な投資ターゲット先も異なる様々なベンチャーキャピタリストの活躍が紹介されている。またベンチャーキャピタリストが投資してきた様々なビジネスに関しても知ることができ、本書籍で紹介されているベンチャーキャピタリストの多様性と合わせて様々なビジネスを学ぶ良いきっかけとなった。

  • アイデアの具現化もカネ次第で、その出処を生業とするVCは、即ち今の世の中を動かすエネルギーの役割を担っており、彼らを追うことは、時代のトレンドを追う事に繋がる。無論、その結果が我々に届く頃には、彼らの目は更にその先を見ている訳で、現に今具体的にどんなスタートアップや研究に巨額が投じられているか、本書では語られない。今日の巨大企業への先行投資は、一見当たり前に感じられるが、それは結果を知っているからで、当初どれほどリスクが大きかったかを想像しなければ、この仕事の難しさと醍醐味(旨味)は分からないのだろう。取材対象は北米がメインだが、東南アジア、南米、アフリカなど、これからの成長余地が大きいエリアへも目配せしており、飽きずに読めた。

  • 『#ベンチャーキャピタリスト』

    ほぼ日書評 Day604

    駄作

    Day603を100倍オススメする。

    スタンフォード大学で進める「究極の青田刈り」…とか、校閲すらしていない。

    https://amzn.to/3PhVmvA

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著者プロフィール

NewsPicks 副編集長(サンフランシスコ支局長)
1981年東京生まれ。青山学院大学文学部卒業。毎日新聞社を経て、週刊ダイヤモンドを経て、2016年にNewsPicks編集部に参画。企業報道チームを立ち上げ、シリコンバレーにおけるテクノロジーの最前線から、中国で勃興するスタートアップなど幅広くカバー。2019年にはサンフランシスコ支局を開設。これまで『アップル帝国の正体』(2013年共著、文藝春秋)や、『LINE 韓流経営』(2016年、扶桑社)など執筆。

「2022年 『ベンチャー・キャピタリスト ──世界を動かす最強の「キングメーカー」たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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