2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ

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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784910063133

作品紹介・あらすじ

イーロン・マスクの盟友が「未来」を完全ガイド!
米Amazonレビュー800件突破(☆平均4.7)の大ベストセラー!
小売 広告 エンタテインメント 交通 教育 医療 長寿 金融 不動産 環境……
テクノロジー「融合」によって、大変化は予想より早くやってくる。
エリック・シュミット(Google元CEO)、クリントン元大統領、イーロン・マスクらが熱烈に支持する「シリコンバレーのボス」が、この先10年のビジネス・産業・ライフスタイルを1冊で徹底ガイド!
解説=山本康正(DNX Venturesインダストリー パートナー『2025年を制覇する破壊的企業』)

感想・レビュー・書評

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  • 【感想】
    いや~凄く面白い本でした!!
    読んでいる途中、「え、こんな未来が本当にあと10年弱で実現するの?」と疑ってしまいましたが(笑)
    それくらいSFチックでブっ飛んだ内容でした。
    ただ、僕がこのように現実とのギャップを感じてしまうのは、それだけ僕や日本の社会が先端テクノロジーとの乖離があるからなのかも・・・
    日本人である我々が、「こりゃSFだなぁ」「本当に実現するの?」という疑問を感じてしまうこと自体に、危機感を持った方が良いのかもしれませんね。

    「我々はこれからの100年で、2万年分の技術変化を経験することになる。」と文中にありましたが、技術の変化自体だけを見れば、それは僕ら人類にとって恩恵以外の何物でもないと思います。
    問題は、それをしっかりと享受できるのかどうか。
    技術の進歩によって、現行の職業の大半が駆逐されてしまうという話は本書に限った事ではありません。
    (駆逐された分、新たなビジネスが生まれますので、そう考えると大きなリスクではない気もしますが・・・)
    だから、1ビジネスパーソンとしての目下の課題は、"加速する変化そのものに自分が取り残されないかどうか"であると思います。
    そうならない為の策として、本書では「この未知の領域を切り拓いていくための唯一の方法は、常に、そして継続的に学び続けることだ。」と書かれています。
    結局は、変化の波に取り残されないよう、"継続的に学び続けること"がMUSTなのですよね。
    大変ですなぁ・・・

    ちなみに、消費者として変化に取り残されると心配するのは不要かも。なぜなら、消費者のニーズありきの"変化"だと思いますので。
    「エクスポネンシャル テクノロジーの6つのステージ」に書いてあるよう、そのテクノロジーが「大衆化」されたタイミングで恩恵を受ければそれで問題はないのではないかな~と思います。
    (トレンドに敏感な消費者は、もう少し早い段階でサービスを享受するのでしょうが・・・)
    時代遅れと思いたくない方は、そういった新しいテクノロジーにライドオンしていけば良いのでしょう。

    新しいテクノロジーの台頭によって、自身のアップグレードは勿論ではありますが、何でもかんでも首を突っ込んでしまうのはまた別の話かと思います。
    まずは自身の仕事や興味嗜好に関係するテクノロジーに着目し、それを更新していければ十分かも。
    いずれにせよ、これからこの世界がどのように変わるのか、本当に楽しみでございます(^^)

    【内容まとめ】
    0.我々はこれからの100年で、2万年分の技術変化を経験することになる。
    つまりこれからの1世紀で、農業の誕生からインターネットの誕生までを二度繰り返すくらいの変化が起こるわけだ。
    パラダイムシフトを引き起こし、ゲームのルールを一変させ、すべてを変えてしまうようなブレークスルーが「たまに」ではなく「日常的に」起こるようになる。

    1.進化するテクノロジー同士のコンバージェンス(融合)の結果、何が起こるのか?
    コンバージェンスが加速度的に起こると、それぞれの事業とそれを取り巻く世界の変化も、明らかに加速化する。

    2.エクスポネンシャル
    変化が目のくらむほどの速度で起きるという意味

    3.エクスポネンシャル テクノロジーの6つのステージ
    ・デジタル化
    ⇒あるテクノロジーがデジタル化されると、ムーアの法則に則ったエクスポネンシャルな加速が始まる。
    ・潜行
    ⇒エクスポネンシャルテクノロジーは最初は大きな注目を集めるが、初期の進歩はゆっくりのため、しばらくは世の中の期待に応えられない状態が続く。
    ビットコインが典型例だ。
    ・破壊
    ⇒エクスポネンシャルテクノロジーが本当の意味で世界に影響を与え始めた時がこのステージだ。既存の製品、サービス、市場、産業を破壊していく。
    ・非収益化
    ⇒かつて製品やサービスにかかっていたコストが、そっくり消えてしまうステージ。例を見ると、写真産業が挙げられる。
    フィルムや現像にお金がかかっていて皆限られた枚数しか取れなかったが、写真がデジタル化した結果、コストは消滅した。
    ・非物質化
    ⇒かつて独立した製品・サービスとして存在していた機能が、今ではあらゆるスマホに標準装備されるようになった。
    Wikipediaによって百科事典が消え、iTunesによってCDショップが消滅したのも非物質化の例だ。
    ・大衆化
    ⇒エクスポネンシャルテクノロジーがスケールし、一般に広がるステージだ。

    4.5G
    ネットワークの進化を語るキーワードは「G」だ。「ジェネレーション(世代)」の略である。
    最初の電話ネットワークが広がり始めた1940年代が「0G」、これは潜行段階だった。
    1Gは1980年代に登場した携帯電話ネットワークで、これにより潜行ステージから破壊ステージへ移行した。
    インターネットが登場した90年代には「2G」が到来、10年後には「3G」によって新しい加速の時代が始まった。
    2010年にはスマートフォン、モバイルバンク、eコマースによって「4G」ネットワークが広がった。
    これからは「5G」が100倍近いスピードをもたらし、すべてを変えていくだろう。

    5.教育の未来
    今日のAI革命は、一人ひとりの生徒にカスタマイズされた学習環境を生み出す力をもたらしている。
    たとえば生徒の成長マインドセットを維持したり、学習効果を強化するフロー状態に誘導したりといったことも可能になる。
    分散型で、個人に合わせてカスタマイズできる、加速度的な学習環境だ。

    6.人間に近いブタの臓器を適用できないか?
    ブタの遺伝子地図を作成し、ウイルスを発生させる遺伝子を全て削除し、病気のリスクを排除した「クリーンなブタ」をつくった。
    そして目下、人間の体内で臓器の拒絶反応を引き起こす遺伝子を封じ込めるという最大の課題に取り組んでいて、うまくいけば移植用臓器の提供はほぼ無限となる。
    とはいえ、この方法はブタに多大な犠牲を強いるものだ。

    この問題解決のため、マーティーンは最先端の再生医療技術を使い、動物を一切使わない方法を開発しようとしている。
    コラーゲンを使い、人工肺の3Dプリンティングに取り掛かった。
    そのスキャフォールド(足場)を生きた肺に変えるため、幹細胞を使った実験を進めている。
    マーティーンは2028年ごろには臓器不全は避けられない運命から解決可能な問題に変わると見ている。

    7.AI×3Dプリンティング×ロボットの医療がくる
    AIはすでに手術ロボットの世界にも入り込んでいる。
    ICUになだれ込んでくる大量のシグナルを分析したり、自律型ロボットが患者に対処するのを支援したり、ダヴィンチのようなロボットを通して外科医の手の震えを抑えたりする。

    3Dプリンティングもかなり前から手術室に進出している。
    義肢の製造、臓器の印刷に使われるよつになり、生体工学の世界に入り込み始めた。
    臓器、耳、シャント、脊髄、股関節、また必要に応じてカスタマイズされた手術道具なども作ることができる。

    8.日本のメディアが取り上げない分野こそが重要
    自国企業が関わっていない「ハイパーループ」などの技術革新は、日本メディアでは小さく扱われがちだが、海外では重要視されている。
    逆に、日本のスパコン「富岳」は海外でほぼ重要視されていない。重要視されているのは量子コンピュータだ。



    【引用】
    2030年 すべてが「加速」する世界に備えよ


    第一部 「コンバージェンス」の破壊力
    第1章:「コンバージェンス」の時代がやってくる
    第2章:エクスポネンシャル・テクノロジー
    第3章:エクスポネンシャル・テクノロジー2
    第4章:加速が「加速」する

    第二部 すべてが生まれ変わる
    第5章:買い物の未来
    第6章:広告の未来
    第7章:エンターテインメントの未来
    第8章:教育の未来
    第9章:医療の未来
    第10章:寿命延長の未来
    第11章:保険・金融・不動産の未来
    第12章:食料の未来

    第三部 加速する未来
    第13章:脅威と解決策
    第14章:5つの大移動が始まる


    p17
    進化するテクノロジー同士のコンバージェンス(融合)の結果、何が起こるのか?
    コンバージェンスが加速度的に起こると、それぞれの事業とそれを取り巻く世界の変化も、明らかに加速化する。


    p28
    ・ムーアの法則
    テクノロジーの中に、一定間隔で性能が倍増していく一方、価格は下落していく。
    コンピュータ→スマートフォンが最たる例で、1960年代から大きさは1万分の1、価格は1000分の1、性能は100万倍になった。


    p35★
    ・エクスポネンシャル
    変化が目のくらむほどの速度で起きるという意味


    p35★
    我々はこれからの100年で、2万年分の技術変化を経験することになる。
    つまりこれからの1世紀で、農業の誕生からインターネットの誕生までを二度繰り返すくらいの変化が起こるわけだ。
    パラダイムシフトを引き起こし、ゲームのルールを一変させ、すべてを変えてしまうようなブレークスルーが「たまに」ではなく「日常的に」起こるようになる。


    p47
    Amazonがあなたの生活を変えるのに何をしたかと言えば、インターネットという新たなテクノロジーを使って通信販売カタログという古いテクノロジーにテコ入れしただけだ。
    一方これから私たちが経験する交通革命ら、半ダースほどのエクスポネンシャル・テクノロジーが融合し、半ダースほどの市場が統合された結果として実現する。
    それほどのインパクトが重なり合うとどうなるのか、想像するのはかなり難しい。


    p49
    これから数十年でAIとロボティクスのコンバージェンスによって、アメリカの労働者の相当な割合が失業の脅威にさらされることを多くの研究が示している。
    社会の変化に適応するためには、数千万人の労働者が再教育を受け、バージョンアップしなければならない。


    p50★
    すぐ先に待ち受けている未来を見通し、来るべき事態に適応する機敏さを持つことが今ほど重要だった時代はない。
    それこそ本書がやろうとしていることだ。


    p60★★
    ・エクスポネンシャル テクノロジーの6つのステージ
    1.デジタル化
    あるテクノロジーがデジタル化されると、ムーアの法則に則ったエクスポネンシャルな加速が始まる。

    2.潜行
    エクスポネンシャルテクノロジーは最初は大きな注目を集めるが、初期の進歩はゆっくりのため、しばらくは世の中の期待に応えられない状態が続く。
    ビットコインが典型例だ。

    3.破壊
    エクスポネンシャルテクノロジーが本当の意味で世界に影響を与え始めた時がこのステージだ。
    既存の製品、サービス、市場、産業を破壊していく。

    4.非収益化
    かつて製品やサービスにかかっていたコストが、そっくり消えてしまうステージ。
    例を見ると、写真産業が挙げられる。
    フィルムや現像にお金がかかっていて皆限られた枚数しか取れなかったが、写真がデジタル化した結果、コストは消滅した。

    5.非物質化
    かつて独立した製品・サービスとして存在していた機能が、今ではあらゆるスマホに標準装備されるようになった。
    Wikipediaによって百科事典が消え、iTunesによってCDショップが消滅したのも非物質化の例だ。

    6.大衆化
    エクスポネンシャルテクノロジーがスケールし、一般に広がるステージだ。


    p66★
    ・「見る、聞く、読む、書く、知識の統合」
    この5つのタスク、現段階でAIがどこまで到達したか?

    「聞く」機能ではスマートスピーカーが挙げられる。

    「読む」機能だと、Googleの「トーク・トゥ・ブックス」を使うと、あらゆる話題についてAIに質問できる。
    AIは05秒以内に12万冊以上の本を読み、そこから引用して答える。
    従来と比べて優れているのは、単にキーワード検索ではなく、著者の意図まで汲んで回答する点だ。

    「書く」機能において、ナラティブサイエンス社などがAIを使い、人間のジャーナリストの手を一切借りずに雑誌に載せられるレベルの記事を作成している。
    また、本まるごと1冊を書き上げるAIもあり、日本の有名な文学賞でAIの書いた小説が最終選考に残った。


    p73
    ・5G、気球、衛星
    ネットワークの進化を語るキーワードは「G」だ。
    「ジェネレーション(世代)」の略である。
    最初の電話ネットワークが広がり始めた1940年代が「0G」、これは潜行段階だった。
    1Gは1980年代に登場した携帯電話ネットワークで、これにより潜行ステージから破壊ステージへ移行した。
    インターネットが登場した90年代には「2G」が到来、10年後には「3G」によって新しい加速の時代が始まった。
    2010年にはスマートフォン、モバイルバンク、eコマースによって「4G」ネットワークが広がった。
    これからは「5G」が100倍近いスピードをもたらし、すべてを変えていくだろう。


    p176
    ・ショッピングモールはもういらない。
    (第5章「買い物の未来」より)
    VRヘッドセットを着用し、「明日のパーティーに着ていく服が欲しい」と言う。
    すぐにバーチャルブティックにテレポートされる。
    自分そっくりなモデルに色んな服を当てがい、査定する。
    衣装を選び終えると、AIが代金を支払い、3Dプリンターが倉庫で新しい洋服を製作、ドローンなそれを自宅に送り届ける。
    費用は中間業者が一切入らないので、かつて店で支払っていた金額の半分程度だ。


    p180
    ・広告の未来
    2017年、Googleの広告収入は950億ドル、Facebookは390億ドルに達した。世界の広告収入の約25%を占める。
    ソーシャルメディアマーケティングは、15年足らずで伝統的な広告産業そのものを駆逐した。

    テクノロジーのコンバージェンスの勢いは収まらず、変化はこれからも続くだろう。
    広告は当面、これまで以上に私たちのプライバシーに踏み込み、ますますパーソナルになっていく。

    だがそれも長くは続かない。
    遠くない将来、ソーシャルメディアマーケティング市場そのものが消滅するだろう。
    それまでに要する時間を、私たちは10~12年と見ている。


    p187
    ・ディープフェイクの進化
    カーネギーメロン大学が開発したアルゴリズムは、本物そっくりのディープフェイクを作成できる。
    使われているAIは、ある動画に映っている人物の頭の角度、表情、視線を別の動画にそっくり写せるだけでなく、まばたきの数、わずかな眉の動きといったディテールまで再現できる。
    およそ看過できない「フェイクニュース」に悪用され、個人の評価を貶めたり、暴動の引き金になったりなど、悪影響も懸念される。


    p229
    ・教育の未来
    今日のAI革命は、一人ひとりの生徒にカスタマイズされた学習環境を生み出す力をもたらしている。
    たとえば生徒の成長マインドセットを維持したり、学習効果を強化するフロー状態に誘導したりといったことも可能になる。
    分散型で、個人に合わせてカスタマイズできる、加速度的な学習環境だ。


    p234
    人間に近いブタの臓器を適用できないか?
    ブタの遺伝子地図を作成し、ウイルスを発生させる遺伝子を全て削除し、病気のリスクを排除した「クリーンなブタ」をつくった。
    そして目下、人間の体内で臓器の拒絶反応を引き起こす遺伝子を封じ込めるという最大の課題に取り組んでいて、うまくいけば移植用臓器の提供はほぼ無限となる。
    とはいえ、この方法はブタに多大な犠牲を強いるものだ。

    この問題解決のため、マーティーンは最先端の再生医療技術を使い、動物を一切使わない方法を開発しようとしている。
    コラーゲンを使い、人工肺の3Dプリンティングに取り掛かった。
    そのスキャフォールド(足場)を生きた肺に変えるため、幹細胞を使った実験を進めている。

    マーティーンは2028年ごろには臓器不全は避けられない運命から解決可能な問題に変わると見ている。


    p247
    ・AI×3Dプリンティング×ロボットの医療がくる
    AIはすでに手術ロボットの世界にも入り込んでいる。
    ICUになだれ込んでくる大量のシグナルを分析したり、自律型ロボットが患者に対処するのを支援したり、ダヴィンチのようなロボットを通して外科医の手の震えを抑えたりする。

    3Dプリンティングもかなり前から手術室に進出している。
    義肢の製造、臓器の印刷に使われるよつになり、生体工学の世界に入り込み始めた。
    臓器、耳、シャント、脊髄、股関節、また必要に応じてカスタマイズされた手術道具なども作ることができる。


    p261
    第10章:寿命延長の未来より
    ・モアイ像の下から掘り起こされた土
    ラパマイシンは可能性を秘めた物質で、抗菌性だけでなく免疫抑制機能があり、臓器移植手術で役立つ可能性があった。
    ラパマイシンはすでに心臓手術用ステントに塗布したり、移植した腎臓が拒絶反応を起こすのを防いだりなど、様々な用途に使われるようになった。
    また、癌の成長を抑える働きもあった。

    この魔法は哺乳類にも効くのか?
    2009年、ラパマイシンはマウスの寿命を16%も延ばした。


    p262
    イースター島の土に魔法の力があることが明らかになった頃、すでに他のアンチエイジング物質の探索も進んでいた。
    その物質の一つがメトホルミンだ。
    世界で最も使われている糖尿病治療薬で、体内への糖の放出を抑え、インシュリンの分泌を調整する。
    また、細胞の燃焼率を緩やかにすることで、酸化ストレスを抑え、癌と闘い、マウスの生存期間を大幅に延ばすことが最近明らかになった。


    p276
    ・クラウド保険の登場
    とびきり健康な人が不必要に高い保険料を負担する必要なんてあるのか?
    ソーシャルメディアで同じようにとびきり健康な仲間を募り、データ共有して保険を作ってしまったら?

    「クラウド保険」には仲介業者はいない。
    データベースはAIにつながり、一連のテクノロジーがネットワークを運営する。
    保険会社が必要としていた4部門のうち3つ、営業・統計・管理要員が不要となる。
    残る一つは「顧客」で、医療保険や生命保険の浮いた分の料金を好きに使える自由を手に入れる。


    p313
    ・5つのリスク
    経済に関する懸念は入っていない
    「水危機、生物多様性の喪失、異常気象、気候変動、環境汚染」
    地球が直面する環境問題を解決するにはもちろんテクノロジーが必要だが、人類史上最大規模の協力的取組みもまた必要だ。


    p384★
    この未知の領域を切り拓いていくための唯一の方法は、常に、そして継続的に学び続けることだ。

    学びには、二つの核となる要素がある。
    一つは心理的なもの、もう一つは物理的なものだ。
    心理面では「フロー」と呼ばれる意識状態に入る方法を身につけ、パフォーマンスを大幅に高める事で変化に対応できる。
    フロー状態では脳の基本的な情報処理能力がすべて強化されるので、思考のスピードを高め、スケールを広げられる。スピードとスケールは、エクスポネンシャルな世界で成功するための認知的必須条件だ。

    物理的に存在するテクノロジーに関する学びも必要だ。
    今日どんなテクノロジーが存在し、そのテクノロジーによって何が可能になるのかを、コツコツと間断なく学び続けなければならない。


    p394
    ・日本のメディアが取り上げない分野こそが重要
    自国企業が関わっていない「ハイパーループ」などの技術革新は、日本メディアでは小さく扱われがちだが、海外では重要視されている。
    逆に、日本のスパコン「富岳」は海外でほぼ重要視されていない。重要視されているのは量子コンピュータだ。

    • タバサさん
      きのPさんのコメントをいつも参考させてもらっており、きのPさんきっかけでこの本を読みました。
      本を読んでると、一瞬まだまだ先の話に感じました...
      きのPさんのコメントをいつも参考させてもらっており、きのPさんきっかけでこの本を読みました。
      本を読んでると、一瞬まだまだ先の話に感じましたが、2030年は9年後。凄いスピードで変化するんだなと身を引き締めました。
      そんなタイミングで昨日とあるウェビナーを受講したら、2030年までの展望として、本の中(一部)ような発表があり…どんどん進むぞ!と実感しました。
      面白かったです!ご紹介ありがとうございました!
      2021/05/28
    • きのPさん
      タバサさん
      コメントありがとうございます!
      私のReviewきっかけでお読み頂き、面白いと感じて頂けたのは何よりです♪(*^^*)
      正...
      タバサさん
      コメントありがとうございます!
      私のReviewきっかけでお読み頂き、面白いと感じて頂けたのは何よりです♪(*^^*)
      正直あと10年弱でこんな未来が実現するのか?とも思いましたが、その場合は実現している事を実感できていない自分や周りの環境に危機感を感じた方が良いのかもしれませんね・・・

      成毛眞さんが書かれた「2040年の未来予測」という本も、内容は本書とやや被りますが面白い本でしたので、もしご興味があれば宜しくお願い致します(^^)
      2021/05/28
    • タバサさん
      2040年! なるほど。ありがとうございます!
      また読んでみたいです(^^)
      「1984年(ジョージ-オーウェル)」は読まれた事はありま...
      2040年! なるほど。ありがとうございます!
      また読んでみたいです(^^)
      「1984年(ジョージ-オーウェル)」は読まれた事はありますか?1949年に出版された本ですが、あらゆるところに監視カメラがある監視社会が舞台で、今と重なるところあり。70年以上前に、よく連想できたな、と思いました。ディストピア文学ですが、ご興味あればどうぞm(_ _)m
      2021/06/03
  • 【感想】
    テクノロジーはますます加速している。AIやビッグデータ、5Gなどのテクノロジーが相互にシナジーを起こす結果、「(先進的技術が)まず富裕層の間に行きわたり、そこからコストが逓減して大衆まで行き渡る」、と本書では述べられている。

    しかし、そう簡単にいくのだろうか?

    そのように思う理由は二つある。
    一つ目は、「テクノロジーの普及速度とテクノロジーの開発スピードは同義ではない」からである。

    テクノロジーが加速し続けたとしても、世に普及する速度は人間のニーズに左右される。

    リチウムイオン電池の研究が開始されたのは1981年だが、原型が完成したのは1985年だ。製品化し、市場が拡大を始めたのは1995年である。たった一つの電池でさえ、基礎技術の開発よりも世に出回るまでの期間に2倍近くがかかっているのだ。

    では、それが空飛ぶ車で出来るのだろうか?原型が完成した後には、空を走るための法整備、全世界規模のインフラの開発、公道(公空?)実験、そして一番肝心な「消費者の乗り換えニーズの発生」、といったハードルを超えなければならない。これらが2030年までにクリアできるかといえば、残念ながら「NO」だろう。

    俯瞰的な目を持つためにも、「2020年から見た未来の技術」ではなく、「過去から見た未来の技術」を連想してみてほしい。
    1920年代から開発が進み、2010年ごろからは公道でも走行実験されている自動運転車は、何故10年経っても道端を走っていないのか?
    1954年にソ連が運用を開始した「未来のエネルギー」である原子力発電――AIやビッグデータと無縁なローテク産業――が、何故60年経ってテクノロジーごと廃止されようとしているのか?
    結局のところ、技術が大きくなればそれだけ世間への浸透は遅い。テクノロジーがいくら加速したとしても、政府機関と消費者の重い腰をたった10年で上げさせることは難しいと言えるだろう。

    また、二つ目の理由だが、これは逆説的なものである。つまり、「テクノロジーがあまりに速く発展するため、かえって大衆まで普及しない」ということだ。

    一度開発された技術が普及するまでには時間がかかる。すると、テクノロジーのスピードが上がれば上がるほど、開発と普及の間に時間的乖離が生じる。その間に、次なるテクノロジーがあらわれて既存の技術を飲み込んでしまう。

    一部の発展途上国では、石油どころか石炭、木炭をメインエネルギーとしており、全国規模の発電所が無い。そうした国の村々に太陽光発電のパネルを敷設し、村単位で電気の地産地消を行うプロジェクトが存在する。また、そうした国では電話回線が引かれておらず、携帯電話の基地局を建てて通信を行っている。
    技術が一段飛ばしで進歩している例、と言えば聞こえはいいが、要は、ローテクの技術が普及し始める前に、その上位の技術が導入されてしまった例である。

    これと同様のことが、テクノロジーの加速によりますます進むと思う。つまり、とあるテクノロジーの普及速度が、その次に来るテクノロジーの開発速度に追い付かれ、投資対象から漏れていく。充分に開発されなかった技術がニッチ化し、恩恵が富裕層だけに留まり、大衆まで浸透していかない。これが繰り返される結果、いつまでも新技術が普及されず、ローテクのまま取り残されていく。
    これも「開発のスピード」と「普及のスピード」が乖離する結果起こる悲劇である。

    結論としては、本書で紹介されている技術の多くは、2030年までには実現しない、ということだ。
    実現可能性が高いテクノロジーとしては、自動運転技術やドローン宅配といった、「現実的に実装が見える」ものだけであって、空飛ぶ車やハイパー・ループなどの未知のテクノロジーは、まだまだ遠い未来の夢であることに変わりはない。

    また、未来予測本を読むときは、広範なものではなく、自動運転、寿命延伸などの「1ジャンルに絞った本」を読むことをおすすめする。その道の専門家に書かれたものであれば、実現が遠い技術を安易に「行ける」と推さない。現実に即した温度感が味わえるだろう。


    【本書の概要】
    これからの社会は、進化するテクノロジー同士がコンバージェンス(融合)し、互いに影響を与え合うことで「加速が加速していく」。そのときに起こる大きな変化を解説する。


    【本書のまとめ】
    1 コンバージェンスの時代
    テクノロジー全般において、ムーアの法則にのっとった「エクスポネンシャル(指数関数的)」な加速が起ころうとしている。エクスポネンシャル同士が融合すると、製品・サービス、市場だけでなく、それらを支える構造そのものが変化・消滅する。

    例えば、「空飛ぶ車」は、2030年をめどに、ウーバーが都市型航空の一般化を目指し開発を進めている。

    しかし、空飛ぶ車のアイデア自体は古典的なのに、なぜ「今」可能性が見えてきたのだろうか?

    それは、空飛ぶ車に必要な3つの条件、①AIによる複雑なフライトシュミレーション ②飛行できるほど軽量な素材を作るためのブレイクスルー ③あらゆるサイズの部品を作るための3Dプリンティング が「融合」し、実現可能性が高まったからだ。エクスポネンシャル同士の融合が、今まで不可能と思われていた新発明を生み出しつつある。

    イーロン・マスクは「ハイパー・ループ(チューブの中を時速1200キロで走行する車両)」の完成を目指し、ワシントンDCとニューヨークの地下を掘削している。
    また、時速約2万8000キロで飛行し、地球上のどの都市も1時間で飛んでいける「スターシップ」を開発中でもある。

    これらの交通革命は、Amazonが我々にもたらした進化(インターネットを使って通販カタログにテコ入れしたこと)とはわけが違う。
    交通業界はテクノロジーのるつぼである。自動運転システム、AIによる交通量制御、5Gシステムによる高速通信など、さまざまなエクスポネンシャル・テクノロジーが融合することで、半ダースほどの市場が統合された結果として実現するのだ。

    この技術群の先にある未来を見通し、きたるべき事態に適応する機敏さを持つことが重要である。


    2 エクスポネンシャル・テクノロジーの一覧
    エクスポネンシャル・テクノロジーの成長サイクルには6つのステージがある。
    (1)デジタル化
    →あるテクノロジーがデジタル化されると、ムーアの法則にのっとったエクスポネンシャルな加速が始まる。
    (2)潜行
    →最初は市場から注目されるが、しばらくはゆっくりと進歩する。
    (3)破壊
    →本当の意味で世界に影響を与え始める。既存の製品、サービス、市場、産業を破壊していく。
    (4)非収益化
    →フィルム現像がデジカメの登場で消滅したように、かつて製品やサービスにかかっていたコストが、そっくり消えてしまう。
    (5)非物質化
    →ほんの少し前にあったものが手品のように消える。色々な産業が消滅する。
    (6)大衆化
    →エクスポネンシャル・テクノロジーがスケールし、一般に広がる。

    以下は、現在進化しつつあるエクスポネンシャル・テクノロジーの一覧である。

    ・量子コンピュータ
    従来のコンピューティングの世界では、「ビット」は「1」か「0」のバイナリ情報の小さなかたまりだった。量子コンピュータでは、「量子ビット」を「スーパーポジション(重ね合わせ)」の状態にすることで、演算能力を飛躍的に向上させている。
    量子コンピュータにより、量子ビットのコンピューティングが実現すれば、宇宙のすべての原子のストレージ能力を上回る情報を保持できる。人工知能も強化され、サイバーセキュリティも刷新され、とんでもなく複雑なシステムもシミュレートできるようになる。

    ・5G
    グーグルの「プロジェット・ルーニー」は、地上の携帯電話用基地局の代わりに、成層圏に打ち上げた熱気球を使って通信する。Amazon、スペースXも開発に乗り出し、成層圏に人工衛星を打ちあげ、地球上のすべての人に接続サービスを提供しようとしている。

    ・センサー
    2030年にはネットに接続したデバイスは5000億個に達すると見込む。私達は今後、人体について、そしてそれ以外のあらゆることについて、これまでとは比較にならないほどの知識を得るようになり、同時に観察をし続けるようにもなる。自動運転車1台で、1日あたり4テラバイトものデータを生み出す。

    ・ロボット
    高機能化したロボットが、表面のセンサーにより膨大な情報を取得し、5Gという高速通信技術によって操作される、という「エクスポネンシャル・テクノロジー同士のコンバージェンス」が起こる。

    ・拡張現実
    ・3Dプリンティング
    →床面積37−74平方メートルの住居を48時間で印刷できる。ニューストーリーは2019年秋に、メキシコで世界初の3Dプリンティングによるコミュニティ建設に乗り出した。

    ・ナノテクノロジー
    自己再生するナノマシン。原子レベルで物質の組み換えを行うことができる。土、水、空気などあらゆる物質を原子単位に分解し、それらを原材料として別の物質を作ることができる。

    ・パーソナライズされた医療
    幹細胞、遺伝子治療、CRISPRといった技術がすべて組み合わさり、自分にとって最適な食事、サプリメント、運動、医療を提案する。


    3 加速が加速する
    コンバージェンスにより、それぞれのテクノロジーが他のテクノロジーの影響を受け、「加速が加速していく」。そのとき私達の暮らしはどう変わっていくのだろうか?

    (1) 時間の節約
    イノベーションにより不必要な時間が短縮され浮いた時間が積み重なることで、発明家、起業家、夢を追う若者たちが試行錯誤を行うための時間が増えていく。
    (2)潤沢な資金
    潤沢な資金はターボチャージャーのような役割を果たす。お金を記録的なスピードでアイデアやイノベーションに変えていく。
    (3) 非収益化
    コストが下がることで、ブレイクスルーが生まれるスピードが加速する
    (4)「天才」の発掘しやすさ
    (5)潤沢なコミュニケーション
    (6)新たなビジネスモデル
    (7)平均寿命は「100歳」を超える


    4 さまざまな業界の未来
    ●買い物の未来
    経済の重要なパラダイムシフトには共通点がある。同じタイミングで3つの重要なテクノロジーが登場し、融合することだ。その3つは、「経済活動を効率化するコミュニケーション技術」「新たなエネルギー源」「新たな移動手段」である。
    これにより通販カタログ、ウォルマート、そしてAmazonへと買い物のあり方がシフトしてきた。では、次なるイノベーションはなにか?

    ・AIカスタマーサービス
    ・IoTによる嗜好分析、自動商品補充、需要予測、生産計画、輸送管理などの小売流通革命
    →2025年までにIoTは、小売業に4100億ドルから1兆2000億ドルの価値をもたらす。
    ・3Dプリンティング
    →顧客一人だけの特注品が簡単に作成される。

    究極的には、非物質化、非収益化、大衆化する。モノからコンテンツへのシフトだ。
    ショッピングセンターは、わざわざ出かけるだけの価値がある体験をもたらせなければ、終わりを迎えるだろう。

    ●広告の未来
    ソーシャルメディア・マーケティング市場そのものが消滅する。
    AIが私達の好み、商品の安全性、効果、顧客満足度などを調査し、注文を行う前に既にアイテムをストックするようになる。
    この先に待ち受けるのは、AIが買い物の意思決定の大部分を担うようになる未来だ。そうなると、消費者には大きなメリットをもたらす一方で、伝統的な広告会社の存立を脅かす。

    ●エンターテイメントの未来
    エンタメの供給元は、従来型の受動的なメディアから、ユーザーが自発的にコンテンツを作る能動型コミュニティにシフトしてきた。
    AI、ホロレンズ、ブレイン・コンピューター・インターフェイスなどの発達により、エンターテイメントはより個別に、没入感の高まるものに変わっていくだろう。

    ●教育の未来
    AI、VR、5G技術の発達と、一人一台のモバイルコンピューターの配布により、没入感のある質の高い教育を提供でき、教師不足が改善できる。

    ●医療の未来
    最先端の医療再生技術を使い、動物の臓器をゼロから作り出し、人間の臓器と取り替える技術が開発されている。
    テクノロジーのコンバージェンスの結果、病気を事後的にではなく事前的に封じるような変化が起きている。
    CRISPRを使ったゲノム編集により、遺伝子疾患から来る16,000個もの病気を根絶できる可能性がある。

    臓器取り換え技術、老化防止薬や再生医療技術により、人間の生存期間が大幅に伸びる段階に移った。

    ●保険・金融・不動産の未来
    自動車保険は終わる。自動運転車により事故のリスクが無くなり、同時に自動車を保有しない人が増えることで、消費者が自動車保険を利用する必要自体がなくなるからだ。
    そもそも、保険自体がなくなるといえる。保険はリスクの高い客の保険金をリスクの低い客が払うことで成り立っているが、クラウド保険により、客たちが保険会社を通さずに補償のネットワークを自主形成できるからだ。
    保険関係の情報処理がAIによってなされれば、保険会社の人員自体が70-90%減少する。

    暗号通貨、電子マネーの発達により、従来の銀行は脅かされている。
    顧客の預けた金で相当な利ざや(手数料や利息)を取りながら、顧客の価値観に合致しないようなプロジェクトに投資する銀行が多い。銀行員の給料のために顧客の金が消費され続けるぐらいなら、スマートフォン――つまりブロックチェーン技術とクラウド融資――で代替したほうがよい。しかも人が介在していないため手数料が安い。

    不動産仲介業者は用をなさなくなる。金融業者と同じく、仲介業の非効率性が駆逐されるからだ。
    また、交通革命により立地という概念も変わる。太陽光発電や空飛ぶ車、ハイパー・ループが発展すれば、従来の価値基準であった「立地」と「近接性」の支柱が崩壊する。水上都市も可能になるだろう。


    5 進化をぶち壊す危機への対応
    ・水危機
    →浄水技術の発達
    ・気候変動
    →太陽光・風力発電の発達と蓄電技術の進歩
    ・生物多様性
    →各種保護プロジェクト


    6 5つの大移動がはじまる
    移民はイノベーションの推進力になる。2012年の調査では、アメリカで最も特許取得数が多い10大学の特許の75%において、出願者の最低一人は外国で生まれた研究者であった。また、調査では、技能の高い外国人労働者を採用した企業は、イノベーションのペースが高まることが分かっている。

    移動は我々の社会にとてつもない影響を与える。これからの100年間で、大移動によって、ほんの少し前にあったものが手品のように消える。

    ●都市への移動
    気候変動による海面上昇が7億人を移住させえる。
    25億人が大移動し、世界人口の66-75%が都市に住む。

    ●バーチャル世界への移住
    バーチャル世界の没入感と中毒性、そしてVRによる「フロー状態」の持続が、数十億人の意識を現実世界から脱出させる。

    ●宇宙空間への移住
    月への移住、テラフォーミング、コロニー建設といったプロジェクトが計画中。無尽蔵の資源、土地、可能性が眠る場所にジャンプしようとしている。

    ●個人の意識の移動
    ブレインコンピューティングにより、通常の脳をベースとする個人の意識から、クラウドベースの集団意識へ移行が起こる。私達の処理能力と記憶能力は大幅に高まり、インターネット上で地球上のあらゆる頭脳にアクセスできるようになる。
    100年で生物の限界を超える「メタ知能」が生まれるかもしれない。

    7 未来に向けてわれわれがすべきこと
    未知の領域を切り拓いていくための唯一の方法は、継続的に学び続けることだ。「フロー状態」に入りパフォーマンスを高めるための方法と、「テクノロジーは何ができるのか」を知る方法を身に着けよう。

  • コンバージェンス(融合)により、テクノロジーは指数関数的に加速して進化する。融合する事で、破壊力は桁違い。量子コンピューター、ai 、ロボティクス、ナノテクノロジー、バイオテクノロジー、材料科学、ネットワーク、センサー、3Dプリンティング、ar、VR、ブロックチェーンなど。これは凄い話だが、何やら現実感もある。

    例えば、ドローン実現するにあたり起こったイノベーションの一つが、分散型電気推進力。新しいタイプの電磁モーター、これにより極めて軽量で静音で重量物を運べる。もう一つはフライトシミュレーションを行うための機械学習の進歩。耐久性があって安全な部品を作るための材料科学のブレイクスルー。製造技術としては3Dプリンティング。技術の進化が組み合わさる事で、飛躍する。

    スマートダスト(賢い塵)という、米粒よりも小さなセンサーを世界中にばらまく。都市、自然、個人のデータを収集して役立てようという考え方に基づいており、光、温度、振動、磁気、化学物質等、センサーで取れるデータが収集の対象となる。

    ペロブスカイト(灰チタン石)は光に敏感なクリスタルで最近登場した新材料だが、太陽光の変換効率は66%に達する。パネルの効率を2倍にできる。量子ドットの事だろう。

    老化制御の切り札として、老化細胞を除去する薬(セノリティクス)が世界的な注目を集めている。

    バイオミミクリーと言う生物模倣。果物や野菜にはもともと腐敗を防ぐメカニズムが備わっていて、それは水分を閉じ込めるための脂肪酸でできた表皮。人工的に表皮を作る方法を開発してそれを食品のコーティングに用いる。これによりアボカドは柔らかくなるまでの期間が60%伸びる。既にアメリカの主要スーパーのほとんどが取り扱っている。

    溶融塩で作られたフロー電池はリチウムイオン電池より高額だが充電サイクルはリチウムイオン電池が1000回に対してフロー電池なら10,000回までの10時に耐えられる。

    VRはフロー状態に入りやすく新しい情報を覚えたり記憶する能力が高まる。国防総省の調査ではフロー状態の兵士は230%早いペースで学習買ってきた。教育に非常に向いている。

    ワクワクする話が満載な楽しい本。

  • ・テクノロジーにより「非物質化」「非収益化」「大衆化」となる
    ・主要産業においてもテクノロジーとの融合により再定義されていく
    ・エクスポネンシャル(指数関数的)とコンバージェンス(融合)により加速度的にテクノロジーが発展していく
    ・ウーバーは車を保有し、使用することは経済的に見合わない行為にしたいという=空飛ぶ車の実現
    ・交通革命 ライドシェアから自動運転、空飛ぶ車から地球間ロケット移動、アバターによる意識操作など、この10年で劇的に変化していく。
    ・離婚が多いのは4000年前からの制度であること。当時は10代に結婚して40代で死ぬ。
    ・AIは人体の未知まで解明してくれる
    ・進化の発展は、価格を安くして一般化になり、破壊的となり非物質化する。カメラは昔はお金を払って現像していたが、いまはスマホでコストもかからない。
    ・デジタル世界から物理世界に価値を移動する →ARのコカコーラの広告をタップするとスマホにコカコーラが入り、バーでスマホを出すと本物のコカコーラで出てくる。
    ・テクノロジーが時間を節約
    ・3Dプリンティングで戸建て建設可能
    ・加速が加速する
    ・コミュニケーション、エネルギー、郵送・移動分野の融合がパラダイムシフトを起こす。→小売業が最たるもの。
    ・グーグルの音声AI デュープレックスはヘアサロンの予約を自動で行い、受付係にAIと気づかれる事なく予約を行った。
    ・AIが私たちの生活にどれだけシームレスに溶け込むことができるかの可能性を見せつけた。
    ・広告は二次元から空間的webに移行する
    ・AIグラスでのビジュアル検索で周囲が全てショッピングモール化する
    ・将来的にはAIが買い物の意思決定をするため広告が無くなる可能性がある。
    ・非物質化が進んでいき、テレビのスクリーンも消滅する。壁や手のひらなどでARでコンテンツが観れる世界。
    ・メディア企業と神経科学研究所の融合、大脳皮質とコンピュータが直結するテクノロジーの開発
    ・サミュームドの癌治療薬は80%で腫瘍の成長を抑制
    ・人間の生存期間を大幅に延ばすことは「できるかどうか」から「いつできるか」の問題に移った
    ・自動運転によって自動車保険もなくなる
    ・自動車は所有からサービスを利用する方向へ
    ・自動車保険料は過去の運転実績ではなく、自動車の使用頻度、運転習慣、運転時間によってダイナミック・プライシング(動的価格設定)で決まる。
    ・不動産もこれまでの立地や近接性による価値はなくなり、より広い家に半分の価格で住めるようになる。
    ・温暖化による海面向上などのリスクもあり、水上都市が構築される。
    ・食料生産にはムダが多い。
    ・牛1頭育てるのに大量の水が必要、都市部への移動にも時間がかかる。
    ・農業は広大な敷地ではなく高層ビルなどで行われる垂直農業に移行することで、都市部に70%住む人々の食卓に短時間で届けられる。
    ・肉も幹細胞から培養肉を生産することで動物につらい目に合わせずに大量に食料生産ができる
    ・雇用はAIに仕事を奪われるのではなく、置き換わる。
    ・企業の成功は従業員数と安定性であったが、これからは機敏さが安定性を上回る価値がある
    ・リースできるものを所有する意味はあるか、クラウドソースできるものをリースする必要があるか
    ・Airbnbもウーバーもホテルやタクシーを1台も所有していない
    ・100年長期でみると人類は2つの大移動
    ・宇宙時代への突入と脳のクラウドへの接続・集団意識への移動

  • 原題は、"The future is faster than you think"なので、2030年と特定しているわけではないのだが、ある程度は2030年あたりをターゲットにした話が書かれている。指数関数的な進化と収穫加速の法則については、レイ・カーツワイルが『シンギュラリティは近い』で、なぜ2045年にシンギュラリティが起きるかを説明したときに使った論理だ。この技術進化がデジタルになってムーアの法則に代表されるように加速度的に進展するとともに、複数の領域で同じように加速度的な発展が生じ、それらが互いに組み合わされることによってさらに新しいものを生んでいく「コンバージング・テクノロジー」の現出が、まさに著者が"faster than you think"というゆえんである。著者は、現在進化中の重要なテクノロジーとして、量子コンピュータ、人工知能(AI)、ロボティックス、ナノテクノロジー、バイオテクノロジー、材料科学、ネットワーク、センサー、3Dプリンティング、拡張現実(AR)、仮想現実(VR)、ブロックチェーンなどを上げる。これらが、互いに組み合わさったときにどんなとんでもないことが起きるのかを少し想像してみたのが本書、と言えるだろう。その一例として、ドローンを使った空のライドシェアが挙げられる。電池技術、太陽光発電技術、LiDARなどセンサ技術、AI技術、さらに量子コンピュータやAIシミュレーションで進化する材料技術が生み出す軽量で堅牢性と耐久性を併せ持つ炭素繊維素材などが組み合わさって、今ある安全性やコストの問題は必然的に克服されると予言する。

    著者は、今起きつつあることを「ローカルでリニア」な世界から「グローバルでエクスポネンシャル」な世界への移行と表現する。そして、「これからの10年が劇的なブレークスルーと世界を一変させるようなサプライズに満ちたものになるのはまちがいない」という。例えば、車を所有することが、自動運転車のシェアライドと比べて、コスト的に絶対に合わなくなり、安全性も劣り、利便性も劣るようになったとき、個人所有の自動車が前提とされた社会は大きく崩れることになる。それは、利用率の低い個人所有車による駐車場スペースの解放や、無駄な運転時間の解放が社会にまたさらに大きな影響を与えることになるのだ。ことに自動車産業に与える影響は計り知れない。

    本書の構成は、第一部では成長曲線をたどっているテクノロジーを紹介し、第二部ではコンバージング・テクノロジーが変える八つの産業を取り上げる。第三部は、さらに大きな視野をとって水不足や気候変動などの長期のリスクに注目し、電池テクノロジー(フロー電池)や太陽光発電の効率化による解決策について論じている。また、その結果も含めて将来における人類の大移動とその影響について取り上げている。

    シナリオに興味がある向きには重点でありかつ論点である第二部で、具体的に取り上げられている八つの産業とその未来は次の通りだ。
    ・「買い物の未来」 ... かつて栄華を誇ったシアーズが破産し、ウォルマートは頑張るものの、アマゾンやアリババが新しい小売りの形を作りつつある。小売業の前提となっていたレジや在庫管理などはロボットやAIが代替している。販売はさらにオンラインシフトが進み、さらに3Dプリンティングは配送も不要にするかもしれない。「ショッピングモールの終わり」は間近にせまっている。
    ・「広告の未来」 ... インターネットは新しい広告の形を生み出し、GoogleやFacebookに巨額の富をもたらした。将来には、この2Dのウェブの世界から、スマートグラスと AR技術を活用した空間的ウェブの時代がくる。画像・映像からのビジュアル検索が一般的になるとともに、広告によって商品を売り込む前にAIが意思決定を代替して購買は終了しているかもしれない。
    ・「エンターテインメントの未来」 ... ネットフリックスは、ブロックバスターを廃業に追い込み、DVDレンタルという業界ごと吹き飛ばした。現在ネットフリックスはコンテンツ制作の側でも破壊的な影響を持つようになった。一方で、YouTuberという新しいコンテンツ制作と配信の形が生まれた。次の10年もまた、VR空間、ARによるスクリーンの拡張、AIによるパーソナライズ、ブレイン・コンピュータ・インタフェース(BCI)などのテクノロジーの発展により、新しい形のエンターテインメントの未来が開けているのである。
    ・「教育の未来」 ... 現在の学校システムは、従順な工場労働者を育成することに最適化され、社会のニーズに十分応えるものであった。しかし、今の画一的な教育の仕組みは、ついていけないグループと退屈するグループを生んでいる。また、その成果測定方式は人間の限定した能力の範囲しか計測できていない。テクノロジーの発展により、ARを使った教材、AIによってパーソナライズしたカリキュラム、神経生理学データによる学習効果の最適化、によって教育は個人と社会に最適化されるのである。
    ・「医療の未来」 ... AIによる治療薬の効率的開発、ゲノミクスによるパーソナライズされた治療、幹細胞や3Dプリンティングを活用した義肢や人工臓器など、医療ツールは各段に進化する。それ以上に、医療システムは、現在の「シックケア」から「ヘルスケア」にそのパラダイムをシフトさせるだろう。数多くのバイタルセンサーによって個々人の健康データが蓄積され、より確実な異常検知と適切な予防措置が取られる。手術は、ロボットにやってもらう方がより確実で安心で、人による手術は野蛮で危険視されることになるのだ。
    ・「寿命延長の未来」 ... 老化は、テクノロジーにより対処可能な症状になる。この切実なニーズがある領域では、バイオテクノロジーを初め多くのテクノロジーがいかんなくその力を発揮しようとしている。寿命を制限する原因のいくつかはテクノロジーによって伸ばすことができる可能性がある。カーツワイルの言う「寿命脱出速度」にテクノロジーが達するのはまだ先かもしれないが、それは「できるかどうか」ではなく、「いつできるのか」の問題になっているのである。
    ・「保険・金融・不動産の未来」 ... ネットワーク、センサー、AIの台頭によって、保険の価格設定や販売方法は大きく変わる。自動車保険も自動運転が拡がり、ライドシェアが拡がったときに同じモデルが適用可能であるとは思われない。生命保険に関しても、健康データを提出することで、保険料や加入できる保険の有無が決められるとすると、既存のレガシーな生命保険は大きな影響を受ける。
    ・「食料の未来」 ... 食料の生産力は垂直農業方式で上がり、かつ消費地に近いところで生産されることによる運送や鮮度の観点で得られるメリットから拡大していく。非効率な食肉に代わり、培養肉も現実的になっているかもしれない。また、配送に関しては自動運転やドローンによるオンデマンド配送などテクノロジーのメリットを享受することができている。

    確実こういった未来が実現するとは言えないだろう。しかしながら、"The future is faster than you think"が真実であるならば、ここに書かれた以上の未来が10年後の世界には待っているのかもしれない。Windows95が出てインターネットが多くの人の手に渡ってその10年後に何が起きたか予測できた人は少なかった。iPhoneが生まれて10年後、スマホがここまで世界で広がり実生活や事業活動に影響を与えるようになると想定していた人はそれほど多くはなかった。QRコード決済が生まれて10年に満たない期間で、中国でここまで大きな社会変革が起きると思っている人も多くなかった。
    著者が言うように、数多くの技術が相互に影響を与えながら発展していくこの10年はこれまで以上に大きな変化がもたらされることだろう。ことに日本においては、医療や寿命延長の未来、教育の未来については、既存の仕組みからの強い抵抗と経済的に個人と社会にメリットがある形でどのように行うのか、おそらくは喫緊でかつ重要な課題になってくるものと思われる。両業界ともコロナによって大きな影響と可能性が開かれた業界でもある。2021年はその意味でも次の10年の開始となるに相応しい年になるのかもしれない。

    2020年の年の瀬に読んだが、未来ものとしてはより具体的で、2021年の始まりに相応しい本だと思う。

    ---
    『シンギュラリティは近い―人類が生命を超越するとき』(レイ・カーツワイル)のレビュー
    https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/B009QW63BI

  • ムーアの法則という言葉を聞いたことがありますか?聞いたことがない人も、気にしなくても大丈夫です。本書の第一章で、わかりやすい解説があります。
    ある特定分野の技術の革新は一定間隔で性能が倍増し、価格は下がっていく現実をムーアさんが発見し、それを「ムーアの法則」と呼ばれています。
    本書は、この「ムーアの法則」スピードは衰えておらず、様々な分野の技術が融合をすることで、これからの10年間で世の中が劇的な変化を遂げ、迫ってきている現実をまとめてくれちゃった一冊になっています。
    空想科学という言葉がぴったりな時代では、100年後の未来世界を描く設定で、その時代の科学技術からは実現不可能だけど、こんな未来になればいいなぁと自由な発想で未来への期待を語っていました。
    本書を読むと、ドラえもんの「どこでもドア」なんて、遠い未来にできたらいいなぁという感覚を覆されます。もう10年後には「どこでもドア」あります。タケコプターあります。え〜〜〜〜本当!?(ドラえもんの道具に似たような世界が実現します)
    10年後と言われると、多分まだ生きていて、元気に生活しているだろうなぁと思っている人は大勢いると思います。
    私の好きな作家の一人、アーサー・C・クラークさんが示した第三法則の言葉を10年後にしみじみと実感するのかもしれないと思いました。
    「十分に進歩した技術は、魔法と区別ができない」

    私自身少なくとも、後10年はなんとか生き続けて、世界の変化を見てみたいと思いました。驚きの10年後の世界を本書で覗いて見てください。
    こんな本との出会いがあるので、読書ってやめられないですね。
    ワクワクする時間が過ごせました。

  • 先月、2040年の未来予測(成毛眞著)を読みました。

    そこに描かれていたのは20年後の未来予測で、日本が直面する変化と備えるべきことを知ることが出来ました。

    本作はそれよりも近い未来、そうたった9年(発行された時点では10年)後に訪れる未来が描かれています。

    「コンバージェンス(融合)」が破壊力を持って加速し変化していく未来。

    いやぁ~まさに「ドラえもん」の世界がやってくる!

    〇「コンバージェンス」の時代がやってくる
    〇エクスポネンシャル・テクノロジーPart1
    〇エクスポネンシャル・テクノロジーPart2
    〇加速が〝加速〟する
    〇買い物の未来
    〇広告の未来
    〇エンターテインメントの未来
    〇教育の未来
    〇医療の未来
    〇寿命延長の未来
    〇保険・金融・不動産の未来
    〇食料の未来
    〇脅威と解決策
    〇5つの大移動が始まる

    大きく分けると上記14の章から構成されています。

    特に前半部分は衝撃度MAXな内容で、子供の頃に漠然と思い描いた未来、SFの世界で見た未来が現実となるんだ!と思わせてくれました。

    それぞれの分野で目覚しく進歩したテクノロジー。

    今やその膨大な情報を収集することも、処理することも出来る。

    今、この瞬間もAIのディープラーニングは休むこともなく、ビッグデータから学習を続けています。

    世界に張り巡らされた通信網、インターネットで繋がった国境のない世界。

    5Gの運用と異なった分野の技術がコンバージェンスすることで、進化の速度は加速する。

    インターネットが世界の垣根を崩し、スマホの誕生でまさに世界が繋がった。

    初代iPhoneが発売されたのは2007年、Android端末と共に日本でiPhoneが発売されたのは翌2008年で、この年からスマホが世界で爆発的に普及します。

    今からたった13年前の出来事なのに、スマホ1つをとってももはや存在する以前の生活に戻ることは出来ない。

    スマホ1つが世界を変えたことは私も含め多くの人が実感出来る身近な出来事。

    その後の約10年で起こったテクノロジーの進化の速度は人類の歴史の中で経験したことのない変化をもたらせた。

    これからの10年、それぞれの分野で進化したテクノロジーが融合することで、爆発的な変化と進化をもたらすことはもはや夢物語ではない。

    本書で記された未来は、「こんなこといいな できたらいいな♪ あんなゆめ こんなゆめ いっぱいあるけど♪ みんなみんなみんな かなえてくれる ふしぎなポッケでかなえてくれる♪」と子供時代に口ずさんだ未来が、夢物語でも遠い未来でもなく、近未来に起こる変化として掲示されていました。

    そして後半にはその変化により、一変する生活と訪れる脅威、その解決策が記されています。

    超ド級の衝撃作。

    しかし、そんな未来が間もなく訪れます。

    恐怖よりもワクワクがおさまりません。
    (((o(*゚▽゚*)o)))

    説明
    内容紹介
    ◎早くも8万部突破!
    ◎イーロン・マスクの盟友が「この先10年の未来」を全方位ガイド!
    ◎学生から投資家・経営者まで、全業界の「この先10年の地殻変動」が1冊ですべてわかる!
    ◎Forbes誌「2020年のトップ10ビジネスブック」選出
    ◎米Amazonレビュー1,300件突破(☆平均4.7)の大ベストセラー、待望の日本語版

    小売、広告、エンタテインメント、交通、教育、医療、長寿、金融、不動産、環境……
    テクノロジーの“融合"によって、大変化は従来予想より20年早くやってくる。
    エリック・シュミット(Google元CEO)、クリントン元大統領ら世界のビジョナリーが支持する
    「シリコンバレーのボス」が、この先10年のビジネス・産業・ライフスタイルを1冊で解説!

    「分野ごとに起きるテクノロジーの地殻変動を理解し、それに備えれば、 あなたは絶対に生き残れる」
    ―― 佐藤優(作家・元外務省主任分析官)

    「刺激的な未来をめぐるジェットコースターのような1冊。 日本のメディアがあまり取り上げないトピックを、特にしっかり本書で確認してほしい」
    (本書解説より)
    —— 山本康正(DNX Venturesインダストリー パートナー、『2025年を制覇する破壊的企業』)

    この1冊で「近未来」を一望できる!
    ・「空飛ぶ車」が現実になる
    ・ショッピングモールがなくなる
    ・SNSマーケティングは終わる
    ・1万6000の病気が新たに治る
    ・「老化」が克服される
    ・自動車保険が消える
    ・「立地」で家を買う時代が終わる
    ・環境問題対策にイノベーションが追いつく
    ・「AI」と「移民」によって大量の雇用が生まれる
    ・新たな「デジタル知性」が生まれる
    ・etc

    目次
    第1章 「コンバージェンス(融合)」の時代がやってくる
    第2章 エクスポネンシャル・テクノロジー Part 1
    第3章 エクスポネンシャル・テクノロジー Part 2
    第4章 加速が“加速"する
    第5章 買い物の未来
    第6章 広告の未来
    第7章 エンターテインメントの未来
    第8章 教育の未来
    第9章 医療の未来
    第10章 寿命延長の未来
    第11章 保険・金融・不動産の未来
    第12章 食料の未来
    第13章 脅威と解決策
    第14章 5つの大移動がはじまる

    「あと10年で、あらゆる産業と社会は根底から変わる——。今日の最先端テクノロジーがこれから加速し、かつ、互いに「融合」するからだ。本書はこの新しい未来を全方位的にマッピングした、世界初の本である。起業家、CEO、リーダーたちはもちろん、ぼくらを待ちうける大変革を理解したいすべての人に、本書を推薦する」
    —— レイ・カーツワイル(Google AI開発ディレクター、『シンギュラリティは近い』著者)
    内容(「BOOK」データベースより)
    小売/広告/エンタテインメント/交通/教育/医療/長寿/金融/不動産/環境。テクノロジーの“融合”によって、大変化は予想より早くやってくる。「シリコンバレーのボス」が、この先10年のビジネス・産業・ライフスタイルを1冊に凝縮!
    著者について
    ピーター・ディアマンディス
    Xプライズ財団CEO。シンギュラリティ大学創設者、ベンチャーキャピタリスト。連続起業家としては寿命延長、宇宙、ベンチャーキャピタルおよびテクノロジー分野で22のスタートアップを設立。1994年に創設した「Xプライズ財団」は、おもに民間宇宙開発を支援し、20年来の友人であるイーロン・マスク(スペースX、テスラCEO)、ラリー・ペイジ(Google創業者)らが理事を務める。2008年、グーグル、3Dシステムズ、NASAの後援を得て、人類規模の課題解決をめざす教育機関「シンギュラリティ大学」をシリコンバレーに創設。
    MITで分子生物学と航空工学の学位を、ハーバード・メディカルスクールで医学の学位を取得。2014年にはフォーチュン誌「世界の偉大なリーダー50人」に選出され、そのビジョンはイーロン・マスク、ビル・クリントン元大統領、エリック・シュミットGoogle元CEOらから絶賛されるなど、シリコンバレーのみならず現代アメリカを代表するビジョナリーの1人である。

    スティーブン・コトラー
    ジャーナリストにして起業家。身体パフォーマンスの研究機関フロー・リサーチ・コレクティブのエグゼクティブ・ディレクター。ディアマンディスとの共著に『楽観主義者の未来予測』(早川書房)『BOLD』(日経BP)がある。ジャーナリストとして手がけた作品は、2度にわたりピュリッツァー賞候補に上っている。

    山本 康正(やまもと・やすまさ)
    DNXベンチャーズインダストリー パートナー。ハーバード大学客員研究員。京都大学大学院特任准教授。
    1981年生まれ。東京大学で修士号を取得後、三菱UFJ銀行ニューヨーク米州本部に就職。ハーバード大学大学院で理学修士号を取得。グーグルに入社し、フィンテックや人工知能ほかで日本企業のデジタル活用(DX)を推進。自身もベンチャーキャピタリストとして活動するかたわら、日本企業のコーポレートベンチャーキャピタル活動への助言なども行う。著書に『シリコンバレーのベンチャーキャピタリストは何を見ているのか』(東洋経済新報社)、『次のテクノロジーで世界はどう変わるのか』(講談社)ほか。

    土方奈美(ひじかた・なみ)
    翻訳家。日本経済新聞記者を経て独立。米国公認会計士資格(CPA)所有。訳書に『NO RULES:世界一「自由」な会社、NETFLIX』『HOW GOOGLE WORKS:私たちの働き方とマネジメント』(以上、日本経済新聞出版)、『財政赤字の神話:MMTと国民のための経済の誕生』(早川書房)、『BOLD 突き抜ける力』(日経BP)、『フューチャー・ネーション:国家をアップデートせよ』(NewsPicksパブリッシング)ほか多数。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    ディアマンディス,ピーター
    Xプライズ財団CEO。シンギュラリティ大学創立者。起業家としては長寿、宇宙、ベンチャーキャピタル、およびテクノロジー分野で20以上の会社を設立。2008年、グーグル、3Dシステムズ、NASAの後援を得て、シリコンバレーにシンギュラリティ大学を創立し、エグゼクティブ・チェアマンに就任。MITで分子生物学と航空工学の学位を、ハーバード・メディカルスクールで医学の学位を取得

    コトラー,スティーブン
    ジャーナリストにして起業家。身体パフォーマンスの研究機関フロー・リサーチ・コレクティブのエグゼクティブ・ディレクター。ジャーナリストとして手がけた作品は、2度にわたりピュリッツァー賞候補に上っている

    土方/奈美
    翻訳家。日本経済新聞記者を経て独立。米国公認会計士資格(CPA)所有(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    • ヒボさん
      カラスさんコメントありがとうございます。
      個人的にはすごくオススメの1冊です。
      カラスさんコメントありがとうございます。
      個人的にはすごくオススメの1冊です。
      2021/04/04
  • 「目がまわる」ような読後感でした(笑)
    倍々で加速する変化に対応しないといけないとは、、大変ですね(汗)

    ぜひぜひ読んでみてください

  • 一体、今のテクノロジーは世の中をどこに連れていこうとしているのだろうか。

    テキストだけでなく音声や画像、感覚まであらゆるものがデータとなり、収集、解析され、個々人向けに「最適化」され、あらゆるものはカスタムメイドとなり、3Dプリンタで作り出すことができる。
    クルマは持つものではなく、無人で勝手にやってくるものになり、寝不足であることをウエアラブルが感知していれば、シートはベッド型で到着するようになる。莫大な時間が自由に使えるようになる。

    太陽光(ちなみに風力も太陽光の一種)の活用は、二酸化炭素の排出を激減させ、かつ莫大なエネルギーの増加をもたらす。そのために必要なのは蓄電池。

    ベゾスとマスクは宇宙に出ようとしている。まさにユニバースの拡張。

    究極的には考えただけでネットに繋がる。脳のインターネットの時代が近づいている。

    著者はこれらを素晴らしい未来と位置付けている。人間の可能性の拡張を意味するから。賛同するか恐れるかは人次第だろう。
    私はと言えば、これらが私というささやかな人格の「自由」を拡張してくれるのか、それにもっとも関心がある。言い換えれば便利になることへの優先順位はそれに比べれば高くはない。

    ともあれ、今の日本人はとにかく未来に希望を持てなくなっている。そうやってただ疲弊し、周囲に同調し、みずから動きはしないが不満はある、という澱んだ空気がわが国を覆っている中で、こういう明快なビジョンを語る本を読むこと自体に沸き立つような興奮を覚える。しかもそれはおとぎ話ではないのだ(最後、著者がプロデュースする各種プログラムの宣伝で終わるあたりに本書の性格が垣間見えるのでそこは冷静に)。

    最後に。こうしたビジョナリー本を読むたびに思うのは、こうして今の課題がテクノロジーによって解決されたあと、次はどんな課題に直面することになるのか、それをビジョナリーに予測する本がなかなかないということだ。
    村上春樹がいうように、世の中は進歩しているというよりは「日々その悲惨さの相貌を変化させているだけ」と私は思うし、シンプルに言えば、問題は解決されれば必ず次の課題を招き入れてくるものだからだ。
    「これこれのテクノロジーでこんな素晴らしい未来になりますよ、でもその頃には想像もしていなかった別のこれこれのような危機がやってきますよ、その解決策はその時代にならないと分かりませんよ」、という本を読んでみたい。

  • いつか誰かからおすすめされたので、気になって読んでみた。

    タイトルの「全てが加速する世界」というのは、かなりキャッチーなタイトルだ。

    果たして内容はというと、悪くはなかった。
    仮想通貨、ブロックチェーン、AR/VR/XR、宇宙事業…などなど。
    主にテクノロジー領域での、今っぽいトピックが網羅されている。

    ただ、ちょっと古い感じは否めない。
    発行年度は2020年。もう3年前だ。
    いま読むと、印象が変わる部分は無くはない。

    例えば、アレクサのような音声デバイスについて。
    本書ではかなり肯定的に描かれる。
    けれど、音声入力系って言うほど大衆化していないよね?わざわざ声で操作するのって意外と面倒。
    他にも、ビットコインだって一時期つけたピーク値をずっと下回ってる。

    現実は結構泥臭い。
    例えば、傘なんてもうずっと進化していないしね。
    そういう意味では、この筆者?はテクノロジーの進化と普及に関して、とても楽観主義とも言える。

    自分はそれを割り引いて読んだけど、まぁ筆者の温度に合わせてワクワクしながら読むのも良いかもね。
    ただ、薄く広くという感じの本なので、特定の領域に関して知りたいなら、別の特化した本を読むのが良いかも。

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著者プロフィール

Xプライズ財団CEO。シンギュラリティ大学創設者。起業家としては長寿、宇宙、ベンチャーキャピタル、およびテクノロジー分野で22の会社を設立。2008年、グーグル、3Dシステムズ、NASAの後援を得て、シリコンバレーにシンギュラリティ大学を創立し、エグゼクティブ・チェアマンに就任。 MITで分子生物学と航空工学の学位を、ハーバード・メディカルスクールで医学の学位を取得。2014年にはフォーチュン誌「世界の偉大なリーダー50人」に選出され、そのビジョンはイーロン・マスク、ビル・クリントン元大統領、エリック・シュミットGoogle元CEOなどから絶賛されるなど、シリコンバレーのみならず現代アメリカを代表するビジョナリーの1人である。

「2020年 『2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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