なぜ戦争をえがくのか: 戦争を知らない表現者たちの歴史実践

  • みずき書林
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本棚登録 : 92
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784909710154

作品紹介・あらすじ

美術、絵画、漫画、工芸、音楽、小説、写真、彫刻、演劇、研究……
歴史と記憶と表現をめぐる10の対話。

敗戦から75 年が経過し、当時を知る人の数は年々少なくなりつつある。体験者の記憶を継承することは急務のひとつである。しかし、〈戦争記憶の継承〉とはどういうことなのか。
表現者たちはどのように戦争と出会ったのか。私たちは知らないことをどのように語り継ぐのか。
体験のない人びとによる、体験のない人たちのための、〈記憶の継承〉のかたち。

感想・レビュー・書評

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  • ◆記憶の継承 対話を重ねた軌跡 [評]安田菜津紀(フォトジャーナリスト)
    なぜ戦争をえがくのか 戦争を知らない表現者たちの歴史実践 大川史織編著:東京新聞 TOKYO Web
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/94118

    特設ページなぜ戦争をえがくのか みずき書林
    https://www.mizukishorin.com/15-4naze-egakunoka

    なぜ戦争をえがくのか| みずき書林
    https://www.mizukishorin.com/15-4

  • アートで時代を超えて訴えていくから、アートなんですね。

  • はじめに
    小泉明郎 逃れようのないものへの違和感や怒り
    諏訪 敦 不在を、どこまで〈見る〉ことができるか
      〈旅の記憶 マーシャル諸島共和国〉
    武田一義+高村亮 そこにいたであろう人を、みんな肯定したい
    遠藤 薫 不時着と撤退戦/いつもどうしても含まれてしまうこと
      〈旅の記憶 ヴェトナム〉
      〈旅の記憶 韓国〉
    寺尾紗穂 ニーナたち、マリヤンたちの《コイシイワ》
    土門 蘭+柳下恭平 書くことでたどり着く、想像の外へ
    後藤悠樹 いつも間に合っていないし、いつも間に合っている
    小田原のどか 失敗の歴史、破壊される瞬間と、眠ってしまう身体
    畑澤聖悟 四隻の船と、青森から航路をひらく
    庭田杏珠+渡邉英徳 特別な時間のおわりと、記憶をたどる旅のはじまり
    あとがき

     マーシャル諸島で命を落とした日本兵の日記の言葉と出会い、ことばが現代に生き直されていく時間を描いたドキュメンタリー映画『タリナイ』の監督が、現代の日本をベースに戦争記憶にかかる歴史実践を続ける表現者たちに行った連続インタビューの記録。注目の版元・みずき書林さんからの刊行物でもある。

     不勉強で知らない方、作品を未見の方も多く取り上げられていて、まずは貴重な情報に感謝。その上で、絵画、写真、音楽、演劇、彫刻といった各ジャンルで戦争をテーマとする活動を続ける表現者たちが、それぞれ徹底して調べ考え、そこからさらにそれぞれのメディウム(媒体)で表現の試みを重ねていることが引き出されていて、感銘を受ける。歴史の実践者という意味では、研究者・教育者も同様である。しかし、もう一つ大事なことは、研究者・教育者の場合、こうした表現者の企図に応えるだけの調査と考察の深度と強度が必要だ、ということだろう。そう思って、自分の気持ちを引き締めた。

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著者プロフィール

1988年神奈川県生まれ。映画監督。慶應義塾大学法学部政治学科卒。マーシャル諸島共和国の日系企業で働きながら、人びとのオーラル・ヒストリーを映像で記録。マーシャル諸島で戦死(餓死)した父を持つ息子の慰霊の旅に同行したドキュメンタリー映画『タリナイ』(2018年)で初監督。編著書に『マーシャル、父の戦場――ある日本兵の日記をめぐる歴史実践』(みずき書林、2018年)。両作品で山本美香記念国際ジャーナリスト賞・奨励賞受賞。

「2021年 『なぜ戦争をえがくのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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