教えて! タリバンのこと 世界の見かたが変わる緊急講座

著者 :
  • ミシマ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784909394644

作品紹介・あらすじ

民主主義、自由、人権を、戦闘機とともに運ぶのはもうやめよう。
水と油でも共に生きていくために!

MSLive! BOOKS
2021年夏、カブール陥落をうけて緊急開催。『料理と利他』を超える大反響を呼んだオンライン講座、完全再現!

9・11、相次ぐテロ事件、難民の急増、中東地域の対立……
この「暴力」と「分断」はどこから来たのか?

目からウロコのイスラム講座! 怖がる前に、戦う前に、ちゃんと知ろう。

【イベント参加者の声】
・本当に有意義でした。報道や私たちの固定観念がいかに一方的でガチガチなことか。
・我々の民主主義は正しく機能しているでしょうか? 遠くを見ることで近くの景色もよく見えてくるものだと思いました。
・タリバンと旧政権側が一緒に鍋をつつく写真に「未来」を見ました。

【MSLive! BOOKSとは?】
ミシマ社が2020年5月にスタートしたオンラインイベント、「MSLive!」。
「MSLive! BOOKS」は、オンラインイベントのライブ感をそのまま詰め込んだ書籍シリーズです。イベントに参加くださった方々から、イベントの内容を活字化したものを販売してほしいというリクエストをたくさんいただき、実現することになりました。

感想・レビュー・書評

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  • 『教えて!タリバンのこと』刊行特集 教えてください! イスラム圏、ウクライナ、これからの世界の見かた(前編) | みんなのミシマガジン
    https://www.mishimaga.com/books/tokushu/004102.html

    株式会社ミシマ社 | 教えて!タリバンのこと | 原点回帰の出版社、おもしろ、楽しく!
    https://mishimasha.com/books/taliban.html

  •  我々日本人にとって,一神教を信じるたちの気持ちはなかなか分かりにくい。それはキリスト教でもユダヤ教でもイスラム教でも,あまり違いはない。中でも,イスラム教については,まわりにあまりそういう人がいないこともあって(施設もないこともあって),より疎遠な感じがする。一方で,自爆テロやらビンラディンやらフセインやらISやらタリバンやらと,イスラム教徒たち(であると思っているのだが)がニュースになるときには,とんでもないことをしでかす人たちというイメージのみがついて回っている。
     これらの,わたしが持っているイスラムに対するイメージは,わたし自身がイスラムについてしっかり知らないことにその原因があることが,本書を読んでよーくわかった。そしてそのイメージは,西側諸国が出すニュースのみをダラダラと見ているからこそ形作られてきたモノであることもよーくわかった。
     本書の題名には,「タリバン」という言葉が入っているけれども,今述べたように,本書は,タリバンのことはもちろん,「わたちたちがマスコミの一方的な報道に流されないための態度の持ち方」についても教えてくれる。これはそのまま,今のロシアとウクライナの戦争を見るときにも大切な視点だろう。わたしたちは,あまりにも西欧側の報道しか分からない。ロシアはもちろん悪いけれども,なぜ,そうなったのかはしっかり学習しないと,ロシア国民のあのプーチンへの支持は理解できないであろう。と同時に,アメリカだって,この20年,人様の国に入って散々なことをしてきたことも忘れてはなるまい。
     水と油であるイスラムと西側諸国。「それでもわたしたちには共存していく道がある」と本書は訴えかける。著者たちが同志社大学で,タリバン側と政府側のメンバーを合わせたっていうのがビックリ。そのときの著者たちの立ち居振る舞いが「イスラムを知っているからこそできたことである」ことがわかる。最後は一緒に鍋を囲んだというのだから…。やはり,わたしたちはまず謙虚に知ることからはじめなければならない。
     帯に書かれている次の言葉が,今の状況を患いている。
    「民主主義,自由,人権を,戦闘機とともに運ぶのはもうやめよう。」
     NATOからのウクライナへの武器供与はすぐにやめるべき。とりあえず,戦闘をやめさせて,みんなで次のことを話し合わないと,死ぬ人が増えるだけ。人の命より国を大切にするのは間違っているコトを,もう一度確認しようじゃないか。

  • イスラム教に対する向き合い方が変わる本である。
    が、タリバンによる統治にはやはり疑問は残る。特に女性への甚だしい人権侵害は納得できるものではない。

    文化や宗教や民族というのは分かり合えないことが前提としてあるが、押し付けでは無い歩み寄りが必要だと感じた。理想論かもしれないけれど。

    まずは知ること。知ろうとすることから。

  • オンラインイベントでの講演内容をもとに書き下ろしなのかな。語りかけるような文章が非常に分かりい。アフガニスタンのこと、イスラムのこと、タリバンのこと、西欧の態度のこといろいろ目からウロコのことばかり。将来を担う中高生には必読してほしいくらい価値ある内容でした。

  • 9・11、相次ぐテロ事件、難民の急増、中東地域の対立…この「暴力」と「分断」はどこから来たのか?目からウロコのイスラム講座
    図書館スタッフ

  • 欧米がいかにしてイスラムに対する一方的な見方を形成しているか、その根本にある違いについても触れられている。とても読みやすく、示唆に富んでいた。

  • 講演会の内容をベースに書かれているので、口語体で構成されており易しくわかりやすい。中学生でも読めると思うので、「トルコから世界を見る ちがう国の人と生きるには? (ちくまQブックス)」と合わせてお勧めしたい。ちくまQブックスは中学生向けシリーズだが、もしかしたら本書のほうが易しいかもしれない。このような価値観の相違に関する話は、子どもたちのほうが柔軟に理解できるのではないかと思う。子どもたちが子どもであるうちに、考える機会を持ってほしい。

    ・人間どうし、信頼のないところに対話はないし、対話のないところに平和は絶対あり得ない。
    ・反イスラムと反ユダヤは同根。
    ・自由や人権は、戦争で市民を殺すことと引き換えに与えるものではない。

  • 京都の蔦屋で、表紙見て気になった『教えて! タリバンのこと 世界の見かたが変わる緊急講座』(内藤正典)。


    「イスラム教についてはいろんなメディアでちょっと聞いた事がある」という程度だったので、


    これを機に少しずつ知っていこうと思った次第。


    見た目と中身、すなわち「人である」という事以外異なる人と出会うとついつい緊張しちゃうからね…。


    ただ今回タリバンについて読んでいくと、なかなか哀しい内容でした。


    「自分達とは違うから」という理由だけで断固拒否の姿勢を貫かれてしまう背景を知らずに生きてきた私はなんて世間知らずなのだろうと思わされた一冊です。


    どの情報が正しく又は誤りなのかを判断することにおいて最終的に必要なのは【他人の意見】ではなく【いろいろ見て聞いて出てきた自身の意見】という事を覚えておこうと改めて思いました。

  • タリバンと聞くと漠然と怖いイメージがあった。
    イスラムのこともよく知らなくて、だけど、遠い国の縁のない宗教のことだからと無知のままでいた。漠然としたイメージや報道を見て、壁を作っていた。キリスト教や仏教、西欧社会や日本社会とは違った考え方をしているけれど、その考えがイスラムの法に基づいているものなのだと知れば、西欧の考えを押し付けようとするだけじゃダメなんだということが見えてくる。
    お互いが違ったままで、共生していく。それは決して無理なことではないと思う。

  • イスラム、タリバン、ISの違いを学ぶことができた。
    私自身西欧のフィルターを通してイスラムを見てしまっており、漠然とイスラム=テロ、暴力的という先入観を持ってしまっていることを怖く感じた。

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著者プロフィール

1956年東京都生まれ。東京大学教養学部教養学科科学史・科学哲学文科卒業。社会学博士。専門は多文化共生論、現代イスラム地域研究。一橋大学教授を経て、同支社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授。著書に『イスラームから世界を見る』(ちくまプリマー新書)『となりのイスラム』(ミシマ社)『外国人労働者・移民・難民ってだれのこと?』(集英社)ほか多数。

「2022年 『トルコから世界を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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