等身の棋士

著者 :
  • ミシマ社
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本棚登録 : 138
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (209ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784909394019

作品紹介・あらすじ

藤井聡太、加藤一二三、羽生善治――

2017年、彼らがいた。




極限の状況で「最善」だけを探る。

高潔な棋士たちの群像を描く、

傑作・将棋ノンフィクション!!



棋士という二文字は「将棋を指す侍」を示している。…一六〇人いる棋士たちは皆、自らが信じた将棋という勝負において光り輝くために戦っている。日夜の研鑽を積み、策略を謀り、勝利という絶対を追い求めている。――本文より

感想・レビュー・書評

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  •  暇を潰せる趣味としてphaさんの本で紹介されていたのが将棋だった。定跡本を買ったり「りゅうおうのおしごと!」で将棋の世界に魅力を感じたりした流れで手にしたのがこの本。

     人生全てをかけて、それでも夢をかなえられるのは一掴みという世界は棋士に限らずあると思うのだが、ここまで人間味があるというか、夢破れて棋士になれなかった人、勝負に負けてタイトルを取れなかった人に感情移入してしまう競技は自分にはない。それを再確認させてくれるのが本書だった。

     いろんな棋士たちが紹介されているけれど、根元にあるのが勝ちたい、強くなりたいという想い。その想いの強さとかけてきた努力が文章だけで伝わってきて、鳥肌がたち、こみ上げてくるものがあった。

     辛いこともあるかもしれないが、今からでも自分がしたいことに人生をかけてみたいと気持ちを奮い立たせてくれる本。

  •  「8月のライオン」と重なって映像化してしまう。

  • 将棋の神様は極端に早熟を好む。確かに! 20世紀以降の約120年間に約350人の棋士が誕生したが、中学生のうちに棋士になった者は5人しかいない。5人はいずれも棋史に名を残している。将棋以上に魂の震える対象はないと言い切る北野新太氏の「等身の棋士」、2017.12」発行です。終局後の羽生善治には三つの顔が。勝って険しい顔をする羽生。敗れて穏やかな顔をする羽生。そして、稀に、敗れて険しい顔をする羽生。炎の七番勝負最終局で藤井聡太四段に敗れた時の羽生善治、若き日の自分を投影したのでしょうか・・・。

  • 2018/08/12

  • 将棋
    エッセイ
    インタビュー

  • 藤井旋風に沸く将棋界ですが、それぞれの棋士に様々な局面が立ちはだかります。印象に残った話は「過去との訣別」。駒の動かし方すら知らない私でも心動かされる内容です。

  • 将棋棋士の話。
    前作の「透明の棋士」よりだいぶ読みごたえがある。
    藤井聡太さんの話も多い。
    藤井さんについては、あちこちでさまざまな記事を目にしていたが、より近いところの人の記事は違う!
    他にも、加藤一二三さんの引退時の話とか、ニュースでも見たので、あの時かぁってにやにやしてしまう。
    その他、羽生さん、今泉さん…どの棋士の話も面白かった。
    前作では「透明の…」というくらいだから、北野さんご自身はあまり出したくなかったかもしれないが、今回は自身がかつてバスケをやっていて、ジョーダンが好きだったとか、ボブ・グリーンの著作への言及とか、自分の話が結構出てくる。
    それがとてもいい感じ。

  • 「繊細と無頼の間を」プレーオフを勝ち抜いて名人挑戦を決めた行方尚史八段の話
    「百折不撓 敗れざる者」57期王位戦最終局に敗れた木村一基八段が、再出発にと挑んだ順位戦B1での兄弟子丸山九段との対局の話
    の2作品が特に印象に残った。
    追記
    詰将棋カラオケを見てから、「果」を読み返す。これも印象深い話だった。

  • こうした棋士の素顔に迫るルポルタージュでは、やはり文章も内容も河口氏の「対局日誌」の方が一枚上ですが、既に鬼籍に入られたので、北野氏あたりにもっとがんばってほしいものですね。
    最近、立て続けに将棋関連のルポルタージュ本を出されているようですので、是非もっと頻繁に将棋会館に入り浸って棋士たちの日常をレポートしてほしいものです。
    たまに会ってインタビューという手法だけでは絶対得られない貴重なネタを発見できることでしょうし、将棋界にずっぽり入り込んだ人間にしか見せない表情や言葉が現場にはあるはずだからです。

  • 藤井くんについての羽生さんの評を聞いていると、藤井君は異世界転生者か、強くてニューゲームしてるんじゃないか、時間ループしてるんじゃないか説が出てきてもおかしくない感じがします。もしくは後ろに佐為がいるか…。
    若いということは将棋を覚えてからの時間が短いということ、当然経験も知識もまだまだ少ないはず…なのに。
    まるでファンタジーのようです。

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著者プロフィール

1980年、石川県生まれ。学習院大学在学時に雑誌『SWITCH』で編集を学び、2002年に報知新聞社入社。以来、記者として編集局勤務。運動第一部読売巨人軍担当などを経て、文化社会部に在籍。2010年より主催棋戦の女流名人戦を担当。2014年、NHK将棋講座テキスト「第63回NHK杯テレビ将棋トーナメント準々決勝 丸山忠久九段 対 三浦弘行九段『疾駆する馬』」で第26回将棋ペンクラブ大賞観戦記部門大賞受賞。著書に『透明の棋士』(ミシマ社)がある。

「2017年 『等身の棋士』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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