拝啓人事部長殿(サイボウズ式ブックス)

著者 :
  • ライツ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (524ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784909044372

作品紹介・あらすじ

トヨタを3年で辞めた若手人事が、
「どうすれば日本の大企業の閉塞感をなくせるのか?」という問いを掲げ、
その回答を手紙形式でまとめた全524Pに及ぶ力作。

著者は、サイボウズ人事労務部所属。
noteに投稿した「僕はなぜトヨタの人事を3年で辞めたのか」が話題となり、日経COMECOキーオピニオンリーダーに就任するなど、いま注目の若手人事。

感想・レビュー・書評

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  • 日系企業に勤めてて、社風や慣習にもやもやしてる人におすすめ。

    ただ結構ボリュームがあるので、経営や人事系の仕事をしていている人には読み応えあるかも。興味がないと途中で挫折しそう。

    日本企業の閉塞感を感じさせる要素や人事制度は、紐解いてみれば当時の人が幸せになるためのものだった。

    今の制度が出来上がった歴史背景や、他国との比較点などが分かりやすい。

    何より、社内で違和感を感じた若手社員が、閉塞感に立ち向かおうとこれだけの調査をし、外部インタビューも行い、提言したという“働く姿勢”が素晴らしい。

  • 日本に漂う閉塞感について、日本企業の「そもそもの成り立ち」から紐解き、さまざまな企業の多様な制度についてヒアリングしつつ、未来の策を考える書。そもそも「一律平等」がなぜ発達したのかなどの解説もわかりやすい。国と企業が相互に関連し合っている、仕組みも含めて関連を考慮した施策が必要なのだとわかった。何とかならないものだろうか…そのための第一歩を踏み出している企業がたくさんあるのは心強いが、これをさらなるムーブメントにしていく必要があると感じる。

  • 2016年トヨタ自動車に入社して人事部に配属された筆者が、18年末に閉塞感に耐えられなくなってサイボウズに転職して書いた本。今の若い人達が何故閉塞感を感じるかを筆者なりに紐解く。曰く、多様な距離感、自立的な選択、徹底的な情報共有を認める風土がない旧来型会社では、デジタルネイティブの若い人たちは閉塞感を感じ、個人の幸せと会社の理想にギャップを感じてしまうらしい。
    それに気づいた先進的会社(サイボウズやソニーやNTTデータ等のインタビュー記事)は新しい人事の仕組みを始めている。日本の会社の全てがデジタルネイティブの若者が閉塞感を感じない仕組み・風土を持った時、日本の逆襲が始まるかも。
    昭和の世代は会社員は一律平等、終身雇用の安心感と職種の無限定雇用による会社への無限の忠誠が当たり前だったが、令和の若者には通じないようだ。会社への無限の忠誠心を搾取して企業は大きくなってきたが、しらけ世代が会社への忠誠心の搾取を拒み家庭を顧みるようになってから日本企業は衰退した。デジタル世代は家庭どころか個人を守るので、企業は従業員の会社に対する付加価値の搾取がますます難しくなってきている。デジタルツールを駆使した新たな搾取方法を考えついた企業が勝つ?
    コミュニケーション方策の先頭を走るサイボウズやコンカー社がどこまで伸びるかが楽しみである。自由な選択肢は情報過多で迷うことになり、多様性のある人々との仕事は面倒くさい。多様性を認める会社での従業員育成はマネージャーの仕事なのか?我儘部下の相手で潰れるマネージャーが続出しないか心配である。
    未来の会社は、マネージャーはプロジェクト推進に特化して、社内教育はOJTではなく会社の教育組織が行うようになるのではないか?情報ツールだけではわからない職場固有のOJTに相当する部分は、定年後再雇用のおじさんがするのもありなのでは?

  • 日本企業における人材育成の仕組みは、無限の忠誠と、終身の保障が大前提!それが閉塞感の正体でもあり、「社員の幸せと会社の理想実現を両立」させる仕組みだった!
    年功序列で昇給する仕組みは、高度成長期であれば問題ないが、会社の成長が止まってしまうと話は別になる。

    日本は職能給!海外は職務給!

  • 導入部分は圧巻。会社に閉塞感を感じている若手社員必見。


    みんながみんな頑張っており、残業もしながら日々の生活時間の大部分を会社に費やしているものの、閉塞感が漂っている。個人のベクトルと会社のベクトルの双方が、会社の成長や個人の幸せに向いていない。だれも悪くないのに悪い方向に向かってしまっている。

  • JTCと最近の会社との比較。

    JTCにはそのよさがあると何度強調しても、俺たちの方がいいよね。。。。って感じ??

    世の中の会社のあくなき改善の試みの一部を知ることが出来る。

  • 人事の観測範囲を解き明かす。
    歴史と現在とインターネット的な会社の制度を通じて働き方の仕組みを見直す話。
    採用や契約に報酬に退職。仕事をする上での関わる労務のあり方を一つずつ見直す。
    ヒントとしては会社に委ねる時代ではないので、一人一人と会社とはの関係性をも見直して、みんなで制度を考える時代と感じた。
    最適解の模索が人事の在り方に思う。

  • 実際の例を取り上げてるのでおもしろい

  • 著者の経験を発端に日本の人事制度について調べ、実際に積極的に働き方改革をしている企業にヒアリングした内容を体系的にまとめられています。
    非常に勉強になりました。
    自分の会社はどうだろう、自分の会社はどうやったら変えられるだろう、と考えさせられる本でした。
    最後に著者からある企業の人事部長への提言が、その企業のカルチャーにあっているのかどうかについて、読み解けなかったので心に響かなかったのが残念です。(自分の読解力不足の可能性大)

  • トヨタとサイボウズの人事制度の違いに留まらず、日本と欧米の会社・社会の違いまで話は広がります
    人事は専門外で第5章の他社インタビューは飛ばし読みしました

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