ダイアローグ

  • アダチプレス
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784908251153

作品紹介・あらすじ

「私が後世に残したいと思っているのは、なによりもメインストリームを変えるロジックなんです」(ヴァージル・アブロー、本書より)

自身のブランド、オフ‐ホワイトでストリートウェアとハイファッションを融合。ナイキやイケアとの斬新なコラボレーション。ルイ・ヴィトン初の黒人デザイナー就任――ハイとロー、観光客(ツーリスト)と純粋主義者(ピュリスト)のあいだを軽やかに往復し、ヴァージル・アブローは創造の可能性をどこまでも探求しつづけた。

本書は、2021年11月に41歳で急逝した彼が遺した2016年から21年までの主要な対話9本を、日本オリジナル編集で翻訳。ヴァージルのアイデア、仕事、思想、生きかたが、あますところなく語られる。"Figures of Speech"展カタログでのレム・コールハースとの対話や『新潮』2022年3月号で紹介された最後のロングインタビューも収録した、『“複雑なタイトルをここに”』の姉妹編。

感想・レビュー・書評

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  • おもしろかった。
    ヴァージル・アブロー自体をもっと知りたくなったし、これまで手段が希薄だった、建築・ファッション・ヒップホップ関連知識を掘るための興味、というツールとしてもつかえそう。

    “2020年の夏、ブラック・ツイッターから総攻撃を受けた とき、父はそっと私に言いました。「いまお前の身に起こっているのは、 私がこの国に着いてまもない頃に体験したことだよ」。当時のアメリカ の黒人たちは父にこう訊いたそうです。「なぜそんな言葉を使うんだ?」 「そんな車に乗るのか?」「なぜ俺たちみたいに振る舞わないんだ?」と。 ブラック・カルチャーから期待されていると感じることもあります。 でも、かれらが望む物語から外れた途端にゴミ箱行きです。私は使い捨てなんです。皮肉も皮肉ですよね。”

    “私が出入りする場所に、「黒人が嫌いだ」 と言う人はひとりもいま せん。一緒に働いている集団――いい大学を出て世界中を飛び回っ ている洗練されたリベラル層——のなかで、自分に人種主義的な傾向 があると認める人はほとんどいないでしょう。差別傾向がないと自認している人にとって、人種主義者はつねに戯画化された他者なんです。 ですから、現実のバイアスは巧妙に、そして控えめなかたちで現れます”

    “「人生はとても短い」 とヴァージルは亡くなるおよそ1年前、XQ Institute (高校教育の再構築を支援するアメリカの団体) 主催のオンラインイベントで語っている。「他人からの期待に従っている暇はありません。 自分ができることを知るために、時間を使ってください」”

  • 対談をもとにヴァージルの思想に触れることができる貴重な一冊。

    黒人というアイデンティティをもち、ファッション業界を変えていったヴァージルは間違いなく現在のファッションを語る上で外せない人物の1人だと感じる。

  • デザイン、もしくはアブローの仕事についての思想や哲学を語る。
    村上隆がアートについて、「絵画を作る際には、その絵画の存在意義、何故、今この図案が描かれなければならないのかと言う理由、理屈は考えねばなりません。」といっていたことを思い出す。
    アブローもまた仕事について、理由・根拠があるのだ。

  • against from within

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著者プロフィール

ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)
1980年9月30日、ガーナ移民の両親のもとシカゴ近郊のロックフォードで生まれる。ウィスコンシン大学マディソン校で土木工学を、イリノイ工科大学大学院の修士課程で建築を学んだのち、カニエ・ウェストとの仕事を経て、2012年に自身のプロジェクト「Pyrex Vision」を発表。2014年にはファッションブランド「Off-White c/o Virgil Abloh™」を設立。自身のブランドと並行して、ナイキやイケアとのコラボレーションなど数々の作品を生み出す。2018年、ルイ・ヴィトンのメンズ・アーティスティック・ディレクターに就任。2019年、シカゴ現代美術館で回顧展「Virgil Abloh: "Figures of Speech"」を開催し、同名の書籍を刊行。2020年、アメリカの黒人学生の教育を支援する財団「Virgil Abloh™ "Post-Modern" Scholarship Fund」を設立。2021年11月28日、心臓血管肉腫のため41歳で急逝。

「2022年 『ダイアローグ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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