芝居小屋戦記: 神戸三宮シアター・エートーの奇跡と軌跡

著者 :
  • 苦楽堂
3.86
  • (1)
  • (4)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 16
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784908087110

作品紹介・あらすじ

その名の由来は1980年代の大阪芸大、劇団☆新感線と南河内万歳一座を生んだ伝説のプレハブ建屋「A棟」。支配人は大阪芸大OGにして千葉真一直系のアクション女優兼理事長夫人。こけら落としはつかこうへい「熱海殺人事件 売春捜査官」。小さいけれど設備は豪華。本物の檜舞台、宙づり演出可能な天井高、シャワー完備の広い楽屋、舞台と同じ広さの練習スタジオ、高級クルーザー用の椅子を使った観客席。路地裏50坪のコインパーキングを潰して生まれた奇跡の純民間劇場は、何人もの地元演劇人を正社員として雇用し、コロナ禍で劇場受難のこの時代に笑顔で立ち向かう。なぜそんなことが可能なのか? この劇場の芸術監督=読売文学賞受賞の脚本家が描く勇気の記録。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「文化」というものは
    こういう経過を経て
    こういう人たちが
    こういう動きをして
    こういうふうに
    「カタチ」になっていくのだ!

    そして
    それを支えている一部として
    私たち「お客」がいる

    今の「コロナ禍」で悪戦苦闘している
    全ての「文化」の創り手たちへの
    エールの一冊として
    読みました。

  • へえええ!
    驚きがいっぱい!
    よく知っているつもりの三ノ宮
    あれ?そんな建物あった?
    神戸の話しなので とても身近

    登場人物(すべて実在、活躍中の方)のキャラクターが
    おもしろくて引き込まれる。

    文章にはそう魅力を感じなかったけれど

    一度是非足を運びたいです

    ≪ 芸術の 育たない街 神戸、ほんま?≫

  • やっぱり芝居っていいなあ…

    やっぱりいい空間にはいいひとがいるものなんだなあ、と思う。三ノ宮人の意外な分析にも、なるほど!と笑ってしまった(^_^;

  • 副題には「神戸三宮シアター・エートーの奇跡と軌跡」とありますが、まさに奇跡なおはなしでした。なにが奇跡かって、子供の幼稚園の送り迎えがなくなってから元々やりたかった格闘技をはじめ、新生JACに入り、自宅の地下にジークンドーの道場をつくり、そこからいろんな表現を見せるカンパニーを持とうとしたバレエ出身の支配人と、奥様が「機嫌ようしとったら」ということでゼロから劇場を作ってしまうオーナーの理事長の夫婦。理事長も元々、資産家というわけではなくバブル崩壊で2億の借金を作って大学病院を首になったお医者さんの逆転人生。お金持ちの道楽、という言葉では片づけられない、鬼気迫るぶっ飛び感を感じました。最近、ビジネスがアートを語り始め、「生産性」のその先へ、行こうとしている動きも感じますが、それとも違う迫力です。前田・大志田夫婦は神戸のメディチ家か!今、with coronaの環境下で演劇をはじめとする表現文化の存在の危機が語られていますが、そのほとんどは公的な補助を期待するもの。この劇場のようなプライベートな活動のこれからは、と心配になります。続く「芝居小屋戦記2」アフターコロナ編が、この本の楽天的トンマナで書かれることを祈っています。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

1966(昭和41)年、神戸市生まれ。劇作家・脚本家・演出家。神戸三宮シアター・エートー芸術監督。劇場付属劇団「hishidas」「Jr.ミュージカル劇団 ミュージェルKobe」主宰。よしもとライターズアカデミーウエスト総合学科長。主なテレビドラマ脚本作品に「再生の町」(NHK、2009)、「ジウ〜警視庁特殊班捜査係」(誉田哲也原作、テレビ朝日、2011)ほか。2001(平成13)年、戯曲『いつも煙が目にしみる』で第1回近松門左衛門賞優秀賞受賞。2006(平成18)年、戯曲『パウダア〜おしろい〜』で、第57回読売文学賞(戯曲シナリオ部門)受賞。2019(令和元)年、神戸市文化奨励賞受賞。著作に『再生の町』(TAC出版、2010)、『震災脚本家 菱田シンヤ』(エピック、2015)。

「2020年 『芝居小屋戦記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×