食器と食パンとペン わたしの好きな短歌

著者 :
  • キノブックス
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本棚登録 : 461
感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (180ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784908059179

作品紹介・あらすじ

人気イラストレーターが現代歌人の短歌をモチーフに描く、ふうわりとあなたの毎日に寄り添う短歌×イラストのコラボレーション。

感想・レビュー・書評

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  • 好きです。
    寂しい歌も、優しくかわいい絵で穏やかに見られます。
    今日みたいにこんな色の少ない雨の日でも、カラフルな気持ちになりました。
    この本、シリーズ化してほしいです、もっと読みたいです。

  • 縦書きの国に生まれて雨降りは物語だと存じています
     飯田和馬

     人気イラストレーターの安福【やすふく】望が、好みの現代短歌にイラストを添えた「食器と食パンとペン」。遅ればせながら手にしたが、画集としても、短歌アンソロジーとしても、ふんわり安らぎを与えてくれる。ささくれ立った心に効く処方箋【せん】のようだ。

     選ばれた90首余の現代短歌には、歌集を何冊も出しているベテランの作品もあれば、ツイッターに投稿された若い人の作品もある。短歌と出合う「場の」拡がりも、おのずとうかがえる。

     掲出歌に添えられたイラストは、本の見開きのページに「縦書き」の雨粒。片隅に描かれた小さな人間と犬が、その雨の「物語」をじっと読み解いているようだ。

     明日には複製されてしまうからどうしようもなく今日が愛しい
     石井僚一

     北海道出身で、第一歌集を出したばかりの新鋭だが、この歌は同人誌に発表されたものである。鳥を、いかにも愛おしそうに抱いた青年の後ろに、額装の鳥の絵が何枚も飾られたイラストである。

     あいうえおかきくけこさしすきでしたちつてとなにぬねえきいてるの
     まひろ

     言葉遊びの歌で、「すきでした」という過去形の告白がせつない。イラストは、三角形のティーバッグの中で膝を抱える若い男女の姿。そのまま紅茶の海の中に飛び込みそうだが、飛び込めない―すれすれの感情のようだ。読みを限定するのではなく、より物語性を深める挿絵がうれしい。
    (2018年5月20日掲載)

  • 短歌集。エッセイのようなものでもある。
    短い言葉たちに、ほっとする。

    『食器と食パンとペン』というタイトルに惹かれる。

    好きだった世界をみんな連れてゆく
    あなたのカヌー燃えるみずうみ

    戻れないことは承知で人生の
    至る所にパン屑を撒く

    わたくしを捨てたあなたのこれからの
    世界が雨でありますように

    イラストとの組み合わせが素敵。

    ありがとう なんてことない人生をちゃんと物語にしてくれて

    幸福のかたちにとても近いのであなたの温度が欲しかったのです

  • どの短歌もよかった、胸にささった。ページをめくるのがこわいくらいだった。ほのぼのとしたイラストが中和させてくれる。本のデザインのせいもあるけど、若い女性により合っていると思う。

  • (2018/10/2読了)
    ブグログで見かけてチェックしていた本。
    ゆったりした気分になれる短歌集。恋愛ものだけじゃないものいいな。イラストもほんわか素敵。
    繰り返し読むと、いろんな意味を感じたりして。短歌って、奥が深いな。
    タイトル&表紙に、パンがあるけど、パンの本ではありません。

    (内容)
    人気イラストレーターが現代歌人の短歌をモチーフに描く、ふうわりとあなたの毎日に寄り添う短歌×イラストのコラボレーション。

    (収録歌人)
    田中ましろ
    加賀田優子
    内山晶太
    魚住蓮奈
    嶋田さくらこ
    藪内亮輔
    斉藤斎藤
    まひろ
    北村早紀
    今野浮儚
    たえなかすず
    阿波野巧也
    飯田和馬
    木曜何某
    佐々木朔
    木下侑介
    風野瑞人
    瀧音幸司
    竹林ミ來
    じゃこ
    ひつじのあゆみ
    山階基
    中畑智江
    工藤吉生
    ユキノ進
    木下こう
    吉野裕之
    中山明
    廣野翔一
    沼尻つた子
    穂村弘
    広沢流
    橘高なつめ
    岡野大嗣
    服部真里子
    後藤由紀恵
    笠木拓
    檀可南子
    松尾唯花
    川村有史
    有村桔梗
    高松紗都子
    東直子
    土岐友浩
    泳二
    井上法子
    吉田竜宇
    若草のみち
    月夜野みかん
    中澤系
    ながや宏高
    我妻俊樹
    千種創一
    スコヲプ
    宇野なずき
    香川ヒサ
    中込有美
    龍翔
    石井僚一
    吉田恭大
    虫武一俊
    西之原正明
    兵庫ユカ
    二玉号
    はだし
    村上きわみ
    小林朗人
    蒼井杏
    坂井ユリ
    本多響乃
    フラワーしげる
    牛隆佑
    鈴木晴香
    やすたけまり
    濱松哲朗
    荻原裕幸
    山本左足
    柳本々々
    島坂準一
    山中千瀬
    飯田彩乃
    実山咲千花
    やじこ
    黒崎立体
    後藤葉菜
    木下龍也
    小野みのり
    浅野大輝
    ニキタ・フユ
    久野はすみ
    佐伯紺

  • 2016/2/29のうるう年の1日を「さぼる日」としました。

    お客様がめいめいに読み、お気に入りの句をそれぞれ記したものです。

    わたしのお気にいりは

    花瓶だけうんとあげたい絶え間なくあなたが花をうけとれるように/笠木拓

    ありがとう なんてことない人生をちゃんと物語にしてくれて/檀可南子


    表紙から見る想像より、ずっと味わえる一冊。

  • 2024.3.6

  • 短歌をイメージしたイラストがとても素敵。りんご、かもめ、ハムサンド、傷のある服…みんな好き。

  • 素朴でカラフルでかわいい。短歌がこんなふうに見えたら、とても楽しそうだなと思った。

  • 図書館で借りたけど、
    手元に置きたくなるほどに可愛らしく

    自分が好きだな、と感じる絵を描く人が
    好きだな、と感じる短歌は
    自分の 好きだな、にも通じる部分があって
    ピンとくる歌が多い印象でした。

    プレゼントとかにも良さそう!

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著者プロフィール

1981年 兵庫県生まれ イラストレーター。書籍、雑誌などの挿画を含め幅広く活躍中。『食器と食パンとペン 私の好きな短歌』他著書多数。

「2021年 『もともと予報』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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