- Amazon.co.jp ・本 (180ページ)
- / ISBN・EAN: 9784908059179
作品紹介・あらすじ
人気イラストレーターが現代歌人の短歌をモチーフに描く、ふうわりとあなたの毎日に寄り添う短歌×イラストのコラボレーション。
感想・レビュー・書評
-
好きです。
寂しい歌も、優しくかわいい絵で穏やかに見られます。
今日みたいにこんな色の少ない雨の日でも、カラフルな気持ちになりました。
この本、シリーズ化してほしいです、もっと読みたいです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
縦書きの国に生まれて雨降りは物語だと存じています
飯田和馬
人気イラストレーターの安福【やすふく】望が、好みの現代短歌にイラストを添えた「食器と食パンとペン」。遅ればせながら手にしたが、画集としても、短歌アンソロジーとしても、ふんわり安らぎを与えてくれる。ささくれ立った心に効く処方箋【せん】のようだ。
選ばれた90首余の現代短歌には、歌集を何冊も出しているベテランの作品もあれば、ツイッターに投稿された若い人の作品もある。短歌と出合う「場の」拡がりも、おのずとうかがえる。
掲出歌に添えられたイラストは、本の見開きのページに「縦書き」の雨粒。片隅に描かれた小さな人間と犬が、その雨の「物語」をじっと読み解いているようだ。
明日には複製されてしまうからどうしようもなく今日が愛しい
石井僚一
北海道出身で、第一歌集を出したばかりの新鋭だが、この歌は同人誌に発表されたものである。鳥を、いかにも愛おしそうに抱いた青年の後ろに、額装の鳥の絵が何枚も飾られたイラストである。
あいうえおかきくけこさしすきでしたちつてとなにぬねえきいてるの
まひろ
言葉遊びの歌で、「すきでした」という過去形の告白がせつない。イラストは、三角形のティーバッグの中で膝を抱える若い男女の姿。そのまま紅茶の海の中に飛び込みそうだが、飛び込めない―すれすれの感情のようだ。読みを限定するのではなく、より物語性を深める挿絵がうれしい。
(2018年5月20日掲載) -
短歌集。エッセイのようなものでもある。
短い言葉たちに、ほっとする。
『食器と食パンとペン』というタイトルに惹かれる。
好きだった世界をみんな連れてゆく
あなたのカヌー燃えるみずうみ
戻れないことは承知で人生の
至る所にパン屑を撒く
わたくしを捨てたあなたのこれからの
世界が雨でありますように
イラストとの組み合わせが素敵。
ありがとう なんてことない人生をちゃんと物語にしてくれて
幸福のかたちにとても近いのであなたの温度が欲しかったのです -
2024.3.6
-
短歌をイメージしたイラストがとても素敵。りんご、かもめ、ハムサンド、傷のある服…みんな好き。
-
素朴でカラフルでかわいい。短歌がこんなふうに見えたら、とても楽しそうだなと思った。
-
図書館で借りたけど、
手元に置きたくなるほどに可愛らしく
自分が好きだな、と感じる絵を描く人が
好きだな、と感じる短歌は
自分の 好きだな、にも通じる部分があって
ピンとくる歌が多い印象でした。
プレゼントとかにも良さそう!