- Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
- / ISBN・EAN: 9784907986636
作品紹介・あらすじ
童話『こいぬとこねこのおかしな話』、あるいは『園芸家の12カ月』の挿画など弟カレルとのコラボ「チャペック兄弟」としても日本で人気の高いチェコスロヴァキアの画家でエッセイスト、ヨゼフ・チャペック(1887-1945)。彼はナチズムがヨーロッパを席捲する危機的な状況のもとで、自由と平和、そして民主主義のために、独自のユーモラスなタッチで、連作『独裁者のブーツ』をはじめ「反ファシズム」をテーマにした1コマ漫画や諷刺画を描きつづけました。
本書は当時の新聞紙に掲載された貴重な作品を集成し、強制収容所で没するまでの生涯をたどった、日本語版オリジナル編集です。
感想・レビュー・書評
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戦前戦中に活躍した作家であり画家、ヨゼフ・チャペックの画集兼伝記です。
オーストリア=ハンガリー帝国下の現チェコ西部に生まれ、ベルゲン・ベルゼン強制収容所で死亡しました。
児童書を中心とした多くの作品に携わり、最終的にはプラハの新聞の風刺画を手掛けます。
その風刺画の抜群な切れ味をドイツに評価され逮捕・収監、そしてこの世の地獄へ移送されてしまいました。
プラハの大衆に向けて軍靴を履いた独裁がやってくることを知らせる仕事に取り組んだ彼の作品は、今や街だけではなく世界へ飛び立ちました。
可愛らしい筆致で繰り出されるパンチの効いた絵を楽しむと共に、WWⅡにおける被支配者の苦しみを垣間見ることができる一冊。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
フォローしている猫丸さんに紹介していただいた本。
公共図書館にあったので予約して借りました。
すごい。
戦争の足音がひたひたと迫る中、これだけ堂々と反ナチズムを表明するとは!
もう少しうまく立ち回っていれば、強制収容所で亡くなることはなかったのかもしれない。
でもこれが、彼の生き様なのだろう。
なんとなく違和感を抱きながら日々を送る人に… -
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「独裁者のブーツイラストは抵抗する」ヨゼフ・チャペック著、増田幸弘、増田集編訳|日刊ゲンダイDIGITAL(2019/11/06)
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/2642542023/12/28
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前半は、チャペック兄弟のお兄さん・ヨゼフが1937年に出版した同名の絵本をベースに、彼の反戦・反ナチスがテーマのイラストを集めた。カレル・チャペックの挿絵でおなじみのかわいらしい描線は、一見テーマとミスマッチな分、かえって戦争の痛ましさやファシズムの恐ろしさが伝わってくる。
ナチスドイツ支配下の強制収容所で描いた子どもの絵は胸を打つ物がある。チェコスロバキアの共和国時代に描いた「自由」のイラストの晴れがましさは、ほんとうによい。
後半はチェコの専門家のインタビューを交えながら、彼の人生を追いつつ、歴史的・文化的バックグラウンドを追っている。ヨゼフ・チャペックのことは、カレル・チャペックの本の挿絵やブックデザインでしか知らなかったが、気骨がある人だったんだな。自由や民主主義という言葉に象徴される第一次世界大戦後のある種の時代精神を体現しているように感じた。本当にいい本だったなあ。 -
チャペック兄が収容所で死んだとは知らなかった。わたしにとって、チャペックは妙に深みのある童話作家、という印象がなかなか抜けないけど(初体験が「長い長いお医者さんの話」だったから)童話というよりは、先端的なSF作家で思想家で、戦争&ホロコースト一途の全体主義を批判し続けた作家兄弟としてのほうが活動期間はながいんだよな
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チャペック兄が収容所で死んだとは知らなかった。わたしにとって、チャペックは妙に深みのある童話作家、という印象がなかなか抜けないけど(初体験が「長い長いお医者さんの話」だったから)童話というよりは、先端的なSF作家で思想家で、戦争&ホロコースト一途の全体主義を批判し続けた作家兄弟としてのほうが活動期間はながいんだよな
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カレル・チャペックの兄で画家でもあったヨゼフ・チャペックの風刺画を集成した1冊。
画風としては筆遣いの勢いを感じるハッキリとした線が特徴だろうか。元は新聞に掲載されていたものなので、白と黒のバランスも魅力。
同時に収録されている論文も面白かった。 -
ヒトラーの弾圧にも負けず、抵抗のイラストを描き続けたヨゼフ・チャペックの風刺イラストと、ヨゼフの最期。
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正直、チャペック兄弟を知らなかった。