青年はなぜ死んだのか: カルテから読み解く精神病院患者暴行死事件の真実

著者 :
  • 萬書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784907961145

作品紹介・あらすじ

「精神医療の現実」第二弾! 青年は亡くなる少し前、母親に「僕の人生、どうしてこうなっちゃったんだろう」と言いながら涙を流したという。青年をあの事件のあった保護室まで運んでいったものの正体はいったい何なのか。多剤大量処方の末「飛び降り自殺」した青年の死の真実にも迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 精神疾患の診断の難しさ、薬物療法の是非とその実践の難しさ、精神科病棟における病人の扱い…いろいろと合わさって事態がややこしく難しくなっているように感じた。
    ただ、ものすごく深刻だ。看護の仕方にしても統合失調症などの精神疾患についてにしても研究が進められなければならないと感じた。
    それにしても私のようなものでも手が届く範囲で考えなければならないのは、患者の人権についてだろう。
    看護人による虐待が起きたのは、相手を人間と考えない、同じ人間であるという意識や想像の欠如が根深かったからと考えられる。これは日常的に誰しもの心に根ざしているものだと思うので、私にも関係がある。深く考えていきたい。

  • 読むのが辛すぎた。
    精神科の住人になったら終わり。
    人ひとりが亡くなっても、誰もお咎めがない。
    人のものを壊したら器物破損になるが、精神を病んだ人に暴行を加えても何もない。
    精神を病んだら、物以下に成り下がるのか?

    精神科領域の病気は主治医の主観に委ねられすぎている。
    精神科の医師や看護師の方にこの本を読んでもらっての意見を聞いてみたい。

  • 嶋田和子さん『青年はなぜ死んだのか カルテから読み解く精神病院患者暴行死事件の真実』出版記念講演会&サイン会 - 書泉/神保町・秋葉原
    https://www.shosen.co.jp/event/93085/

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    「精神医療の現実」第二弾!
    青年は亡くなる少し前、母親に「僕の人生、どうしてこうなっちゃったんだろう」と言いながら涙を流したという。青年をあの事件のあった保護室まで運んでいったものの正体はいったい何なのか。多剤大量処方の末「飛び降り自殺」した青年の死の真実にも迫る。

    8.3秒に1人が鍵のかかる個室に閉じ込められ、7.9秒に1人が縛り付けられているのだ。そして、精神病院の片隅で、人知れず、不審な死を遂げる人が、一日に60人。
    どちらが狂気だろう。
    さらにその予備軍として、精神科に通院している人は361万人以上いる。両手いっぱい、こぼれるばかりの薬を口に放り込みながら、ジワジワと人生の歯車を狂わせていった人が、いったいどれくらいいるだろう。
    陽さんの物語と、直樹さんの物語。
    声なき人たちの無念の思いが、せめて小さな声になり、少しでも形になればと思う。
    もし、精神医療に改善の余地があるとしたら、まずこの現実をとことん見つめ直すこと。そこからしか始まらない。きれいごとの話など、いらない。(「どちらが狂気か」より)
    ●積み重ねると三〇センチにもなるカルテを一つ一つ丁寧に読み解くことで見えてきたものは……精神医療の恐るべき無責任さと冷酷さだった。●それを許しているのが日本社会に未だ巣食う「差別と偏見」だとしたら、誰もが青年の死と無関係とは言えない。
    http://yorozushobo.p2.weblife.me/shosekishokai15.html

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著者プロフィール

1958年生まれ。早稲田大学卒業。1987年からフリーのライター。2010年6月にブログ「精神医療の真実 フリーライターかこのブログ」を立ち上げて体験談を募る。
主著:『私たちが、生きること』(ありのまま舎編、新潮社)、『大きな森の小さな「物語」――ハンセン病だった人たちとの十八年』(文芸社)、『ルポ 精神医療につながれる子どもたち』『発達障害の薬物療法を考える』(以上、彩流社)、『精神医療の現実――処方薬依存からの再生の物語』『〈向精神薬、とくにベンゾ系のための〉減薬・断薬サポートノート』(以上、萬書房)

「2019年 『青年はなぜ死んだのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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