いま、ここで輝く。 ~超進学校を飛び出したカリスマ教師「イモニイ」と奇跡の教室

  • エッセンシャル出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784907838980

作品紹介・あらすじ

全国の教員が! カリスマ塾講師が! 一目見たいと見学に訪れる授業では一体何が行なわれているのか?

大切なのは「ふざけ」「いたずら」「ずる」「脱線」!?
――独創的な授業で子供たちのやる気を引き出す名物先生の、笑いと涙のルポルタージュ!

感想・レビュー・書評

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  • ☆プログラミング学習っぽい感じがしたのは、証明を記号におきかえさせているからなのか。

    〇「イモニイ」の授業。特徴は3つ。
    1つめはゲーム性。

    ☆問題が解けたらポイントゲット。

    〇2つめは集団性。

    ☆これがね・・問題によるんだよね。

    〇3つめが、先述の通り他校の教員もまねする「手法」

    〇一人一人の答案にしっかり目を通していることがわかるように生徒たちにフィードバックする。

    ☆要するに、「見てもらっている感覚」が全てなんだと、最近分かってきた。大事にされている感覚を、自分の子にも。

    〇インフルエンザ問題

    〇自分で考えて、行動して、責任がとれる。できれば人の役に立つ仕事をしてくれれば、それで大満足ですよね。

    ☆多くの親はこう思っているだろう。

    〇Think!Think!

    ☆早速インストール。やってみよう。

    〇ことばでおえかき

    〇タワーをつくる

    ☆A4コピー用紙で。面白そう。
    こういう問題が次々必要だ。

    〇どんな子どもを見ても心の底から『魅力的だなあ』って思えるようになりたい。

    ☆うんうん、これ分かるなあ。まだ、なれてないなあ。

    〇わが子を思う親がつい子どもを追いつめてしまうのも、仕方がないとわかる。要するに、親としての自信がないのだ。

    〇技術的な裏付けなしに、聖人のようには振る舞えないのである。

    ☆親自身の自己肯定感、余裕、そういうものが必要。

    〇子猫の弱弱しさが自分の弱々しさと重なって見えて、そこにイライラして落としたい衝動に駆られる自分と、そんな子猫がとにかくいとおしくて仕方がない自分と、二人の自分がたしかに存在していて、葛藤していた。あれは自分にとってものすごく大きな経験でした。要するにどんな子もそういうところをもっているわけで、猫を落とした子は悪い子で、落とさない子がいい子だという単純な話じゃない。それは紙一重でしかない。だから、やった行為にもほとんど意味がないと、そのときに気付きました。たしか小学校低学年のときです。

    ☆自分は小学校低学年のとき、こんな思想をもってただろうか。いや、ない。すごい人だなあ。

  • 栄光学園の教師であるイモニイの物語です。

  • 教育の本質について深く踏み込んでいる。本書を読んで、真っ先に感じた事は、日本のシステムでは、"教"ばかりを考え、"育"に対する視点が欠如している。この"育"を育てると誤解すると、方法論に走るだけで、教える側の自己満足に行き着く。"育"は、子供達自身が持っている資質で、自ら育つことを如何に手助けできるか、視点の逆転が必要になる。子供達にとっては、"何を"教わるかではなく、"誰に"教わるかが重要になってくる。栄光学園という恵まれた超進学校での経験をもとに、子供達を活かす教育に邁進する著者にエールを送りたい。

  • 星10個くらいつけたいです。
    大人の階段上ってる、息子にも読んでほしいくらい、本質的。
    子育て中のオトナの方々にも、マストで読んでほしい。

    こんなにいのちを輝かせているひとが近くにいたら、
    まわりは明るく照らされていいでしょうね。

    純粋だけど、簡単ではないはなし。
    「教育とは。」

    【本文より】
    ・まさにいちばん大切な要素が、私の言う『見える力』と『やり切る力』なんだ(高濱先生)

    ・学生の時点で、一風変わった大人たちに出会い、もまれ

    ・逆風をプラスにどう転じるか

    ・「経済的に自立して、人生を前向きに生きることができているのなら、人生は成功だ」/マージョリー

    ・当時の富田校長が『ひとに迷惑をかけるな』なんて言うなって話をした。それはなぜか?もし百人いて、みんなが反対することでも、自分は絶対これをやるんだということなら、迷惑をかけてでもやり抜かないとダメだと。
    その代わり逆に、自信の身近なひとがその思いでやっていると気は、迷惑をどんどん受けなさいと。

    ・人格を攻撃しちゃったりとか。それ、できちゃうじゃないですか、ひとって。そういうときに、自分の怒りを正当化しないっていうことのほうが大事だと思うんですね。

    ・目を背けたくなるところにこそ、眼差しをそこに見るのは、固く縮こまった友であり、自分だから。」

    ・「自分がイラっとしてしまうということは、そこに自分の中にある弱さを見い出しているはずなんです。だからイラっとしてしまうんです。その子の中にある未熟な部分、弱い部分を認めてあげることは、結局は自分自身の中にも同じくある未熟な部分、弱い部分を認めてあげることになるんです。」

    ・でも論理的に考え、手を動かし、間違え、根拠を疑い、試行錯誤して、思い込みをひとつずつ捨て去ることで、ひとは再び少しずつ自由になれる。

  • 生徒の良さを認めていくスタンスは本当に見習っていきたい。教えるのではなく気づかせる。まだまだ全然できていないので、できるようになるために試行錯誤していきたい。「宿題じゃないのに自主的にやること」→「学びに誇りが持てる」はその通りだと思う。塾の先生が、特別にプラスαプリントを出してくれて、それを解くのに夢中だった高校時代の記憶とリンクした。

    • nana0108さん
      昔ある人に、「努力してすごいね!」じゃなくて「君は努力できる子だね」って言われたのがうれしかったなってふと思い出しました笑(褒められるより認...
      昔ある人に、「努力してすごいね!」じゃなくて「君は努力できる子だね」って言われたのがうれしかったなってふと思い出しました笑(褒められるより認めてもらった感じです)
      2020/02/05
    • たさん
      なるほど!行動を褒めるより、人格だったり、「その人が持ってる良さ」として認めるほうが、嬉しいよね!
      それ意識して声掛けするようにするわ!
      なるほど!行動を褒めるより、人格だったり、「その人が持ってる良さ」として認めるほうが、嬉しいよね!
      それ意識して声掛けするようにするわ!
      2020/02/05
  • 2023.12読了。

  • 教師や親などの大人が、子供に対して向き合う姿勢として非常に参考になりました。

    また、最近よく聞く「親ガチャ」という言葉に違和感を持っていましたが、本著の中でイモニイガが「お金持ちに生まれたからこそ手に入れることがができるものとか、恵まれた出会いがあったからこそ得られたものとか、何かによって得られる・得られないが左右されるものには価値がないと思っていました。努力して手に入れることができるものも同じです。努力ができる状況のある・なしに左右されるから。」「この感覚がなぜ育まれたのかを考えると、家族の中に障害をもっている兄がいたということが大きく影響しているんです。僕が自分の足で歩けて、運動も勉強もできて、それによって褒められて、それはうれしいし、そのおかげでいい学校にも行けたし、お金も得られて、不自由のない生活ができているけれど、でもこれってぜんぶ嘘だよなって思うんです」「だって兄貴にはどうしたって無理なんだから、与えられた身体的条件や能力や、自分ではどうしようもできない環境によって、得られるものと得られないものがあるのは事実だと思いますが、だとしたら、そこでたまたま得られたものに本当の価値があるわけがない。真理が公平でないはずがないから」「そうなると、世の中のほとんどのものって価値がないじゃないですか」「だから、たとえば寝たきりのひとでも普通にもてるものでなければ、本当の価値のあるものではないと考えるようになりました」というのを読み、非常に納得しました。(もはや修行僧の域に達した考え方だと思いますが)

    また、イモニイの言う「教員でなかったらしないことは、しない」や「教えたことは身につかない」「子供を見ないで、褒めればいってものではない」などは親としても非常に共感しました。親としての責任感から行う行為の多くは良い結果になっていないともどかじく感じることも多々あるので、心にとどめておきたいと思います。

  • こんなに純粋に人の価値を考えてくれてる先生がいるんだな。「先生だからやらなきゃいけないことはやめた」

  • 前半は、他に類を見ないようなユニークな授業をするカリスマ数学教師イモニイと、彼に共鳴する仲間たちの話で、それもとても興味深い話だが、後半には、フィリピン・セブ島訪問や、親から虐待を受けていた元教え子の話など、深く考えさせられる話が出てくる。
    教育関係者ではない私にとっても、折に触れて読み返したくなる本。
    息子にも是非読んで欲しい。

  • プロフェッショナルで気になっていた数学の先生。
    神奈川の栄光学園の教壇に立たれていますが、スタンスはすごく良いなぁと驚きました。
    ・受験のための指導
    ・時代に応じた育成

    そういったものを目指さない、関心を持たない、
    ただ子どもがそれぞれもつ可能性を引き出そうとする、尊重する。なかなか出来ることではないですね。
    プロフェッショナルでは、先生になってしばらくは、試行錯誤する過程で傷つけてしまった生徒に触れてましたが、本作では、再会も描かれています。
    教育かくあるべし、とは思いませんが、情熱を持って取り組む方は応援したいですね。

    おおたさんの作品の中でも一線を画していて好意的に読めました。

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著者プロフィール

おおたとしまさ:教育ジャーナリスト。1973年東京生まれ。リクルートで雑誌編集に携わり、2005年に独立後、数々の育児・教育誌のデスク・監修・企画・編集を務め、現在は教育に関する書籍執筆および新聞・雑誌・webメディアへの寄稿を行う。テレビ・ラジオなどへの出演や講演も多数。心理カウンセラーとしての活動経験、中高の教員免許、私立小学校での教員経験もある。著書は『ルポ名門校』(ちくま新書)、『勇者たちの中学受験』(大和書房)、『不登校でも学べる』(集英社新書)など80冊以上。オフィシャルサイト:http://toshimasaota.jp


「2024年 『学校に染まるな!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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