馬語手帖

著者 :
  • カディブックス
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  • Amazon.co.jp ・本 (121ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784906900008

感想・レビュー・書評

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  • 〈馬語ってどんなもの?〉
    (略)ウマは群れで生きる草食動物です。いちばんの危険は肉食動物につかまって食べられること。そのために、どんな時でも仲間同士でサインを送りながら暮らしています。ほんのちょっとしかサインも見逃さず、なにかが起これば、すぐに仲間に教えてあげれるように、そうしてできあがったのが、馬語です。馬語とは、しぐさ、声、動き、立ち位置、間合い、スピード、リズムなど、すべての要素があわさったものと言えるでしょう。(15p)

    ペットを飼ったことのある人ならば、解る部分は多いかもしれません。私は無いけど、初めて韓国に降り立った時の事を思います。周りは漢字・英語ましてや日本語がほとんど無い記号のようなハングルだらけの世界。けれども、10語ばかりの言葉を知っていれば都会での3日間のフリー旅はやり過ごすことはできたのです。「これいくらですか?」「お願いします」など。一つでも言葉を交わせれば、向こうは大きく心を許してくれます。

    そうやって、何十万年間、ヒトは異民族・異種と心を交わしてきたのかもしれません。

    これは人間と馬との関係ではなく、ヒトとウマとの関係の本です。

    池澤夏樹「終わりと始まり2.0」で紹介されていたので、紐解きました。さすがです、見事な視点。与那国島にある出版社だそうです。インターネット時代だからこそ出来る書籍ですね。与那国島には、野生の馬がたくさんいます。

    単純な〈言葉〉だけでも33あります。それを間合いや、状況でさらに会話にしていけば、充分コミニュケーションが取れるでしょう。

    馬乗りを趣味にしている人以外でも、動物との関係で、参考になりなること多々。私は更に、人間とのコミニュケーションでも参考になると思いました。よく考えたら、人間は生涯4回以上自らの言語を変化させます。(1)赤ちゃんの時(2)幼児語(3)壮年以後(4)認知症を患って以降。
    ‥‥どうでしょうか?特に認知症の方との間合いの取り方や、リズムの違いは、最近もつくづく思い知らされました。これを間違うと、日本語を話しているはずなのに全然話が通じません。


    いちばんの単純な〈言葉〉は耳だそうです。
    ・少し開く→くつろいでいる
    ・横にねかす→無気力、争いません、従順になります
    ・ピクピク動かす→どうしよう!、大丈夫かな?
    ・後に寝かす→なんだよお前、それ以上来るなら攻撃するぞ
    ・後にピタリつける→蹴ってやる、噛んでやる

    面白いのは、
    ・はぁ〜(ため息)→人間と同じ

  • 前身を使って話す・・・馬語。
    馬とのコミュニケーションを取りたい人へ。
    馬語の学び方    からだのコトバを読み取る
    間合いを読み取る  ウマの気持ち  ウマと話そう
    ・もっと知りたいときに 
    ・馬語を学びたいときにおすすめの牧場
    あのとき、この本を知っていたら・・・。
    ストレスと病で早期退職した年、退職後の諸事で多忙の日々。
    安らぎを求めて、年末に向かったのは与那国島。
    初乗馬は与那国馬でした。
    今よりも10kgは太っていたから「ごめんね~、大丈夫?」と、
    おろおろしながら小さい与那国馬に乗っていました。
    そう、あのときこの本を読んでたなら、耳のピクピクや
    ブラッシングのときの様子とか、多少はわかったのかも。
    でも、与那国馬との出会いに元気を貰ったのも事実。
    ありがとう、また乗せて欲しい・・・この本を熟読して行くから。

  • 誠光社さんでなんとなく手に取ってしっくりきたので買った本。馬のことをなにも知らないし馬はわたしには遠い存在だったけど、この本を読んですごく愛しく近くかわいらしい存在になりました。
    人ひとりと馬いっぴきを通り越して、生き物と生き物の対話について考えさせ、教えてくれる大切な教科書です。

  • 猫語イルカ語狼語もママならないけど、馬語にも首を突っ込むコトにしました。

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    ウマがどんなふうに話すか、知っていますか?
    鼻をブルルルッと鳴らしたり、ヒヒーンといなないたり。
    そう、それもたしかに彼らの言葉です。
    でもたぶん、声を使うのは全体の5%ぐらい。
    ウマの会話の中心は体を使ったボディランゲージです。
    耳やしっぽを動かしたり、体全体で動いたりしながら、
    ウマはいつも仲間同士でいろいろな会話をしています。

    たとえば「静かに草を食べている」姿の中にも、
    実はたくさんのコトバが隠れています。
    ぱっと見てもわからないかもしれないけれど、
    たしかに彼らは話しているのです。
    この、音だけに限定されないウマたちの言葉、
    コミュニケーションする手段が「馬語」です。

    ウマは賢い動物です。
    人間が簡単な言葉や合図を教えれば、
    それを覚えて、反応してくれるようになります。
    あなたが愛情を持って(人間の言葉で)話しかけたり、
    やさしく触ったりすれば、
    ウマはそのトーンを感じ取ってくれもします。
    でもそれは、あくまでも人間中心。
    ウマの立場に立った会話ではありません。

    その逆に、もし人間であるあなたが馬語を理解したら、
    (人間だって賢い動物なのだから、やればできるはず)
    さあ、どんなことが起こるでしょう。

    まずウマは、「お!」と驚きます。
    「このいきものはヒトのようにみえるけれど、
    どうやらウマのことばがわかるようだぞ」と、
    あなたに注意を向けてきます。
    そして、これまでとは違う態度を取り始めます。
    たとえば言葉の通じない外国に行った時、
    「こんにちは」「ありがとう」とカタコトの言葉を話すだけで、
    その国の人は、ぐっとあなたに親近感を持ってくれますよね。
    そんな感じに近いと思います。
    ウマはいろいろなことをあなたに語りかけ始めます。

    この本は、馬語の世界へとつながっています。
    といっても、ほんの入り口にしかすぎません。
    あくまでも人間であるわたしが、
    「どうもこういうことかもしれない」と
    翻訳して書き留めた覚え書きのようなものです。




    「はじめに」より
    https://kadibooks.com/home/book/umagotecho/

  • 馬を見に行く前に読んだり、持参したい本。
    正直興味がないんだけどレベルに馬に対して真っさら初心者(でした私。)なほど、
    そんなでも読みこめる優しく自然な空気があって、
    新しい驚きと発見で、楽しくなれる本かもしれない。

  • 馬は鳴き声以外にも、耳や目・しっぽなど全身をつかって気持ちを表します。耳を少し開くとリラックス、お尻を向けるとなにか気に入らない…など。
    馬と暮らすために与那国島に移住した著者が見つけた馬とのコミュニケーション方法を、わかりやすくやさしい言葉で紹介します。(新ひだか町三石)

  • 絵入りでかわいい本です。
    乗馬でもっと仲良くなれたらいいなぁ、何かヒントがないかなぁと買ってみました。

  • 新聞のコラム記事で
    ー馬と向き合うことは
     自分と向き合うこと
    と なんとも優しい文章で
    綴られたものを読んだことが
    きっかけで
    河田桟 さん を 知った

    そして
    ようやく 手に入れた一冊

    なんでしょう
    難しい言葉は 一つも 使われていないのに
    とても 深く
    とても 面白く
    とても 素直に
    「馬」と「人間」を
    つないでくれる
    魔法のような言葉に
    満ち溢れています

    なんだか
    とても
    ほっ と させられます

  • 馬初心者にはうってつけの本かもしれないです。
    少しでもかじっていたり、すでにある程度の知識がある場合は、真新しさは感じられないかもしれません。

    初心者としては、馬のボディランゲージを細かく知れるのも為になりましたし、馬の「間合い」をまずは頭に入れておくきっかけになりました。
    馬のテンポが人間のそれよりもゆっくりであるというのは、乗馬を通じて痛感しているところではありますが、自分とは違うテンポで生きている動物と触れ合うことによって、新しい自分を見つけるきっかけになるかもしれません。

    人間にとっては馴染みの深くなかった犬や猫とはまったく違うコミュニケーションスタイルを持った馬と、少しでも分かり合えたなら、それは喜び以外にはなりえません。
    こういう本で、少しずつ歩み寄れたらなあと思います。
    もちろん、実践も込みで!

  • 馬の言葉であるボディランゲージを、著者が野生状態で群れで暮らしている与那国馬と、自身が飼っている馬との経験から、可愛らしい絵と文字で解説した一冊。ヒトと犬はコトバでコミュニケーションが取れるけど、馬は違う。野生と飼われている馬では、人間が介在することでコミュニケーションに変化が現れるかもしれない。その違いが分かるのも、野生馬に触れられる環境ならではである。

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著者プロフィール

馬飼い・文筆業。2009年、馬と暮らすために与那国島に移住。カディブックスを立ち上げ、出版活動をはじめる。著書に『馬語手帖—ウマと話そう』、『はしっこに、馬といる—ウマと話そうII』、『くらやみに、馬といる』がある。

「2022年 『ウマと話すための7つのひみつ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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