声 千年先に届くほどに

著者 :
  • ぷねうま舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784906791460

作品紹介・あらすじ

いのちを燃やすための〈声〉は、いまどこに響いているのだろう。国境を越え、言葉の壁を越え、生死の境をも越えて、ほんとうのいのちの歌を探した漂泊の記録。さて、どうやって生きたものやら? 声に聴け、歌を拾え!
 日常を埋め尽くしている電子音の海を離れて、耳を澄ましてみよう。そこには、戦災から立ち上がろうとする人びとの営みを包んだ、昭和の心の歌があり、人間の世界を呪う、ミナマタの野生の祈りがあり、底知れない生存の深みを伝える、ハンセン病詩人の声がある。いのちの輝きにあふれた南島のおばあや、異郷に生きる歌人たちと一緒に歌ってごらん、踊ってごらん。
 死と沈黙の領土を超えて、千年先まで届く、声の祈りをいま……。

感想・レビュー・書評

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  • 人が旅をする目的は様々であろうが、著者は歴史の中に埋められ、忘れ去られようとしている「声なき者たちの声」を聞くために旅に出る。そうして、そこで聞き取った「声」を「言葉」にして、後世になんとか残していこうとする。その動機は、他者の不条理で無意味な苦しみを自分が身代わりのように苦しむことで、それらの苦しみが無意味から意味へと反転していく可能性を信じていることである。

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著者プロフィール

【翻訳】姜 信子(きょう・のぶこ)
1961年、横浜生まれ。『生きとし生ける空白の物語』(港の人)、『現代説経集』(ぷねうま舎)、『はじまれ、ふたたび』(新泉社)、『語りと祈り』(みすず書房)など著書多数。共著に『忘却の野に春を想う』(白水社)など。編著に『谺雄二詩文集 死ぬふりだけでやめとけや』(みすず書房)、『金石範 評論集Ⅰ・Ⅱ』(明石書店)、『被災物 モノ語りは増殖する』(かたばみ書房)など。訳書に『あなたたちの天国』(李清俊 みすず書房)、『モンスーン』(ピョン・ヘヨン 白水社)、詩集『数学者の朝』(キム・ソヨン CUON)、監訳に『奥歯を噛みしめる』(キム・ソヨン かたばみ書房)などがある。

「2024年 『父のところに行ってきた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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