- Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
- / ISBN・EAN: 9784906790296
感想・レビュー・書評
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>「責任を取るということは可能でしょうか」
>僕の答えはシンプルです。
>「不可能です」
>以上、おしまい。シンプルですよね。
>でも、どうして責任を取るということが不可能なのか
知識人をと問われたら初めに挙げたいのが内田先生です。私の「考え方」というものの大きな部分を占めていると思います。
彼は大体いつも同じ話をしていて、要するに社会的成熟が大切であるということです。そこを基礎にして様々なことを教えてくれます。
今回は質問に答えるメルマガでのエッセイ人生相談?推敲なしですと説明されているとおりやや散漫な感じ。
「調べてないのでわからないけど、多分そう」というのが繰り返されるとちょっと…。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
贈与の話に感銘を受けた。目に見える全てのものはメッセージ、このことを忘れず、常に「心づくし」で準備された生活の舞台に感謝の念を持ちたい。被贈与の自覚が成熟への第一歩。
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自分にはない考え方や物事の視点が面白くて、それを理解したくて読むのに時間がかかった。しかし著者の意見を学ぶうちに、今現在の思考が磨きがかかったように思う。著者が自分にしか語ることのできないことを語ることが大事という内容が目から鱗だった。今までは、「自分以外の人ができる仕事をする方が替えがいるから休みやすい環境で良いと思っていた」がそれは、自分を蔑ろ、すなわち“存在してもしていなくとも同じ”という考えを刷り込む危険性に気がついた。2024年に向けて、自分にしかできないことを言葉にする練習なりナリワイを見つけられると良いなと新年に思いをはせた。
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なかなか納得することが多かった。しかし多くの人が思っていることが正解という流れがある日本ではこのような考え方を自分の中で持ちつつ、他人とは共感していきながら生きていくのが良いと思った。
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市民として、大人として成熟することについて書かれています。
わたしにとっては斬新な視点の思考で、今後も思考する際に役立つであろう事柄について書かれており、有意義な読書になりました。
哲学書にもこんなにおしゃれな方法があるのだと思いました。
私たちは現代において、先人の恩恵に預かって、ある種自由で裕福な生活を営むことができています。そういう時代にふさわしい方法で、成熟について、生き方について考えるヒントになる、良著だと思いました。
特に、青春・青年論に感銘を受けました。 -
責任を取る=相手に与えた損失を完全に復旧させる
と考えると「責任を取る」という行為は不可能である、
貨幣制度は「国家が未来永劫存続する」という嘘に皆が騙されていることで成り立つババ抜き、など
社会や人の在り方に新たな視点を与えている。その主張の根拠も分かりやすく、読んでいて新たな見地が得られるのを実感した。忘れてしまったころにまた読みたい。 -
色々学びのある一冊だったけど、個人的に刺さったのは最初の問い「責任について」。
責任を取ることなど誰にもできない。かといって誰か他人に押しつけられるものでもない。責任は自分で引き受けるものである。なぜなら「俺が責任を持つよ」と言う人間が増えるごとに、その集団から「誰かが責任を取らなければならないような酷いこと」が起こるリスクが減ってゆくから。
責任という言葉は「そういう事態を決して起こさないぞ」という予防的な文脈で使うときだけ生産的な意味がある。つまり責任を取るなんて方便だけど、そう言った方が皆が幸福になれるから「責任」という概念はあるのだ!
うーむ、なんという慧眼!すごく腹落ちした。事故や不祥事があったときの謝罪会見を観ていて、謝る方にも責任追及する方にも違和感があったけれど、なるほど、そもそも事後に「責任」を議論することが茶番なのだろう。
もちろん犯罪や悪質な過失などには法の裁きが必要だ。本書では「裁き」と「赦し」の在り方にも触れている。時間を置いてまた読みたい。 -
高校の現代文の時にこれを読んで内容プレゼンしたな。内田樹を面白いと思ったきっかけの本。
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4年振りの再読。やはり面白い。自分も人間であることを思い出した。また数年したら読みたい。
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・寝ながら学べる、ほどの読後感はなかった