- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784906732005
作品紹介・あらすじ
なぜ、日本は政権交代しても何も変えられないのか!改革の敵、日本の「官憲主義」を問う。
感想・レビュー・書評
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2021.26
・官憲主義と全体主義の行き来によって、日本の政治は変われない
・13年から15年周期で、変革の動きが起きては頓挫する。 -
●非常に難解に感じる。日本の欠点である、「歴史的現在」という視点の欠如と「組織的家族」が及ぼす組織の機能不全が日本の変革を妨げる要因。
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「民主的か民主的でないか」といった対立軸では日本の政治状況を正確に把握できないとして、著者は「政治化」と「非政治化」という対立軸を持ち出す。
「政治化」とは、生活の全てが政治にかかわってしまう状態を指す。これは文化大革命時の中国を考えれば良い。ベートーベンの交響曲やピカソの絵画までもが政治に組み込まれてしまう思想である。
逆に、「非政治化」とは、生活の全てが政治と無縁の社会である。政治に関係ない限りにおいて、すべての自由は保障される。言論も表現も宗教も財産権も居住権もすべての諸権利は保障されるが、国民の全ては非政治的存在として絶対に政治に関わってはならないという思想である。
そして、著者は言う。
「日本は15年周期で政治化と非政治化を振り子のように行ったり来たりするのだ」と。
実に興味深い論考。
中でも特筆すべきは、日本人の強みと弱みを「組織的家族社会」に求めた点だろう。
調和を求める日本的な組織は、上手く機能するときは強烈なチーム力を発揮して無類の強さを誇るが、一旦機能しなくなると植物人間化する。誰もとどめを刺す者は存在せず、無為の組織に成り果てても延命措置を施されて死ぬまで生き続けさせられるのだという著者の指摘は、現在の日本を的確にとらえている。 -
著者は、「日本には組織(システム)という概念がない」「真の自由討論(フリートーキング)がない」と言ひます。「組織(システム)が家族(ファミリー)になってしまう」と。
本書は分析であって、その変革の方法論、処方箋までは提示してゐない。
難解な論考である。再読の価値あれど、他に読まねばならない本が山積みで近い将来再読としたい。 -
読了。昭和50年辺りに書かれた文章ですが、最終章は現在読んでも全然違和感なしです。日本は重大なことが発生すると、過去を忘れる。戦前の教育がいい例とのことです。私が印象に残ったのは、組織的家族。組織が家族みたいになる。その代表は日本軍で、日本の組織は運命共同体に変化しやすい。今になって、これの弊害がかなり出始めているような気がします。合う物もあれば、合わない物もある。これを認識することが大切です。
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日本では総政治化と非政治化が13-15年周期で繰り返されてきた。日本の組織は家族集団である
西欧と日本の異質さの再認識。今更ながら、永続するには、日本的な方法を探すしかないと? -
まさに、今読むべき一冊。
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鈴木宗男や堀江貴文がなぜ捕まったのか?
そして、日本ではなぜ改革が中途半端で終わって
しまうのか?根底には同じもの、「官憲主義」が
あった。30年前にこれを言い切った著者はやはり
すごい。