スピ-ド・オブ・トラスト: 「信頼」がスピ-ドを上げ、コストを下げ、組織の影響力を最大化する
- FCEパブリッシング (2008年11月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (502ページ)
- / ISBN・EAN: 9784906638741
感想・レビュー・書評
-
理論的な裏付けが乏しいのは、この手のコンサルタントの書いた本であるので、致し方無いが、それ以上に実践を意識して実例を踏まえて述べているので、わかりやすい点を評価したい。特に信頼の在り方を、個人から人間間、組織、市場、社会といったレベルでとらえている点は勉強になった。「信頼」はとかく個人間の問題であるととらえられ、その束の大きさによって扱われていることが多いが、ミクロの積み重ねといった視点からだけではなく、大きくマクロ的現象をしてとらえなければ、「信頼」の本質を見誤ることになる。昨今の世界的な状況、特にアメリカ社会のリーダーの行動、日本での政治屋の動きなどを見ていると、そう感じることが多い。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
・人々が真に信頼し合うとき、スピードが生まれる。
→信頼が先か、スピードが先か。
・人は迅速でなければ、死んでいるに等しい。
→遅いなら、いらないってこと。
・ピグマリオン効果、、、成功したいと思っているとその可能性が高まる。それによって、いい結果を得やすくなる。
・人はあなたの言葉に耳を傾けはしない。あなたの行動を見ているのだ。
・信頼を構築したり回復したりするには、速やかな謝罪と過ちの是正がずっと効果的である。間違いを隠したり、認めないことが一番の不振へつながる。
・その場にいる人たちとの関係を保ちたければ、いない人に対して忠実であれ。
・実は、仕事と私生活のバランスを本当に機能させるものは、かつてのポイント制度だと私は見ている。優れた成績を上げたものはポイントを貯め、それを融通と交換できる。自分のポイントが多ければ多いほど、自分の好きな時に、好きな場所で好きな方法で働ける可能性が増えるのだ?
・リーダーシップとは、先頭に立って誘導することよりも、社員たちの要求に耳を傾け、それを満たすことである。 -
信頼はモノポリーの資産のようなもの。1回あたりの収益は低くても、回数を重ねることに収益を自動的にあげてくれる。「お金に稼いでもらう」考え方にも通じる。
信頼を醸成することで、コミュニケーションコストが下がり、結果としてスピードが上がる。他者との連携が仕事を進める上で欠かせないことを踏まえると、信頼はあとからじわじわ効いてくる。 -
信頼の不足による追加コストを「税金」と表現し、いかに個人、組織、社会において「税金」を減らすか、分かりやすく書かれた実践の書。
-
「7つの習慣」でおなじみのスティーブン・コビーさんの息子さんの著書。信頼の重要性を多くの経営者の格言を引きながら解説している。信頼を構築し、理想の組織・家庭・社会を作るための「4つの核」と「13の行動指針」が示されている。書かれていることは至極当たり前のことばかりだが、日常的に忘れてしまって、その通りにできていないことも少なくない。上記項目を思い出すだけでも価値がある本。
-
"人は迅速でなければ、死んでいるに等しい
不振のつけは大きい。
信頼が低下すると、コストは増大する
人を信頼しないほうが、リスクが大きい。
職場におけるあなたの最大の責任は、信頼を築くことである。
【五つの波】
第1波 自分自身の信頼
第2波 人間関係の信頼
第3波 組織の信頼
第4波 市場の信頼
第5波 社会の信頼
信頼の4つの核
人格→動機→能力→結果
【信頼されるリーダーの13の行動】
率直に話す
他者を尊重する
透明性を高める(情報を隠蔽しない)
間違いを正す
忠誠心を示す(他者に花を持たせる、陰口を言わない)
結果を出す
より上を目指す
現実を直視する
期待を明確にする(期待を確認し合う、人の期待に背かない)
説明責任を果たす
まずは耳を傾ける(自分の話をする前に、相手の話を聞く)
コミットメントし続ける(約束は必ず実行、信頼を裏切らない、約束を守れなくても言い訳しない)
他者を信頼する" -
パッションテストに掲載有
-
7つの習慣にも登場するコヴィー氏の息子とあって、氏の遺伝子を十分に受け継いだ内容になっている。
信頼を得るための自身の経験が、失敗も含めて書かれており、成功した人であっても信頼を得るには大変な苦労があったのだと、気づかさせられた。
信頼を得るために自分も誠実でありたい。 -
p184 J&Jの話
相互利益を重視し、良くない結果に対しても、さらに自分たちに落ち度のない結果に対しても責任をもつことによって、信頼性と信頼を回復することができた。
「我々は最善を尽くしている」と言ったところで意味はない。必要なことを確実に実行することが必要なのだ。
ー ウインストン・チャーチル
ピグマリオン効果:自己達成予言、積極的な自己期待、信頼性、楽観主義、単なる信頼。成功が成功を生む。
ガラテア効果、ローゼンタール効果ともいう。
P251-フォトリ -
2008年に書かれた本ですが今の日本に必要な一冊だと思います。人から「信頼」されるかを追求する本ですが、まず自分で自分を信用しなくてはいけないという点が印象的です。