- Amazon.co.jp ・本 (1ページ)
- / ISBN・EAN: 9784906379590
感想・レビュー・書評
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数ある猫の登場するお話の中で、これは特に哲学を感じさせる。
作者の長田弘さんが、亡くなった猫に捧げたお話だ。
わたしの愛猫も数年前に亡くなり、茫然自失の日々を過ごすときに、友人にこの本を紹介された。
繰り返し読むうちに、わたしの心にも「ねこのき」が育った。
茶色い、一本のゆめのきが。
詩人でもある長田さんの、最後の一ページは涙なくして読めない。
「こころという にわにそだつ いっぽんの ゆめのき。
これが おばあさんの ゆめのき です。
ねこのき です。」
花好きなおばあさんが、とても可愛がっていたオレンジ色のねこ。
そのねこがある日、車にはねられて死んでしまった。
なきがらを庭に埋めると、めぐる季節とともに芽が出て葉が出てぐんぐん育ち、やがてオレンジ色の実が実り、「はなが いっせいに さきみだれた すばらしいあさ」に、ぽとりとその実が落ちてきたという。
それが、オレンジ色の猫の実だったと。
ここが、泣ける。しみじみと泣きながら、わたしは「喪の仕事」をしたのだった。
長田さんのお話だったら絵を描きたいと頑張った大橋歩さんが、挿絵を担当している。
四苦八苦したと言われるが、素朴な良い味わいをかもし出している。
もう会えないと知っていても日々想わずにいられない。
言い知れぬ哀しみに心が塞ぐ日は、どうか読んでみてね。
あなたの胸にも、ねこのみが成りますように。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
愛猫たらちゃんが亡くなった時に動物病院から届いた絵本が”ねこのき”でした。
絵本には病院からのメッセージが添えられていました。
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タラちゃんのご冥福をお祈り申し上げます。
タラちゃん、よく頑張りましたね。
点てきもずーっと通われ、飼主さんご家族の皆様の献身的な看護のたまものでした。
9才は少し若いですが、でも、この9年の愛情いっぱいの猫生は、きっときっと幸せだったことと思います。
美人薄命と云われますが、タラちゃんは本当に美しい猫ちゃんでした。
これからしばらく寂しくなられることと思いますが、タラちゃんとの楽しかった日々を想いお過ごし下さい。
心よりお悔やみ申し上げます。
スタッフ一同 追伸:タラちゃんに会えなくて私達もとても悲しく寂しいです。
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おれんじいろのながいしっぽのねこがいました。
おれんじいろのながいしっぽのねこははなのすきなおばあさんのねこでした。
ねこと暮らしたことのある人にオススメしたい絵本です。-
2014/02/18
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図書館の昨年の訃報のあった方々をしのぶコーナーに長田弘さんの名があり、
たしか長田弘さんの本で「ねこ」の本があったっけと調べてみて、この本に、あたった。
思い出したように、新聞の切り抜きを引っ張り出してみたら、気になる本は、実は、この本では無かった。
こんどは、気になる本のほうを探してみようと思う。
今月は、この本で、勘弁してくれ。
この本も良い。
何だろうか、ほんわかと、じわっとくる、なぜだか。 -
命、大切。
悲しいけれど、つながってる。 -
四分 あらー、どうなるのと心配したけどハッピーエンド。少し不思議なお話。低学年から中学年もいけそう。
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おはなの好きなおばあさんは、オレンジ色のしっぽの長いねこと一緒にくらしていましたが、夜出かけるのが好きなねこはある朝帰らず…。やがて、女の子がみつけてくれたねこの亡き骸を小さな庭に埋めます。季節がめぐるとそこには木が育ち…。“心という庭に育つ一本の夢の木”ラストにむくわれる優しい物語は、詩人長田弘さんが、いなくなった猫に捧げたもの。四苦八苦したという大橋歩さんの絵がまたいいです。