- Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784905530268
作品紹介・あらすじ
アニメーション作家・山村浩二の絵と詩人・アーサー・ビナードの新訳が出会う、本当の宮沢賢治の里山。
感想・レビュー・書評
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国語の授業において高確率で習う宮澤賢治さん。
中でもこの詩は殆どの方がご存知かと思いますが、宮澤賢治さんを趣味で研究してらっしゃる教授に薦められて、アニメーターの山村さんが絵本にしたこの英訳が付いている本を拝読。
本来は手帳に書かれていた詩で、作品として世に出たのは宮澤さんがお亡くなりになられてからだと初めて知りました。
こちらの本はまず絵が本当に素晴らしい!
ずっと観ていても飽きない素敵な絵ばかりで『雨ニモマケズ』の暗いと思われがちな世界観に一気に彩りを与えてくれています。
英訳をされたアーサーさんが、何故、絵本で英訳版を出版されたのか。その理由が印象的です。
「日本人のほぼ全員がこの詩とどこかで出会っていて、そして大多数は理解していないということに危機感を覚えたからなのです。」
宮澤さんがこの詩を書いたのは1931年。その当時の岩手の里山の営みを書いてるので、現代の我々の時代とは生態系、地域社会の在り方が違う。との切り口から、当時は食糧自給率が100%であったので、「少シノ野菜」と言ったら質素な暮らし、少ししかない暮らしだと思ってしまうが、実は違う。と大変興味深い事を仰っています。
教授曰く「この詩は耐え忍んで頑張れ!という詩ではなく、宮澤さんの『俺が出来なかったことリスト』なんですよ」(これには爆笑しましたが)
実際、宮澤さんはかなり裕福な育ちらしく、その辺も踏まえて読み直してみると新たな一面が見えて来て面白いです。
暫くは教授のおかげで宮澤賢治祭り2023が開催されそうです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
宮沢賢治の雨ニモマケズをアーサービナードさんが英訳しています。幻想的なイラストとなんとも絶妙な英訳。宮沢賢治の世界を見事に表現していると思います。
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●だいぶ前に、本の目利きのお友達から借りたもの。そろそろ返さなくては、と手にとって一気に読んだ。山村浩二さんの絵の豊かな田園風景は懐かしくて美しく、アーサー・ビナードさんの英語の詩にはうなりながら読んだ。勉強のため、先に英文を読んでから、日本語を見たのだけど、ああ、この単語や表現を選ぶんだな、すごく賢治のことを理解して訳されているんだな、とこの方のされる仕事の誠実さというのか、表現力のすごさといってよいのか、を改めて感じた。
●私は学生時代に賢治を敬愛?する教授の講義で苦労したので、賢治と来ると、今もどうしても苦手意識がよみがえって思わず避けようとしてしまうのだけど、この方の訳で賢治の偉大さ、明晰さ、人としてのまっとうさといっていよいのか、言葉にしにくいけれど、魅力が理解できた気がする。賢治はあの時代に、かなりのことを見通していたのだと、今更ながら驚かされる。詩の翻訳は、いつも訳すのにかなり苦労するのだけど、深く理解している人にはちゃんとできるのだ、と感じた。
●「あとがきにかえて」も、とても心にしみる文章なのだけど、最後に「この『雨ニモマケズ』がうんと近い、当たり前の生態系になる流れを、今のぼくらがつくらなければ」ということばはきちんと受け止めて日々行動につなげて行きたい。それにしても、賢治のこの詩に、この「あとがきにかえて」がつながってくるというのは驚きなのだけど、アーサー・ビナードさんの視野の広さ、ものごとのつながりを見通す能力を示しているのだと感じる。
●この方の書かれる文章はたぐいまれなパワーを放っていると思う。幅広い層の日本人が読める日本語であとがきにかえて、を書いて下さってありがとう。そして、この本を教えてくれたお友達にも深く感謝しています。この絵本は自分では決して手に取らなかったと思うので。 -
なじんでいる宮沢賢治の「雨ニモマケズ」の英訳
完全に理解したわけではないが
「ほー、こういう表現をするんだ」
とか、なかなか面白い
あとがきにあるように、現代の日本の状況は
かけ離れてしまってはいるが・・・
絵が繊細で美しい
前面に小さな生物を描いているのがいいなあ
《 届かない 忘れてならぬ 原風景 》 -
「アニメーション作家・山村浩二の絵と詩人・アーサー・ビナードの新訳が出会う、本当の宮沢賢治の里山。」
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これまでも何度となく読んだ作品ですが、英訳された絵本ははじめて読みました。
読む人やその時の状況や気分により解釈が変わる詩であるとは思うけど、外国語で読むと、他の国の人たちにも受け入れられる意味がわかったような気がします。
悲しいけれど、いつの時代にも変わらない苦しみはあって、それをどう受け入れて乗り越えていくのか。
答えは書いていないけれど、いつも考えながら生きていかなくては。と思わせてくれる詩。 -
宮沢賢治の詩「雨ニモマケズ」をアーサー・ビナードが英訳し、日本語と英語が併記されていいます。山村浩二の絵は柔らかい繊細なタッチで、賢治の生きていた頃の豊かな里山の風景を伝えてくれます。2013年に出版されましたが、「あとがきにかえて」は現代の日本の状況を再考するきっかけも与えてくれるのではないでしょうか。
(H.T.) -
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取り上げたいのは、
賢治の「雨ニモマケズ」。
わたしのヒーロー、アーサー・ビナードさんが英訳したもの。
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Rain won’t stop me.
Wind won’t stop me.
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なんだか今の世相に響きますね。
賢治の思想をこう訳すのね!
と食い入るように読ませていただいたことを思い出します。
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「行って」というのがいちばん大切って、賢治の弟さんがおっしゃってました。
行ってさしあげる、その行動がどれほどあたたかいか。
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絵も色彩が好みでした。
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こういう訳し方があるのですね。感嘆!
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アーサー・ビナードによる雨ニモマケズ英訳。
英訳の是非は自分には判断できないけどまた違う響きがあって良い。そしてイラストのざっくりとした風景や草木が素敵だ。