消費が社会を滅ぼす?! --幼稚化する人びとと市民の運命

  • 吉田書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784905497240

作品紹介・あらすじ

デモクラシーに未来はあるのか…9.11を予言した『ジハード対マックワールド』の著者が警鐘を鳴らす。

感想・レビュー・書評

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  • このアプリ下書き出来なくて2回程消された。一言で言えば雨後の筍の如く居るナオミ・クラインのエピゴーネン。カラーを出す為に先鋭化しているも、資本主義の吸収力は古くはヒッピーなどのカウンターカルチャーがこぞってスポイルされていった様に特筆すべき事ではなく基礎知識としてあるのではなかろうか?本書の印象はcapitalism fuckerなのだが、実際ここまで侵食した資本主義やグローバリゼーションに個人が逆立ちしても太刀打ち出来ない事だとは思う。夢物語では納得も安心も出来ない。ドリーマーではなくリアリストとしての視点が必要ならcapitalism huckerが妥当ではないか?何故そう思うのか?小生自身が過去fuckerだったからである。
    三部で触れられるボイコット運動も企業にアクションを取らせるがそれが良いアクションだとも思えない。昔、ナイキの児童就労が問題になった時、大規模な問題に発展した。マイケルムーアもTV時代にナイキの株を購入し株主になってて問題を提起してた気がする。その流れでボイコット運動もあり、結果、児童就労は廃止された。が、数年後働いていた児童は職がなくなり路上に放り出され物乞いをする様なケースもあったと言う。企業の性質として問題があるとコストカットとして末端をすぐに切る。これでは弱者の救済にならない。ただのスラックティビズムだ。何故こう言う事を言うのか?小生自身が昔ボイコットをしていたからである。
    映画シンシティもポルノと書かれていたが、暴力ポルノの間違いではなかろうか?(ホラーを揶揄する時に使う)ホラーに対する嫌悪する文章も見受けられるが、ホラーを嫌悪した所で残忍な事件はなくならない。人間そのものが野蛮で矛盾な生き物なのだから。本書を読んでいた時は、まるで船の上にいる気分になる。地に足がつかない、不安定な船酔いの気分。このまま乗っていると沈んだしまいそうな気がして、読了出来て良かったとは思う。地上からこの船の行く末を見ていきたい。勿論地上で何かしらのアクションをしつつ。

  • 最低の訳、意味のない横書き、かつてない買って損な本

  • 消費が社会を滅ぼす?! ベンジャミン・R・バーバー著
    デモクラシー蝕む小児的な欲求

    2015/5/24付日本経済新聞 朝刊

     著者は、その『ジハード対マックワールド』で、グローバリズムと民族主義が衝突してデモクラシーが後景へと追いやられることを9.11テロよりも前に予言した人物。彼が今回取り組むのは、消費資本主義による市民社会の腐敗というある種、古典的な命題である。ただ、ここでは「キッザルト(子供大人)」という新しい概念が提唱されている。消費資本主義は、消費を常に刺激し、ニーズを生み出すことを駆動力とする。そこで産み落とされるのが、消費する能力を持つ大人と、欲求にしか突き動かされない小児の混合物たる「キッザルト」だ。







     アメリカの青年層向けに、広告業界は年100億ドル以上を費やし、市場では食料・飲料系産業だけでも500近くの新製品が投入され、その結果人口の1割弱が衝動買いを止(や)められない中毒症状にかかっているとされる。人々のニーズを満たす「プル(需要)型」ではなく、ニーズを創造する「プッシュ(供給)型」の資本主義は、社会的な成熟を回避させ、「簡単」「単純」「早い」ことだけを消費基準とする「キッザルト」を必要とするのである。


     こうした現象を著者は最新の政治理論からカルチャー・シーンまでを動員して、力説していく。その博覧強記についていくのは訳の限界もあって簡単ではないが、彼の関心は、やはりデモクラシーの問題に向けられる。貧者は消費ニーズがあってもそれを埋める糧がなく、富者は糧があってもニーズをもはや持っていない。そうした眩暈(めまい)のするような非対称性こそがデモクラシーを蝕(むしば)んでいくのだ。


     グローバリズムと民営化の論理も私的選択の増進に傾くばかりで、両者をつなぎとめるはずの公共財が提供される余地を狭めている。解決策として提示されるのは、貧者の消費を可能にすること、マイクロ・クレジットを拡大していくこと、所有権の拡大を通じてグローバル化を民主化していく方途である。


     市場における消費者と政治における市民のバランスをいかに回復すべきか――この問題提起は、最近まで消費者主権の確立こそが政治と経済の革新につながるとされてきたここ日本にでも、野心的に響く。


     著者は、消費資本主義のエートスとは「愉悦を欠いた一つの強制」にあるという。男性陣がマイルドヤンキー化し、ご婦人は美魔女となり、子供がプリキュアを演じる光景はぞっとしないでもない。しかも、それが幸せを生んでいないのであれば、彼の警鐘に耳を傾けるべきだろう。




    原題=Consumed


    (竹井隆人訳、吉田書店・3900円)


    ▼著者は米国の政治学者。39年生まれ。ラトガース大名誉教授。著書に『ストロング・デモクラシー』など。




    《評》北海道大学准教授


    吉田 徹

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