- Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
- / ISBN・EAN: 9784905349105
感想・レビュー・書評
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「ラ・ロハ スペイン代表の秘密」
これが舞台裏。
EURO08、南アフリカW杯、EURO12とメジャー大会を3連覇中のスペイン代表。
太陽照り出す温暖な気候で育っているから陽気一本かと思いきや、カタルーニャ州を代表するように民族意識が強く、国より民族の誇りを優先するそんな荒っぽさと陽気さが同居しているスペイン人は来年王国ブラジルでも粘り強く華麗で圧倒的なットボールを見せてくれるはずです。
現在のスペイン代表はシャビ、ブスケッツ、イニエスタらバルセロナ勢とカシージャス、セルヒオ・ラモス、アルベロアらマドリー勢が中心となって構成されています。
なので、今回は他の選手をピックアップ。取り上げたいのは、今季からリバプールからナポリに活躍の場を移したペペ・レイナです。
父ミゲルはアトレティコマドリーやバルセロナで活躍した元スペイン代表GK。そんな父の姿から強いインスピレーションを受けたのかペペはGKとしてサッカー人生をスタートさせました。
面白いのは、生まれはマドリードにも関わらず、彼がキャリアをスタートさせたのはバルセロナだったこと。マドリードなら、マドリーか父の古巣であるアトレティコのカンテラを選択しそうであるが、何故バルセロナだったのだろう。
ペペは、バルセロナでは十分な出場機会を得ることが出来なかったもののビジャレアル、リバプール、そしてナポリと活躍の場を獲得し、世界屈指のGKと言う評価は揺るぎないものになっています。
それは、スペイン代表でも同じ。正守護神はカシージャスで、第2GKはバルセロナの守護神であるV・バルデスである為、ペペはなかなか出場機会がありませんが、試合に出れば世界屈指の守護神として安定したプレーを見せてくれるのだ。
しかし、ペペにはもう1つの顔がある。それは、宴会部長。如何なる時もチームを盛り上げるのだ。これがまたかっこ良く面白いのです。
特に、チームメイトに付けるあだ名。あれは最高でした。優勝した感想を貰うべく、チームメイト全員を紹介し、いじるペペ。
彼は生粋のムードメイカーとして数々の笑いを提供してくれる。それは、本書にペペ絡みのエピソードが頻繁に出てくることが証明していると思います。
勿論、サッカーノンフィクションとしても楽しめる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ありていに言えば暴露本なのだが、登場人物が魅力的なので嫌味が無い。裏話は面白い。
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EURO、ワールドカップを制したスペイン代表の密着ドキュメント。
代表の内部事情がリアルに伝わってくる良書。
強さの秘密はメンバーの団結!
ただ、訳がイマイチ。
頑張れ、フットボリスタ。 -
EURO2008、W杯2010を連続して勝ち、そして、もしEURO2012に優勝すれば、スペイン代表は、サッカー界に新たな歴史を刻むことになります。
どうして、スペイン代表はこんなにも強くなったのか?
その理由がこの本に書かれています。
また、メンバーの人間的な側面を知ることができます。
選手たちに直接じっくり話を聞き、未発表の秘密を彼ら自身が語っている点で、他の本とは違うと思われます。
監督、メンバー及びスタッフ一同(テクニカルスタッフ、チームマネジャー、役員、医者、理学療法士、用具係の人たち等々)が一丸となり、困難を乗り越えてきた様子もよくわかりました。
サッカーに疎い私ですが、この本を読んでしまうと、スペイン代表に肩入れしたくなりますね(笑)。 -
400ページ近くあるんだけどそれを感じさせなかったってのはこの本がおもしろいことの証明だと思う。
アラゴネスの心理マネジメント、デルボスケの采配、あだ名、DJラモス、賭けサッカー、ポチャetc…
とりあえず面白かった。
“3連覇”で続編が出ることを願ってやまないです。 -
昨晩からEURO2012が開幕したが、それに合わせるようにフットボール関連本が随分と沢山新刊棚に並ぶようになり、ついつい買ってしまうのだがこれもその中の一冊。
本書は「無敵艦隊」と呼ばれたスペインがその名に反して大きな大会では勝てなかったのが2008年のEURO(欧州選手権)で優勝したときから2010年W杯で優勝をするまでの間に何があったのか選手自身へのインタビューを中心に構成したものだ。名将ルイス・アラゴネスの時代から現代表監督ビセンテ・デル・ボスケへと繋がる指導者が発する選手への言葉が選手への自信を植え付け、選手がまた監督を信頼して勝利への道筋を歩んでいくという過程を追ったものだ。
だが本書のユニークなところは監督、選手の言葉や行動がそのまま表現されているところだ。日本の代表本などのように「清く、正しく、美しく」と飾られた外向けの姿で埋め尽くされているものの対極にあると言える。
所詮はフットボールの選手だからチーム内では普段から汚い言葉使いが一般的なのは容易に想像がつくのだが、特にアラゴネスの「わしの背中は広いから安心しろ、わしが監督だ。もしウンコをちびったら、それはわしの責任だ」というようなスラング丸出しの表現が満載だ。
また合宿中には毎晩部屋でトランプの賭けが行われたり、大会中にはチーム全員が大会参加全チームを対象にしたトトカルチョを開催したりと、なんとも大らかというのか悪童丸出しの行動も紹介されている。このトトカルチョはバルサキャプテンの伝統で初代はルイス・エンリケで今はプジョルが胴元だそうだ。(但し今回のEUROではプジョルは欠場なので誰が引き継いでいるのかちょっと気になる。チャビか?)
尚、本書の訳者はあのスペイン在住「フットボリスタ」編集長の木村浩嗣となっているのだが、ちょっとばかり読みにくい。前述のアラゴネスの発言のところの訳などは選手の事を「あなた」と呼びかけている訳になったいるがあの汚い言葉に比べて違和感が大きすぎるので最初はかなり入り込むのに苦しむところだ。恐らく下訳が居るのだろうが、校正ミスだろうな。