神様のいる街

著者 :
  • 夏葉社
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本棚登録 : 327
感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (125ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904816271

感想・レビュー・書評

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  • 短い本なんだけど、感じたことが…多かった…

    図書館から他館から取り寄せで頼んだ本が届いたと連絡がきたので取りに行き、
    ふと、「小説以外も挟んで読んで行こう」と思い何気なくエッセイコーナーで見つけた。

    吉田篤弘さん、エッセイも書くんだ。

    そうだよね。大抵の小説家は、エッセイも書く。
    2冊ほど借りたうちの一冊。

    この本は、エッセイ?なのかな?
    自叙伝に近いエッセイ?

    高校時代から結婚するまでの期間の切り取り。

    高校の友達に誘われるがままに、美術大学を受験し、友達と共に不合格。友達は浪人を決めたが、吉田さんはデザインの専門学校に進学。
    ところが、学校が合わないのか、元来のサボり屋さんなのか、神保町の古本屋さんに魅せられたからなのか…
    神保町の古本屋さんに入り浸るようになる。

    そこである本に出会う。上林暁(かんばやしあかつき)の本である。タイトルは「文と本と旅」
    3800円するその本にひっかかり、いつもは買えない本の日記に書かれるはずが、すぐ売れてしまう予感があり購入を決める……

    古本屋さんの魅力って独特なものがあるよなぁ。BOOKOFFさんとかができる前の、個人経営的な古本屋。昔はよくあった気がする。

    神保町は、古本で有名な街なので当然雰囲気もあるんだろうなぁ。行った事がないから残念ながら知らないけれど…行ってみたいなぁと思った。

    それにしても、エッセイとは言え、自叙伝的要素が多いとは言え、ほぼ小説だ。
    なんだか、現実の世界に吉田さんの世界が出現したような…
    吉田さんの世界が現実化されたような…
    なんだか不思議な感覚になった。
    物語のような生き方ってできる人がいるんだ…
    と言うか、みんな物語のように生きられるんだ…

    吉田さんが若い頃に書いたメモも真ん中に挟まっていて、これが何とも…
    詩のような小説のような、その間のような…

    そうか、「詩のような小説」だ。吉田さんの物語は。
    だから、こんなにも余韻があるんだ。
    だから、こんなにもセリフが刺さるんだ。

    改めて、思い知らされる、想像力と創造力。

    たくさん読み、たくさん書く。
    たくさん考え、たくさん書く。

    それが営みなんだろうな

    吉田篤弘さんの物語ファンの方々
    絶対に読んだ方がイイ
    1時間くらいで読めますし
    おススメです

  • 独特
    好きか嫌いかはっきりわかれると思います
    私は背伸びして好き?この気持ちわかってもらえる人いると思う笑
    この作品の良さわからないなんて美的感覚に乏しいよ と自分が評価されそうな そんな作品です
    作者のこれまでの人生を少しアレンジして、静かに描いています

    本を知りつくした人が、デザイン、装幀、も手がけるとこうなる!という
    size感から何まで、愛おしい本です

  • 作者の自伝的エッセイと架空のホテルのメモパッドに書かれたショートストーリー。

    神戸に対する思い入れがひしひしと伝わってくる。
    神保町の本屋街も確かに若い本好きが気軽に入れる雰囲気ではないが、憧れの集合体なのは分かる。

    ちょうど先月読んで好ましかった上林暁の名が出てきて驚いた。一方的だが、良いと思うものが通じ合うと嬉しい。

  • この本も触り心地が好きだ。

    はじめて吉田篤弘さんの本を手にしたときも、その本のサイズ感や背表紙、紙の質に惹かれました。
    素敵な手触りのなかにある物語は、これまた心触りのよいものです。

    全世界ひとり残さずおすすめしたいとは思わないけれど、一緒にひそかに共感してくれるひとを想像して楽しもうと思います。

  • 神戸。
    とにかく居心地が良く若い頃頻繁に訪れた。
    特に元町の雰囲気がお気に入り。
    著者の神戸についての言及に何度も頷く。

    神保町。
    憧れの地。
    じっくりと巡りたい意欲が増す。

    装丁がきれいで紙の香りが心地良い。
    ため息が出る。
    大切にしたい。

  • 静かに、本から漂う空気感に浸れる本。



  • 久しぶりに吉田篤弘さんの本を読んだ。
    やはり好きな文章。
    また物語も読もう。
    そしてこの本、装丁もとてもよい。

  • ゴーアンドゴーアンドゴー

  • ゴーアンドゴーアンドゴー!
    好きな本

  • なんでもないような、ふとした文章のエッセイ?散文集?神戸と神保町が舞台。「神」って地名についてるところの由来が知りたくなってきた。

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著者プロフィール

1962年、東京生まれ。小説を執筆しつつ、「クラフト・エヴィング商會」名義による著作、装丁の仕事を続けている。2001年講談社出版文化賞・ブックデザイン賞受賞。『つむじ風食堂とぼく』『雲と鉛筆』 (いずれもちくまプリマー新書)、『つむじ風食堂の夜』(ちくま文庫)、『それからはスープのことばかり考えて暮らした』『レインコートを着た犬』『モナリザの背中』(中公文庫)など著書多数。

「2022年 『物語のあるところ 月舟町ダイアローグ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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