猫はしっぽでしゃべる

著者 :
  • ナナロク社
4.19
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本棚登録 : 265
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904292808

感想・レビュー・書評

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  • 熊本の橙書店の店主さんが綴ったエッセイ。
    この本の中に「丁度読みたかった本」という章があるけれど、この本がまさしく今の私にとって「丁度読みたかった本」だったという感じで、言葉がするすると心に入ってきて、読んでいてとても心地よかった。
    読み終えて、本と出逢うことの幸せを、一つひとつ大切にしたいなぁと感じた。

  • 家のそばにも、橙書店が欲しい。

  • 文字と向き合ってるんだけど、なんとなく人と向き合っているような、不思議な感覚で読んでいた。立ち止まっては考えて読む本に出会ったのは久しぶりだった。

  • 目の前に当たり前にあることを、しけしげ見つめ直す著者の目線にハッとさせられる。
    言葉一つ、大事にしなければならないことに気づかされる。当然、それを強要してくるわけでもなく。
    筆者の目線が滲み出ていて、心が穏やかになる。生活が輝く。

  • いつか必ず行きたいと思っている本屋が二つある。一つは「火星の庭」でもう一つは田尻久子さんの「橙書店」だ。橙書店発の文芸誌「アルテリ」での田尻さんの言葉は、「文学は屈しない」という強いものだった。
    そんな田尻さんの日常の言葉をもっと知りたくなった。街にある小さな本屋の大切さは、本好きの人なら良くわかる。それを営み続ける人の、毎日を続ける努力もまた忘れないでいたい。

  • ふらりと立ち寄ってみたい橙書店。
    ドアを開けたら、本棚が目に入って、窓際にはコーヒーを飲みながら読書をする人。店主はカウンターで常連さんと読書談義。そういう場所が近くにあって常連さんのお仲間にいれてもらったら、生活に潤いが足されるような気がする。本を大切に思う気持ちがとても伝わった。人との関わり、そばにいる猫、震災のこと、お店のことが語られスッと心に入り込むエッセイだった。

  • 橙書店。いつか行きたい本屋さん。田尻さんの本とお客さんに対する誠実さ、真摯な姿勢が伝わる文章は、さらっと読むことはできず、じっくり読み込んでいかせるものだった。緊張にも似た空気感がピリッと背筋を伸ばしてくれる。こういう本屋さんはなかなかない。熊本に行こう。

  • 橙書店に行って本棚から感じた、あの静かな感動、そのままだ。

  • 文字をとおして、田尻さんの世界が伝わってきた。
    読んでいてとても心地良かった。小さい本屋の中、そこは広い広い時間や国をも超える空間なんだなと思った。
    活字中毒ってすてき。

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著者プロフィール

田尻 久子(たじり・ひさこ):1969年熊本市生まれ。橙書店・オレンジ店主。会社勤めを経て、熊本市内に2001年雑貨と喫茶の店orangeを、2008年橙書店を開店。2016年より渡辺京二の呼びかけで創刊した文芸誌『アルテリ』の責任編集をつとめる。2017年、第39回サントリー地域文化賞受賞。2020年、『橙書店にて』(晶文社)で第41回熊日出版文化賞受賞。著書に『猫はしっぽでしゃべる』(ナナロク社)、『みぎわに立って』(里山社)、『橙が実るまで』(写真・川内倫子、スイッチ・パブリッシング)、『これはわたしの物語 橙書店の本棚から』(西日本新聞社)などがある。

「2023年 『橙書店にて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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