あたしとあなた

著者 :
制作 : AD:名久井 直子 
  • ナナロク社
4.09
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本棚登録 : 727
感想 : 57
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  • Amazon.co.jp ・本 (120ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904292594

作品紹介・あらすじ

世界中の無数のあたしと、世界中の無数のあなたは、どこにもいない。37の書き下ろし詩。特製しおり付、贈る詩集。

感想・レビュー・書評

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  • 上司との折り合いがどうにも悪く、仕事が1番つらかった時に、谷川俊太郎さんの「やわらかいいのち」という詩に救われて、そこから、彼の言葉が大好きになった。

    この詩集と出会えたのも、ほんの偶然。装丁が綺麗で、いつか手に取りたいなと思っていたら、たまたま地元の図書館に置いてあった。
    サイズは思っていたより小さくて、でも、詩集にしては標準的なのかもしれない。手によく馴染む。

    青い紙の上に、たくさんのあたしとあなたがいる。
    あなたは、あたしにとって、どんな存在なのか、想像力を膨らませて、読む。何度も、何度も。
    1番近いようで、1番遠い、あなた。

  • 装幀が素敵でいつまでも触っていたくなってしまう。世界中に存在する無数の〈あたし〉と〈あなた〉の詩。人間関係の最小単位。

  • 書き下ろしの詩集を買ったのは、初めてかもしれません。(いつもは図書館か文庫です)
    とっても贅沢な装丁で、表紙は布地で、本文に使われている紙は、石川製紙さんの抄紙機という紙だそうです。
    薄いブルーの和紙のような紙です。
    谷川さんは工芸品だとおっしゃっています。
    そんな『あたしとあなた』という詩集ですが、中身もとっても素敵な『あたしとあなた』の詩が37篇あります。
    特に好きだった詩は、
    「笑う」
    「前世」
    「夕方」
    「はにかむ」
    「黒板」
    「今」
    「その晩」。
    恋人やご主人、奥様、もちろんお友達にも、プレゼントしたら喜ばれること間違いなしだと思います。

  • 装丁も詩も本当に美しくてはかなくてどこか陰があって、美しい水色の紙に乗る谷川さんの詩がどこまでも「あたし」に寄り添ってくれる気がして本当に本当に美しくて優しい本でした。

    最初「あなた」は大切に思う誰かなのかな?と思ったけど、読み進めていくうちに「あたし」は心の中の自分で、「あなた」は「あたし」の外側、肉体や外界に向けての自分なのか…?とも思ったり。しました。
    あたしは自分の外側のあなたを大事にしたいけど、あなたは世界にすり減らされてどんどん心の中のあたしと離れたり、すれ違ったり、ときどきあなたがあたしに向き合ったり、なのかなーとか。

    どんな見方もできるしその時の私でこの詩集の見方は違うのかもしれないなあ。
    谷川さんもあなたという誰かは特定の人ではないと言ってたし、、、
    ずっと大事にして何度も読みたい1冊。

  • 詩歌づいているので、
    銀座でお茶をしている時に読んで、買った
    美しい装丁で、本文の紙から作ったっていうので、買わずにいられなくなった

  • あたしとあなた。
    不特定のあなたが具体性を持って表れてくる、
    詩の良さとはこういうことだよね

  • 37の書き下ろし詩集。自分の本棚にひっそりと置いておきたいような、大切な人に贈りたいような、静謐で美しい本。装丁、紙、文字の一つひとつまでこだわり抜かれていて、読後はこの一冊がたまらなく愛おしくなっている。谷川俊太郎をしっかり読んだのはこれが初めて。もっとこの人の言葉に触れてみたい。

  • 心に浮かんだ言葉をポツン、ポツン・・と載せていったような詩。ちょっと難しかった。

    もっと五感が研ぎ澄まされていたら言葉を越えたものが理解できるのかも知れないけど「こんなのもオシャレでいいでしょ?」と言った読者への姿勢?を斜に見てしまう、わたし。
    あたしもあなたも誰にでもあてはまるようだけど、どうしても「あたし」=「女」、「あなた」=「男」とみてしまう。

    20代で「愛のパンセ」を手にしてから、尊敬してきた谷川先生だけど初めてこれは本当に天然自然に出てきた言葉なのか、ワザなのかと穿った見方をした。

    自由じゃない自分の狭さは残念な一方で慣れた一流の詩人に猜疑心を向ける。

    装丁と紙が素晴らしく良い。

  •  あたしとあなたがわかれているのはどうしてだろう。

    あたしが自分で、あなたがそれ以外の誰かということなのだろうか。
    結局、この世界は自分中心で自分以外のものは、“あなた”という定義に落ち着いてしまうのだろうか。

    自分が居て、誰かがいる。
    決して、みんなひとつの“あたし”にはなれない。

    でも、だからこそいいのかもしれない。

    “あたし”がいるから、“あたし”を“あたし”として認識できるからこそ、“あなた”がみえてくる。
    そうなってこそ、“あなた”をみることができる。
    “あなた”を知ろうとすることができる。
    “あなた”に話しかけることができる。


     谷川さんの作品は、相も変わらず内容の理解は半分(今回は3割)。
    それにしても、今回は特に装丁が素晴らしい。

    • 大野弘紀さん
      私も持ってます。装丁が素晴らしい。すばらしすぎて、買いました。

      私も持ってます。装丁が素晴らしい。すばらしすぎて、買いました。

      2018/08/10
  • 本当に好きだ。谷川さんの詩も。そして今回はこのデザインも、紙も。すべてが素敵だった。

    「ロマネスク」「当たり前」「微苦笑」かなー。
    特にロマネスクは、ページめくって震えた。

    ていうか、特製しおりが一番好きかもw

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著者プロフィール

1931年東京生まれ。詩人。1952年、21歳のときに詩集『二十億光年の孤独』を刊行。以来、子どもの本、作詞、シナリオ、翻訳など幅広く活躍。主な著書に、『谷川俊太郎詩集』『みみをすます』『ことばあそびうた』「あかちゃんから絵本」シリーズ、訳書に『スイミー』等がある。

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