世界と、いっしょに輝く―エシカルジュエリーブランドHASUNAの仕事
- ナナロク社 (2013年2月13日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784904292372
作品紹介・あらすじ
あなたの選択が、世界を変える。注目の社会起業家が語る愛からはじまるあたらしい時代の働き方。
感想・レビュー・書評
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目的:
自分と背景が似ているため、彼女がどのようにビジネスを通じて変革をもたらしたいと考えるようになったのか、どのように変革をもたらそうとしているのか学ぶため。
要旨:
日本初のエシカルジュエリーブランドであるHASUNAを設立した筆者の設立までの経緯を記した自伝。
感想:
国際開発の分野から、ジュエリーというビジネスを立ち上げたのにはファッション好きだという筆者の原体験が必要だったと記されていた。何事をするにも意義を見出すだけでなく、本当に自分が好きなものに結びつけられると強いと感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
図書館で、ジュエリー関連の棚にあったので借りてみた。
ただどちらかというとジュエリー寄りではなく、著者の留学経験からジュエリーという身近で美しいモノで社会貢献したい、と起業する経緯がメインになっている。
彼女のストーリーをみると、引き寄せの法則のお手本みたいだなーと思う。
最初は小さい頃に聞いた、祖父の戦争と海外の話が彼女を世界へ向けさせたという。
そういった理解者や支援者が周りにいるだけで、世界へ向かうハードルはグッと下がるのかな。
今はインターネットがあるから、良くも悪くも沢山の情報が手に入るけど、実体験した人が直接支援導いてくれるってすごくラッキーなことだと思う。
もちろん留学先で頑張らないといけないのは自分で、授業や生活でものすごーく苦労したんだろうけど、その刺激に慣れると、一時帰国したときには、日本での生活がヌルく物足りなく感じたという。
そのイギリス留学で得た辛い経験と乗り切った自信が彼女の行動をさらに奮い立たせる。
それからも、起業する前に働いた証券会社などで、始発から深夜2時3時まで働いたとか、大変さも伺えるけど、それも夢のための勉強になったと言えるのが彼女のすごいところであり、夢に向かうエネルギーの強さを見せられる。
こういう話を読むと、やっぱり(自分の意思でっていうのが大事だと思うけど)チャレンジする事って成長に欠かせないことなんだなと改めて思う。
こうした信念の下設立されたジュエリーだと思うと、こんな素敵な所から買いたいなと思ってしまう。 -
同じような話が何度か繰り返し出てしまい、あれ?これは何かの連載をまとめただけ?のような印象が強かったのですが、どうなんでしょう。無理にページ数を増やそうとしたのかな。内容は面白い話題なので、通して読んだ時のページ稼ぎ感?がもったいないような…薄い本でも内容は厚いんだから、良かったのになあ。世間的にはそうもいかないのでしょうか。
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注目の社会起業家・白木夏子さんのはじめての著書ということで、興味深々だったが、はたして、非常に興味深い内容だった。
文章や写真もとても美しい。
ただし、正確には、キュレーターの生駒尚美さんに「書いてもらった」本のようだ。どうりで、非常に素晴らしいテキストだが、講演会やブログなどの白木さんの印象とは異なる。
ご本人が後書きで明言しているので、隠しているわけでもなさそうだが、それなら、無理に「著書」の体裁をとる必要があるのだろうか? なんだか、タレントみたい・・・とそれだけが少し気になる。私がシロウトなのだろうか。有名人の本とは、みんなこんなものなのか?
そんな疑問で★をひとつカットしたが、広く読まれるべき良書であることは疑いない。特に就職活動の前に読んでおくと、心構えが違ってきそうだ。 -
表紙やレイアウトが美しい。エシカルジュエリーのために地道に歩んできた彼女の行動力が本当に素晴らしいと思う。
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普通のハードカバーよりも少し小さく、ジュエリーの写真もあって、作品集のような趣き。初めて指輪などを見たけど、美しくってため息。こんなにいろんな人の「大事にしたい」ってい想いを元にして生まれくるものを身に着けていたら、それだけで力になって美しくいられそう。
自分が美しいと思うもの(そもそも美とは?)について考え、ときに言葉にすることは、自分の価値観や生き方を考えるのにすごくいいことだなぁ、とも思いました。 -
エシカルジュエリーのHASUNAを立ち上げた白木夏子さんの略歴とHASUNAのローンチ、そのプロダクトの理念・コンセプトなどが書かれており、本自体がジュエリーのように美しくまとまっています。
文章は論理的というよりも詩的な表現でつづられており、ビジネス書や起業家の本という視点よりも、多くのエシカルジュエリーの作品の写真も載っており、デザインの本のようでもあります。
イギリスで開発学や国連機関でのインターンをした経験や起業家養成の塾での経験がエシカルジュエリーという分野に出会ったことで、開花していった様子が描かれています。
美しいというということは外面や表面の華やかさだけでなく、内面的・倫理的なものに由来するという信念には心打つものがあります。特に過酷な労働やアンフェアな労働環境によって生み出された商品ではなく、安心・安全に生産者や職人の生活の向上につながる形でジュエリーを届けるという姿勢は、便利なi phoneを利用する我々の影で中国では三交代でマシーンのように低賃金で働いている労働者がいたりする話を聞いたりする今日においては新たな価値観を提供してくれているような気がします。
「倫理」というのは今の時代のキーワードになっている気がします。マイケル・サンデルがIs this morally and ethically correct?と問いかけるとき、数字的大小や市場主義への信頼が高くなっている現代において、客観的な数字や結果ではなく、主観的にどのような世界であるべきなのか、何が正しいあり方かを「倫理」から考え直す局面に来ている気がしています。
きっと本書を読んだ方の中には、Harry Winstonでダイヤモンドの指輪をオーダーすることよりも、HASUNAで自分たちだけのオリジナルなストーリーに基づいて作られるオーダーメードのマリッジリングに価値を見出す方が出てくるに違いないだろう、と感じました。 -
美しさの陰で誰かが搾取されることなく、母なる地球を傷つけることもなく、すべてのひとたちと分かち合いたい。
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行動力とビジョンに圧倒される。
ここのジュエリーがほしくなった。 -
エシカルジュエリーの第一人者である白木夏子さんが、HASUNAという会社を立ち上げた経緯、理念とその成果(ジュエリー)を取り上げた一冊。
ジュエリーの原材料である貴金属やカラーストーンは流通ルートがグレーで、実際に原材料を採掘している人たちへの還元が殆ど無い。インドで不可触民族と生活を共にした彼女が感じた憤りが、『関わる人すべてに笑顔をもたらす』というHASUNA設立の原動力になっている。
こうした一企業、一ジャンルの活動は経済的な影響が小さいので、時に『やってて意味あるの?』と思われがち。ただ、社会起業家による事業とは、一企業の営利以上に社会の既成概念に長期的な影響を与えることも一つの大きな目的であることを忘れてはいけない。
エチオピアシープによる上質なバッグを取り扱うandu ametや、HASUNAなど、日本人の社会起業家によってethicalという考え方がやっと拡がり始めた昨今。これから加速度的にこうした考えが浸透していってほしいと思う。