問題解決の全体観 上巻 ハード思考編

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制作 : コンテンツ・ファクトリー 
  • コンテンツ・ファクトリー
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904256022

感想・レビュー・書評

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  • とてもよかった。コンサル出身の会社の先輩が度々絵に書く内容や整理の仕方が分かりやすくまとまっている。一冊の値段は高いが、買っておき度々読み直したい。(ただ、1ページに対する文字数が少ないので上下を一冊にまとめてほしかったという思いはある・・)

  • 良書。問題解決のパターン分け、そして、解決のための2つのパターンをつかって、だれでも問題解決ができるように導くのが本書の目的です。

    冒頭に、「難しいからできないのではない。気づいていないからできないのだ。
    使い慣れていないからできないのだ。」という一文が掲げられています。

    上巻は、「型」と「道具」についての案内となります。

  • 問題解決の本はこの本だけで良いかも。無駄な内容がなく、一行一行にエッセンスが凝縮されている。そして講義を聞いているかのように分かりやすい。
    これだけの良書があまり表に出ていないのが不思議。自分も上司の薦めがなかったら出会えなかっただろう。

  • マッキンゼー 出身の中川氏の著書(下巻の感想も参照)。
    全体観、というだけあって、今まで読んだ問題解決系の本の中で一番「川上から川下まで」カバーしてあるように感じた。
    具体的な内容としては、問題解決を解読・創案・評価・選択の4つに分け(簡易的には空・雨・傘)、各パートにおけるキーポイントを詳説している。
    最近読んだ本との比較で言うと、BCG御立氏の「戦略「脳」を鍛える」は、上記の「創案」にフォーカスした本、照屋華子氏の「ロジカル・シンキング」(本書のref.にもなっている)は、これらのプロセスで得られた「答え」をいかに相手に分かってもらうか、というコミュニケーションに力点を置いた本であると整理・理解している。
    問題解決の本のファーストチョイスとしてとても良いのではないかと思う。

  • 全体観でいつまでも問題に負けない自分を創るための本。技の全体像およびプロセスと技の絡み合いを捉えるもの。空雨傘
    クリシンに通じるすごく本質で重要な要素の詰まった本。さすが。

    メモ
    ・問題解決の共通型
      空雨傘 直面状況、解釈、アクション
      解読、創案、評価、選択

    ⭐︎具体性のある傘を創ること
      迅速化、効率化など便利な言葉でごまかさない。
      5w1hを意識して具体性を追求する

    ・空は一つではない。異なる空が存在する。マクロミクロ、エリア、立場etc

    ・一つの空でも異なる雨が降る 
      アフリカの裸足の話。
    ・同じ雨でも異なる傘が出る
      傘、車、でかけない。。

    ・解読するもの
      データ、人の話、起こっている現象

    ・解読のルール
      問題が不明確な場合は独自に解読を行う
      問題が明確に見える場合はそれでも独自に解読を

    ・解読の3パターン
      視点変更 立ち位置変更、フィルター変更、言い換え(アナロジーなど)
      要因特定 
      グルーピング推理 関連ありそうな問題を組み合わせて別次元の問題として捉え直す

    ・多くの情報収集に走るのは答えを探す癖の人
     解読を工夫するのは答えを創る意識のある人
     まずありものから解読を図ることが重要

    ・解決案のオプション創りは情報収集や分析から必ずしも直接導かれるものではない。ゼロペースで行うもの

    ・創案で臨むべき三つのイメージ
      漏れのない創案構造
      何を?とどうやって?の構造
      or型とand型の構造

    ・評価項目の偏りをなくす
      見えやすい項目と見えにくい項目を等距離でみる
      評価項目を論理的に隙なく固める

    ・優劣の基準を明確にする
      基準点を定める
      目指す方向性を基準にとる

    ・客観性の高い総合評価を工夫する
      単純総和法
      ウェイト付総和法
      条件設定法
      二段階評価法
      ロジカルマトリックス評価法

  • フレームワーク紹介と
    それらを使う上での考え方




    大きな絵を描け。そして間違っていたら、それを消せるような大きな消しゴムを持て
    (マッキンゼー

    227

  • 【星:4.0】
    問題解決についてコンパクトに纏まっていて分かりやすく、頭にも入りやすい。

    上下巻あるうちの上巻であるが、まず問題解決の型を「空・雨・傘」と1つに定義したうえで、型を使いこなす具体的ツールとして「論理ツール(ロジックツリー)」「仮説志向」の2つを説明している。

    このように頭に入れる大枠が3つと絞られており頭に入りやすい。まさに「全体観」である。

  • マッキンゼーの知人の推薦書。マッキンゼー内でのお勧め本でもあるらしい。シンプルながら破壊力ある一冊だ。

    コンサルタント=フレームワークの印象が強いが、本来はこうした頭脳のHow toと徹底したhypothesis verification、そして血肉になるまでのPracticeが彼らの強みだ。

    著書が語る2つの思考型、「空・雨・傘」と「解読・創案・評価・選択」は極めてシンプルながら仮説検証のエッセンスが濃縮されている。逆にこのメソッドで解決できない問題はWhyが足りずまだまだブレークダウンできると考えたほうがいい。

    IT化で単純作業は既にコンピュータが担い、AIやBigdataが普及し予測や判断といった知的作業も人間から離れつつある時代、仮説設定こそ人間が能力を発揮できる創造的分野であり、そのために頭脳の使い方を鍛えることがいま必要だろう。

  • 問題解決が難しいとされるのは取り組み方を知らないをからであるとし、その取り組み方を紹介する本。上下巻の2冊で構成されている。上巻では問題解決の"型"と"道具"、下巻では"思考様式"と"試合運び"を紹介している。

    PartⅠ  問題解決ルーティーン
    「初級編:【空・雨・傘】を唱えよう」では、問題解決の基本的な思考パターンとして【空・雨・傘】を紹介。空は状況、雨は解釈、傘は行動。
    ⇒人間が理解する流れをモデル化しているように感じた。具体性に欠ける傘に価値はないという部分で、禁句として【迅速化する】や【徹底する】が挙げられていた。仕事で使ってしまっているため、【◯月までに◯時間から◯時間に短縮する】など具体性を追求した傘を持つ。

    「中級編:「それ」と「それ以外」で【空・雨・傘】を広げよう」では、【空・雨・傘】は一通りではないとし、より多くの【空】、【雨】、【傘】を創り出すための方法として、「それ」と「それ以外」を紹介。「それ」とはあなたが思いついた【空】であり、「それ以外」とはあなたが思いついた【空】の対極にある【空】である。
    ⇒以下、業務上意識したい部分。
    【空・雨・傘】は一通りではない。「段取り」と「意味合い」の【空・雨・傘】がある。「段取り」とは与えられた仕事をこなすための【空・雨・傘】であり、「意味合い」は与えられた仕事の背景にある意図を汲み、求められているアウトプットを考える【空・雨・傘】である。

    「上級編:【解読・創案・評価・選択】で精度を上げる」では、【空・雨・傘】では良質な解決案を創り出せなかった場合の奥の手として、【解読・創案・評価・選択】を紹介。
    解読は問題の本質理解、創案は解決案の創出、評価は解決案の評価、選択は意思決定である。
    【空・雨・傘】との関係は、解読=空+雨、創案+評価+選択=傘。傘を【創案・評価・選択】の3つに分けているところが特徴であり、ベターな解決案を選択する可能性を上げている。
    ⇒選択には主観が入るという部分に共感。最もベターな問題解決とは、意思決定者からYESを引き出すものなのか?本質とズレているのではないかと感じた。但し、この考えも私の主観なのかもしれない。

    「共通編:危ない「落とし穴」に近寄るべからず」では、君子危うきに近寄らずとして問題解決に潜む落とし穴を紹介。
    ⇒最もレベルの低い問題解決の例として、コインの裏返しを紹介。たとえば、【当社の営業員は他社より50人少ない】という問題の解決案として【営業員を50人増やす】を上げるのは最もレベルが低い。真っ先に思い浮かぶのはいいものの、それをすぐに結論として置くのは思考が浅いと肝に銘じて置く。

    PartⅡ 問題解決ツール
    「論理ツールを使いこなそう」では、問題解決の質とスピードを上げるための14の論理ツールを紹介。
    ⇒先人たちに編み出された論理ツールを暗記し使うことが成長への近道だと思う。使い込み自分のもの、時代に合わせたものにする。

    「仮説志向で進めよう」では、仮説を【現時点で最も確からしい読み・見方】と定義し、問題解決を行う上で立てる重要性を紹介。
    ⇒仮説志向のマインドとして、【大きな絵を描く】、【大きな消しゴムを持つ】ことを紹介している。小さな、誰でも思いつくような仮説に価値はないが、人は易きに流れやすい。仮説志向のマインドを強く意識したい。


    学んで終わりではなく、実践して身につけるところまで進める。

  • タイムラインで話題になっていてすかさず購入。
    「ロジカルシンキング」をより実務に落とし込んで、かつ取っつきやすくした印象の内容でした。
    思考法の良し悪し、適しているケースが明示されていて大変に細やかな配慮もなされているなんとも素敵な一冊。

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