ウイグル人

  • 集広舎
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本棚登録 : 57
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904213841

作品紹介・あらすじ

アジアを駆けた誇り高き男たち、女たちのドラマ
歴史の失われた半分を現代に語り継ぐ一条の光明

ひとりのウイグル人が自らの言語で著し
命を賭して世に送り出した伝説の歴史書が
ついに日本語版で登場

特別寄稿 / ドルクン・エイサ(世界ウイグル会議 総裁)、楊 海英(静岡大学 教授)
解説 / 三浦 小太郎(評論家)

感想・レビュー・書評

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  • 歴史を正しく認識し、民族としてのウイグル人を学ぶためには必読の本だと思う。中国ではすでに発禁とされているウイグル人がウイグル語で書いた正しい歴史書を日本語で読めることに対し、著者、翻訳者、出版社など多くの人が並ならぬ努力と決意のうえにこの本を読むことができることに感謝しつつ、少しでも多くの人が手に取り、多くの人に読まれることを願うばかりである。

  • 大変興味深い

  • ウイグル人をはじめとして、少しでも世界中に広く伝えられるべき本です。

    このウイグルの歴史書は、出版できなくなることを恐れて、急いで出版をしたためにウイグル人の歴史の未完の書です。
    未完で途中でも急いで出版の可能性のあるうちに出版をしないと、ウイグル人に関する本が出版をできなくなってしまい、ウイグル人の先人たちの歴史が抹殺されてしまうためです。
    そしてその恐れの通り、この本はウイグルで発禁になってしまいました。

    この日本語版の本書の冒頭で、出版社より(初版から削除されてしまった部分)で述べられていてる言葉が胸を打ちます。

    「自分の祖先たちが歩いてきた歴史の道を知り、自分の民族の真実の歴史を知ることは、子孫である我々が拒否することのできない義務である」
    さらに本書の訳者あとがきで、訳者の東綾子さんは、そして「義務であると同時に、当然の権利でもある」と付け加えられています。

    いま現在のウイグル人達には、自分達ウイグル人の祖先たちのことを知り、勉強をする事すらも許されてはいません。

    この惨状は日本人にとってもとても他人事ではない現実の大きな問題でしょう。

  •  中央アジアの遊牧民は何々人と切り分けるのが難しいのではないか。さらに、遊牧民は、自分たちの行動範囲(=なわばり)を「国」という括りで認識しているわけではない。それと定住系の漢族が自分たちの国(=支配している)と主張している認識の違いが問題の発端であると感じる。
     「なわばり」は「自分たちが行動できる範囲」だし、一方で、「国」のなかに取り込んだからには「その範囲のなかで「主従」が生ずるのが当然である」と主張する、その認識の違いがこの問題を生んでいる。漢族はがたいが大きく、やはり中央アジア系の血が入っており、遺伝子的には切り分けられないないと思う。
     ウイグル系はイスラム教が主体であるようなので、宗教の違いもこの問題の原因のひとつなのだろうか。

  • 【書誌情報】
    書名:ウイグル人
    著者:トルグン・アルマス
    訳者:東 綾子
    特別寄稿:ドルクン・エイサ(世界ウイグル会議 総裁)
         楊 海英(静岡大学 教授)
    解説:三浦 小太郎(評論家)
    定価:5,000円(本体 4,545円+税)
    判型:A5判/上製本/480ページ
    ISBN:978-4-904213-84-1 C0022
    https://shukousha.com/information/publishing/7757/

    【目次】
    特別寄稿──『ウイグル人』日本語出版に寄せて
    『ウイグル人』再販に寄せて
    出版者より

    本編
     ◆ 第一部 ウイグル・カガン国
      第1章
      第2章
      第3章 ウイグル人がウイグル・カガン国を建てる前の状況
      第4章 ウイグル・カガン国の成立
      第5章 ウイグル・カガン国と唐
      第6章 ウイグル・カガン国とチベット国
      第7章 東部ウイグル人の移住
      第8章 ウイグル・カガン国の経済と文化

     ◆ 第二部 カラハン朝
      第9章 カラハン朝が建国される前の中央アジア
      第10章 カラハン朝の成立
      第11章 サーマーン朝とカラハン朝
      第12章 ガズナ朝とカラハン朝
      第13章 セルジューク朝
      第14章 キタンとカラハン朝
      第15章 カラハン朝の統治形態
      第16章 カラハン朝の文化

     ◆ 第三部 天山ウイグル国
      第17章 天山ウイグル国の誕生
      第18章 カラハン朝と天山ウイグル国
      第19章 天山ウイグル国と北宋の関係
      第20章 天山ウイグル国の西キタンへの服従
      第21章 モンゴルと天山ウイグル国
      第22章 天山ウイグル国の消滅
      第23章 ウイグル人がモンゴル帝国で果たした役割
      第24章 天山ウイグル国時代の経済
      第25章 天山ウイグル国の文化

     ◆ 第四部 甘州ウイグル国
      第26章 甘州ウイグル国の成立
      第27章 甘州ウイグル国の強大化
      第28章 甘州ウイグル国とタングートの戦い
      第29章 甘州ウイグル国の交易

    付録 ── 参考地図
    特別寄稿 ── 「民族自決」を目指す歴史書
    解説 ── 「開かれた歴史、閉じられた歴史』
    訳者あとがき
    索引

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