女、今日も仕事する

著者 :
  • ミシマ社
3.13
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本棚登録 : 230
感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784903908656

作品紹介・あらすじ

「ワークライフバランス」「自己実現」「バリキャリ」…
どれもピンとこない女性たちへ

結婚、就職、転職、出産、育児、クビ、経営、更年期…
「ふつうの女性」が、こうしたすべてを織り重ねて生きていく!

女性が“人間らしく”働きつづける方法を探る、待望の書。

制度では実現できないこと、女性たち自身が変えていくこと、いけること。
どうしたら自分の身体も労りつつ、自分も周りの人も幸せにしながら、いい仕事が長く続けられるのか。
そのためには、何が必要で、何を捨てるべきか。
どんなところをどうやって磨いていくとよいのか。
そんなことを、あらためて考えていけたらと思っています。
――まえがきより

毎日をただ少しずつよりよく歩むことしかない、それが仕事なんだ。
読んだ後頭がスッキリして涼しい気持ちになりました。 ――吉本ばなな

感想・レビュー・書評

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  • 「周囲の人たちと少し違っていたのは、就職する前に結婚していたことでした。(中略)なぜそんなに早く結婚したのかといえば、良い縁に恵まれたというもはもちろんですが、幼い頃から感じてきた生きづらさや寂しさ、もろもろの不安定さから一日も早く抜け出したいと願っていたからだと思います。」

    今の時代もそうですが、おそらくこの時代にも、大学卒業とほぼ同時に結婚というのは、めずらしかったのでしょう。結婚といえば人生の一大事。それをこの年齢で決めてしまうというのはすごいことです。けれども、女が仕事をしていくうえで、結果的にこの選択は正しく働いた、と言えるのではないでしょうか。
    家庭という基盤があってこそ、まっすぐに仕事に向き合うことができたと思います。そうした安定の中で、著者は社会で働くものとしての経験を確実に身につけていった。もちろん、様々な葛藤もあったと思います。妊娠・出産・子育てをする中で、それまでのキャリアをリセットしなければならなかったり。
    仕事をやめたからといって、何も残らないわけじゃない。家族がいて、守るべき家庭があって、そのことがまた自分を守ってくれる。揺るぎない信頼関係が安心感を与えてくれる。それまでの仕事経験の中でも確実に何かを得たという実感があったはず。それもまた自分自身の基盤になっていったと思う。だからこそ、ここぞというときに決断することができる。そして「また働きたい、働こう!」と思った時に、こだわりなく、まったく知らない別の世界にも飛び込んでいけたのではないでしょうか。

    「決める」ではなく「決まる」と言う著者。たしかに、なにがなんでも自分の意思や欲求を貫く、という感じではないようです。結構状況まかせというか、まわりに流されているようにも見えます。でもある意味、思い切りがいいというか、決断力があるというか。やはり、私生活にしても、仕事にしても、パートナーと良い信頼関係を築けていることが彼女の強みだったのではないでしょうか。相手を信頼しているからこそ任せることができる。
    そして、著者は迷いの中で立ち止まってしまうということがない。ゆだねてみる、流されてみる、というのは、それはそれで「決断」であって、しかもなかなか簡単にくだせる決断ではないと思うのです。著者の持つ「前に進む力」はすごいなと思います。何かを無理矢理変えてでも推し進めるという男性的な力ではなくて、自分をとりまく空気を敏感に感じとり、いろんな波に乗りながら、新しいものを生み出し、進んで行く。
    ただ、この本にあるのは、誰でも真似できる仕事術ではない。やはり著者のもつ素質や環境が大きく作用していると思うので。それでも勇気を与えてくれるものではあるし、「働くこと=生きること」という真面目な姿勢は、同じ「仕事する女」として、参考になります。

  • 共感する部分がいくつもありました。
    ミシマ社さんの本は、おもしろいです。

  • 会社員から経営者に変わったときの思考の変化について。✍一般論ではないことをし続ける、データではなく感じた方向に行ってみる、右肩上がりを目指すのではなく正しく価値を届ける。

  • 前半では、女はやはりサポート的立場か、と思ったけど、後半で分かった。自分を作ってきた経験を生かした仕事のやり方を、私達が見つけていくんだってことだ。仕事と生活、人生は繋がってるからなぁ。

  • 2020.1.4
    出産したら共感することも増えるかと思っていましたが、そこまで。いまの40代前後の方はこうだったのだろうなと想像できます。わたしは職場も家庭も、環境に恵まれているのだと思いました。

  • ビジネス

  • 帯に惹かれて買ったのだがどうにも合わなかった。
    共感もなるほどもふーんも持てず。
    世代も遠くないのに何故だろう?
    アンテプリマの創業者の話をみて、気に入っていたブランドに興味をもてなくなった時と似た感覚。

  • 最初読み始めたときは、「仕事で成功した女性の自信たっぷりの話」なんじゃないかと思っていました。でも、パラパラとページをめくったときに、あ、これ読みたい!と直感で思ったので、何か自分が好ましく思うものがあったのかもしれません。
    とにかく働くことが大好きな女性。
    エンジニアをしたり、能力も技術もあって、エネルギッシュだなと思いつつ、なぜか人間臭くて不器用で、ジタバタしながらも決して前進することを諦めない。
    家庭と仕事の両立や出産で1度現場を離れた女性が元の職場に戻るには、日本はあまりにハードワークな国。
    働きたくても、能力があっても、環境が整っていない現場の声を聞けました。
    それでも、面白いことをしようとチャレンジし、ピンチを乗り越えていく時の主軸となってるものが、私と少し似ているなと思いました。
    常に同時進行で色んなことを色んな角度から考えながら、時に放置しておいたり、でもタイミングをキャッチする、時を待つという考え方にすごく共感してしまって、私の仕事なんて足元にも及ばないけど、きっとこれだー!と思ったものに向かっていくと、すぐに形にならなくても、いつかどこかで繋がるんだなぁって。私の感覚をもっと信じてあげていいんだ!と思えました。

    著者が渡辺和子さんとお会いしたところで、「何に価値を置くか、価値観の転換なのです」という言葉が腑に落ちて、きっとそれが自分の人生の信念になるんじゃないかと思います。

    今50歳前後と思われる著者。
    人生の先輩の声が聞けて、私は私の生きてきた道で間違ってなかったと確信できました。

    ミシマ社さん、このような本を出版してくださってありがとうございます。

  • 黄色い表紙に手書きの文字、に目が止まって手に取った。
    しっかり働いて来た先輩の楽しいおしゃべり、という感じ。

    「おはようございます」に続けて「今日も一日よろしくお願いします」と言うことで職場の環境を少しずつよくしていこう、と書かれていて、いつもうちの職場では朝会の締めにこの「今日も一日よろしくお願いします」と言うセリフが出てくるのに、いい環境っぽくないのはなぜかしらと考えてしまった。うちの場合は上司から「頼まれてる」感じがしてるかも。ニュアンスが全然違う、ヘンだ(笑)

  • 著者の仕事があやしい健康食品会社ということを除けば、気持ちのよいビジネス心構えの本。

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著者プロフィール

㈱シナジーカンパニージャパン最高経営責任者。同社の創業メンバーの一人。オーガニックハーブ製品の開発者であり、企画プロデューサーでもある。1967年、埼玉県生まれ。学習院大学文学部心理学科卒。大学卒業後、システムエンジニアとして大手金融会社のシステム開発などに携わった後、出産、子育てのため家庭に入る。その後、在宅での商品開発やバイヤー職など、あらたなキャリアを積み重ねる。大学生の息子が一人。

「2015年 『女、今日も仕事する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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