- Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
- / ISBN・EAN: 9784903097626
感想・レビュー・書評
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まずは本の見た目とタイトルに惹かれて手に取った本、
本の厚さ、手触り、形、タイトルの飾り気のなさ、色合い、全てが好みだったので思わず開いて読んでみると、
無印を作った人の世界観や思考がある意味記録のように、日々を送る様に綴られていました
無印というあまりないシンプルな美しさを追求したブランドを、どうゆう考えの持ち主が、何を思って、何を感じて過ごしてきて、どうゆう価値観感性のもとに、そのモノを作り上げてきたのかを手にとるように感じました。
あくまでこれはひとつの、ひとりの人が導き出した正解なんだけど、自分が選んだものをここまで追求出来る人は素直に尊敬しますし、何より自分の「いい」と思ったものに繊細に反応する著者のような感覚を今後デザインを学んでいく上で磨いていきたいと思いました。
ノイズの多い世の中で、余分のない、飾り気のない、「ふつう」なものを生み出す人、その概念を発信できる人はとても貴重な存在で、月並みですがとてもお勉強になりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「ふつう」について考えてみることは、自分がどのように生きていきたいのかを考えることに通じると思った。これは作り手・使い手に依らず、「ふつう」というレンズを通じて、自分を見つめることになると思う。そのような温かさを感じられるエッセイでした。本の装丁も心地よい肌触りでした。
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「ふつう」を極めたデザイナーによる「ふつう」をテーマにした連載をまとめた本。デザインというと特別なものをつくることをイメージしがちだけど、ふつう、ってものすごく大事なキーワードらしい。
私には「ふつうコンプレックス」がある。面白くないし、地味だし、斬新なアイデアも浮かばない。でも、そんな私だからこそ「いいふつう」をつくり上げられるようになりたいな、と思えた一冊だった。がんばるぞ!
【読んだ目的・理由】「ふつう」というタイトルが気になったから/美術手帖で紹介されていたから
【入手経路】買った
【詳細評価】☆4.0
【一番好きな表現】これからデザインをやっていこうという若い人だったら、やり過ぎだなとか、やらな過ぎだなということを常に考える。ぴったり真ん中だとわからなくなるので、あえて過激なものをつくってみるとか、そうやって自分で揺れをつくる。そういう経験を積むことで、ふつうが見えてくるようになる。(本文から引用) -
ふつうをデザインすることは、その分野の原型を創ることなのか?そんな問いを胸に読み進めた。デザインという強い意志や作為がないさりげなさ、見た目の良さもありつつ使いやすい、安心する感じ。それが長く続くスタンダードになっていく。
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ひたすら「ふつう」とは何かをデザイナー視点で考えたエッセイ集。無印良品をはじめとして飽きないデザインを生み出し続ける原点に触れることかできる一冊。
「少しだけ、ゆっくり」の章は刺さる人も多いのでは?
ゆっくりと、じっくりと生きている人を、私は尊敬する。そういう人の前では自分が、がつがつして見える。私は能率や効率がわるいから、仕事が速いわけではない。仕事はいっぱいあるが、いくつものことを同時にはできないから、私はいつも焦る。焦る気持ちをスローにする時間を、日々の中に見つけるといいと思う。ちょっといい景色を見たら、ほんの少し立ち止まる。美しいものを見たら、少しの間目をつぶってそれを咀嚼する。電車で服飾のセンスがいい人の前に立つ。仕事中、少しぼーっとする。行き帰りに空や木を見上げる。 -
ふつうの難しさ
"デザインは一般的にどこかが破綻してたり、なんらかの理由でデザイナーが妥協したりするものでした。それが違和感として受け手には伝わるのです。" -
youtuberさんより
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"多摩美術大学教授、±0&無印良品デザイナーなど、プロダクトデザイナーの深澤直人氏が、モノのデザインから街並み、犬、景色、富士そばに至るまで、多種多様な着眼点から語った“ふつう”。
不確実性のあるコロナ禍で、誰しもが確かな価値軸を求め始めている今こそ、「ふつう」について考え、そこから生活の価値を整理し、新しいものを作り出す指針を探らないといけません。
研究に疲れた時に、息抜きとして深澤さんの視点でもある「ふつう」を、思考の中に取り入れながら、デザインの普遍的な魅力を味わって行きましょう。"
(社会・人間科学コース M2) -
「ふつう」を超える「ふつう」
アフォーダンスとふつう
古びるものを
いい感じ
ふつうが好きになった
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やっと読み終えることができて良くも悪くもため息が出た。
連載を書籍化したものなので1つが短くて読みやすいけれど、"ふつう"とは何なのかずっと向き合っていなければならない感覚になって1日1つしか進められなかった。たぶん自分の性格もかなり影響しているので、普通に読めばまったく重くないしすらすら読めるものだと思う。
読みながら、深澤直人さんの文章は正直好きではないなと思ったり疑問を感じる箇所もあったのと、文章自体もふつうすぎて戸惑った。
だけどその中にハッとすることが書いてあるものがあって、たまにノートに書き写した。
コロナ禍で発売されて話題になっていたようで父に購入を頼まれ、読了した父から、ふつうだけどまぁ読んでみろしと言われた本。
読んでよかったとは思っている。
でも自分の本棚からいなくなってくれることを嬉しくも思っている。
もう少し歳をとって40代50代になったら感じ方も変わるのだろうか