ふつう (d BOOKS)

著者 :
  • D&DEPARTMENT PROJECT
4.05
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本棚登録 : 422
感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784903097626

感想・レビュー・書評

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  • まずは本の見た目とタイトルに惹かれて手に取った本、

    本の厚さ、手触り、形、タイトルの飾り気のなさ、色合い、全てが好みだったので思わず開いて読んでみると、
    無印を作った人の世界観や思考がある意味記録のように、日々を送る様に綴られていました

    無印というあまりないシンプルな美しさを追求したブランドを、どうゆう考えの持ち主が、何を思って、何を感じて過ごしてきて、どうゆう価値観感性のもとに、そのモノを作り上げてきたのかを手にとるように感じました。

    あくまでこれはひとつの、ひとりの人が導き出した正解なんだけど、自分が選んだものをここまで追求出来る人は素直に尊敬しますし、何より自分の「いい」と思ったものに繊細に反応する著者のような感覚を今後デザインを学んでいく上で磨いていきたいと思いました。

    ノイズの多い世の中で、余分のない、飾り気のない、「ふつう」なものを生み出す人、その概念を発信できる人はとても貴重な存在で、月並みですがとてもお勉強になりました。

  • 「ふつう」について考えてみることは、自分がどのように生きていきたいのかを考えることに通じると思った。これは作り手・使い手に依らず、「ふつう」というレンズを通じて、自分を見つめることになると思う。そのような温かさを感じられるエッセイでした。本の装丁も心地よい肌触りでした。

  • 「ふつう」を極めたデザイナーによる「ふつう」をテーマにした連載をまとめた本。デザインというと特別なものをつくることをイメージしがちだけど、ふつう、ってものすごく大事なキーワードらしい。
    私には「ふつうコンプレックス」がある。面白くないし、地味だし、斬新なアイデアも浮かばない。でも、そんな私だからこそ「いいふつう」をつくり上げられるようになりたいな、と思えた一冊だった。がんばるぞ!

    【読んだ目的・理由】「ふつう」というタイトルが気になったから/美術手帖で紹介されていたから
    【入手経路】買った
    【詳細評価】☆4.0
    【一番好きな表現】これからデザインをやっていこうという若い人だったら、やり過ぎだなとか、やらな過ぎだなということを常に考える。ぴったり真ん中だとわからなくなるので、あえて過激なものをつくってみるとか、そうやって自分で揺れをつくる。そういう経験を積むことで、ふつうが見えてくるようになる。(本文から引用)

  • ふつうをデザインすることは、その分野の原型を創ることなのか?そんな問いを胸に読み進めた。デザインという強い意志や作為がないさりげなさ、見た目の良さもありつつ使いやすい、安心する感じ。それが長く続くスタンダードになっていく。

  • ひたすら「ふつう」とは何かをデザイナー視点で考えたエッセイ集。無印良品をはじめとして飽きないデザインを生み出し続ける原点に触れることかできる一冊。

    「少しだけ、ゆっくり」の章は刺さる人も多いのでは?

    ゆっくりと、じっくりと生きている人を、私は尊敬する。そういう人の前では自分が、がつがつして見える。私は能率や効率がわるいから、仕事が速いわけではない。仕事はいっぱいあるが、いくつものことを同時にはできないから、私はいつも焦る。焦る気持ちをスローにする時間を、日々の中に見つけるといいと思う。ちょっといい景色を見たら、ほんの少し立ち止まる。美しいものを見たら、少しの間目をつぶってそれを咀嚼する。電車で服飾のセンスがいい人の前に立つ。仕事中、少しぼーっとする。行き帰りに空や木を見上げる。

  • ふつうの難しさ
    "デザインは一般的にどこかが破綻してたり、なんらかの理由でデザイナーが妥協したりするものでした。それが違和感として受け手には伝わるのです。"

  • youtuberさんより

  • "多摩美術大学教授、±0&無印良品デザイナーなど、プロダクトデザイナーの深澤直人氏が、モノのデザインから街並み、犬、景色、富士そばに至るまで、多種多様な着眼点から語った“ふつう”。
    不確実性のあるコロナ禍で、誰しもが確かな価値軸を求め始めている今こそ、「ふつう」について考え、そこから生活の価値を整理し、新しいものを作り出す指針を探らないといけません。
    研究に疲れた時に、息抜きとして深澤さんの視点でもある「ふつう」を、思考の中に取り入れながら、デザインの普遍的な魅力を味わって行きましょう。"
    (社会・人間科学コース M2)

  • 「ふつう」を超える「ふつう」
    アフォーダンスとふつう
    古びるものを
    いい感じ

    ふつうが好きになった

  •  やっと読み終えることができて良くも悪くもため息が出た。
     連載を書籍化したものなので1つが短くて読みやすいけれど、"ふつう"とは何なのかずっと向き合っていなければならない感覚になって1日1つしか進められなかった。たぶん自分の性格もかなり影響しているので、普通に読めばまったく重くないしすらすら読めるものだと思う。
     読みながら、深澤直人さんの文章は正直好きではないなと思ったり疑問を感じる箇所もあったのと、文章自体もふつうすぎて戸惑った。
     だけどその中にハッとすることが書いてあるものがあって、たまにノートに書き写した。

     コロナ禍で発売されて話題になっていたようで父に購入を頼まれ、読了した父から、ふつうだけどまぁ読んでみろしと言われた本。

     読んでよかったとは思っている。
    でも自分の本棚からいなくなってくれることを嬉しくも思っている。
    もう少し歳をとって40代50代になったら感じ方も変わるのだろうか

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著者プロフィール

1956年 山梨県生まれ
1980年 多摩美術大学プロダクトデザイン科卒
1989年 渡米、IDEO入社
1996年 帰国、IDEO東京支社長
2003年 NAOTO FUKASAWA DESIGN設立

卓越した造形美とシンプルに徹したデザインで、イタリア、フランス、ドイツ、スイス、北欧、アジアなど世界を代表するブランドのデザインや、日本国内の企業のデザインやコンサルティングを多数手がける。電子情報機器から家具・インテリアに至るまで手がけるデザインの領域は幅広く多岐に渡る。

「行為に相即するデザイン」「意識の中心」「ふつう」「輪郭」「典型」など、自らのデザイン哲学をこれらの言葉で表すとともにデザインの具体を通してその実践を続ける。デザインのみならず、デザインを通して対象の本質にせまる力、その思想や表現などには国や領域を超えて高い評価を得ている。

人間の意識していないときの行動の中にデザインのきっかけがあることを見い出し、それを「Without Thought(思わず)」と名付けた。1999年からはその名を使ったデザインワークショップを毎年開催し、書籍とともに発表を続けている。

米国IDEA金賞、ドイツiF design award金賞、日本グッドデザイン賞金賞、英国D&AD金賞、ドイツred dot deign award、毎日デザイン賞、織部賞など受賞多数。「MUJI」壁掛け式CDプレーヤー、「±0」加湿器、「au/KDDI」INFOBAR、neonはN.Y.MOMA所蔵品となる。2007年ロイヤルデザイナー・フォー・インダストリー(英国王室芸術協会)の称号を授与される。フランス国立セーブル製陶所招待作家。

21_21Design Sightディレクター。良品計画デザインアドバイザリーボード。マルニ木工アートディレクター。2010年〜2014年グッドデザイン審査委員長。
2012年Braun Prize審査委員。日経優秀製品・サービス賞審査委員。毎日デザイン賞選考委員。
多摩美術大学統合デザイン学科教授。2006年Jasper Morrisonと共に「Super Normal」設立。2012年7月より日本民藝館五代目館長。

著書には「デザインの輪郭」(TOTO出版)、共著書「デザインの生態学-新しいデザインの教科書」(東京書籍)、共著書「デザインの原型」(六耀社)、作品集「NAOTO FUKASAWA」(Phaidon)がある。2008年には「THE OUTLINE 見えていない輪郭」写真家、藤井保氏との展覧会を開催、同タイトル書籍を出版(アシェット婦人画報社)。

「2017年 『AMBIENT』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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