- Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
- / ISBN・EAN: 9784901679145
感想・レビュー・書評
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ブッダの実践心理学の最初の巻である。
この本のシリーズは、物質の分析、心の分析、心所(感情)の分析、心の生滅、カルマ、縁起、瞑想方法2巻の計8巻からなる。
仏教には凄まじい量の経典があるが、これは仏教が大乗仏教、上座部仏教に別れる以前の原始仏典の一部である。
原始仏典は大きく3経と呼ばれるものがあり、
1、僧として守るべき規律をまとめている律蔵
2、お釈迦様の話や弟子などの話が書いてある経蔵
3、心、カルマなど理論をまとめている論蔵
があり、この3番目の論蔵のことをアビダンマという。
このアビダンマをわかりやすく解説した本をブッダゴーサ長老という方が書き、その本をアビダンマッタサンガハという。
この、ブッダの実践心理学で語られているアルボムッレスマナサーラ長老はそのアビダンマッタサンガハを主としてこの本で解説してくれる。
それゆえ、仏教でよく聞くありがたいお話や人生訓ではなく、どのように心が生じ、その心の働きはなんであり、カルマがどう生じ、それがどのように自分にとって影響が起きてくるものなのかを説明するシリーズだと捉えてくれて問題はないと思う。
この一巻はその中でも物質とは何であり、物質の要素は4つしかなく、土、火、水、風であると説明する。
そして、その物質が発生する原因として、カルマ、心、科学的法則、食という要素がある。
心とは認識する機能であり、心所はそれによってわく感情である。
さまざまな見えない心の部分を論理的に説明する痛快な本なので是非仏教に興味がない方にもおすすめしたい。
特に、心理学というと、テクニック的な部分を感じるが題名はブッダの実践心学みたいに捉えれば尚良いと思う。
見えない心や感情によって捉えられないものにより振り回される人生。
納得いかない人生に対して、成功者のものの見方を学ぼうとして、自己啓発、哲学、宗教に答えを求める人々。
そういう根本的な問いに対して痛快な論理で説明する仏教は宗教とは一線を画すものだ。
この本を読み、釈迦は科学者に近いというイメージを持つ契機になった。知的な現代人に今なお響く激烈な妙薬をぜひお試しあれ。
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読んだのが平成25年6月頃とすでに一年近く前なので内容の細かい部分は忘れてしまいましたが、
読んだときの一番の印象は「ああそうか、モノに執着するのってばかばかしいなあ」。
実際にモノへの執着は相当なくなったと思います。
モノがあるんじゃなくて、ただ私たちがその性質を感じているだけだというのは最初は理解できなかったです。
この本に限らず、「ブッダの実践心理学」シリーズは瞑想につまづいたときに助けになる本だと思います。 -
面白いのだけど、わざわざポピュラーサイエンス的な物理学などの話と同じだというような関連づけはなくてもよいと思った。
科学の話をされるとかえって分からなくなる。 -
22/11/9 70
後で観察することが肝心
私たちは目耳鼻舌身に徹底的に依存していて、その情報が無くなったら心配、不安になる、殺されるように怖くなるということです。だから、人に恐怖感を作ってあげることは、いとも簡単です。ものが見えないようにする、音が聞こえないようにする、それだけでとても怖くなるのです。
いつも「今日こそやります」という気持ちで取り組まなくてはいけません。