カルパチアの城 ヴィルヘルム・シュトーリッツの秘密 (ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクション)

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  • Amazon.co.jp ・本 (388ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784900997752

作品紹介・あらすじ

新訳完訳「ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクション」第三回配本。

元祖ヴァーチャルアイドルと見えない花嫁……。本巻では、東欧を舞台にしたゴシック小説的幻想味あふれる後期の傑作二篇を収録。「カルパチアの城」はブラム・ストーカーの「ドラキュラ」に先立つこと五年、吸血鬼伝説の本場トランシルヴァニアを舞台に推敲を重ねた自信作。ホフマン、ポーやルルーの「オペラ座の怪人」などを好む方々には特におすすめの完訳版。レオン・ブネットの挿画40枚収録。

「ヴィルヘルム・シュトーリッツの秘密」は、H・G・ウェルズ「透明人間」の向こうを張ってヴェルヌが書いた透明人間もの。本作は息子のミシェル・ヴェルヌが書き換えた版(未訳)が長く読まれてきたが、今回がジュール・ヴェルヌのオリジナル版本邦初訳となる。唖然呆然の最終章のみ、ミシェル・ヴェルヌ版を併録した。
二作ともに、不在の女性への狂恋が物語を貫いており、美しきヴォーカロイドとも言うべきラ・スティラを追い求める二人の男(「カルパチアの城」)、完璧な令嬢ミラへの倒錯的愛に身を捧げるヴィルヘルム・シュトーリッツの、身の毛もよだつ透明人間ストーカーなど、さまざまな意味で現在に直結する「〈独身者機械〉小説」(新島進)であり、ヴェルヌの最も21世紀的な小説。面白さ抜群の二篇を練り上げられた訳文と詳細な註を付して贈る。

感想・レビュー・書評

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  •  この作品はヴェルヌ後期の作品で、ヴェルヌ作品の中でも異色作と言われています。
     通の人は高く評価する傾向があるように思います。
     私は小学生時代、ヴェルヌの『十五少年漂流記』(金子博訳:旺文社文庫)を読んだことあります。
     これは縮約版でしたが、充実した解説が収録されていました。
     解説者の金子節が独特で面白かった。
     曰く、ヴェルヌの文体は難があって本国でもダイジェスト版で読まれることが多い、だから本書も完訳ではなくダイジェスト版を底本とした縮約である、とか。
     旺文社文庫は詳しい解説を付けるのを特長としているので本書も解説を充実させた、とか。
     この金子博さんの解説はヴェルヌファン必読です。
     私はこの解説が強烈に印象に残ったので、ヴェルヌの翻訳と研究といえば金子博だというイメージがありました。
     金子博さんのヴェルヌの翻訳は他に旺文社文庫『地底旅行』と集英社ヴェルヌ全集版『アドリア海の復讐』があります。他の訳者さんに比べるとあまり多くない印象です。
     検索してもあまり出てきません。一体どんな方だったのでしょうか。
     その金子さんの解説の中に「代表作品解題」という項があり、ヴェルヌの他の代表作が紹介されていました。
     その中で『カルパチアの城』がべた褒めされており、これは私もいずれは読まなくてはならない、と決意したものです。
     その後私は精神を病んで本も読めない状態となり、長い間読書から遠ざかることになる。
     人生も終盤にさしかかろうという最近になってようやく本が読めるようになってきました。
     そして今回ついに『カルパチアの城』を読むことができ、あの時の決意を果たすことができたのです。
      https://sfklubo.net/carpathes/
      https://sfkid.seesaa.net/article/480393864.html

  • 【書評】ヴェルヌ『カルパチアの城 ヴィルヘルム・シュトーリッツの秘密』 [評者]牧眞司 | 書評 | web ふらんす
    https://webfrance.hakusuisha.co.jp/posts/1642

    堀江栞 | SHIORI HORIE website
    https://www.shiorihorie.com/

    ジュール・ヴェルヌ 〈驚異の旅〉コレクション  全五巻 | INSCRIPT
    https://inscript.co.jp/verne

    『カルパチアの城 ヴィルヘルム・シュトーリッツの秘密』 ジュール・ヴェルヌ 著、新島進 訳 | INSCRIPT
    https://inscript.co.jp/b2/978-4-900997-72-5

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著者プロフィール

Jules Verne, 1828 - 1905.
フランスの小説家。
『海底二万海里』『月世界旅行』『八十日間世界一周』
『神秘の島』『十五少年漂流記』など、
冒険小説、SF小説で知られ、SFの父とも呼ばれる。

「2016年 『名を捨てた家族』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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