ホエール・トーク

  • ネオテリック
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784899980506

感想・レビュー・書評

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  • 薬物依存の親に育児放棄され、黒人で日系でもあるが、運動能力が抜群に優れている少年が主人公。
    彼を中心としたはみ出しものたちが、力を持つ人たちに立ち向かってゆく話。
    ヤングアダルト向けだと思われるが、字が小さく本の厚さの割に分量が多い。当然読むのに時間がかかり、受け入れられにくそう。とは言え一般向けという内容でもなく、適切な読者が思い浮かばない。
    やたらと饒舌な台詞回しや地の文はだんだんと読むのにうんざりしてくる。

  • 良かったです。黒人差別というのはやっぱり根強いものなのだなと。最後、主人公の父親がよその子をかばって銃弾を浴びて亡くなってしまうシーンは、序盤主人公が小鹿を銃弾から守れなかったシーンとの対比のようで。


  • 赤ん坊の頃ジャンキーの母親に捨てられ、裕福な白人家庭の養子となった有色人種のT・J。
    キャリアウーマンのお母さんと、なりはヒッピーだけど世のため人のためを常に考えて生きている強くて優しいお父さんと幸せにやってる。

    文武両道なんでもこなす高校生T・Jだけど、どこかに属すのは大嫌い。そんな彼が、ある目的のために寄せ集めの水泳チームで大会記録を目指すことに。

    物語のメインテーマである、でこぼこ水泳チームの躍進劇のほかに、彼の周りで起こる様々な事件や出来事も濃密に描かれている。
    主役の高校生たちも愛すべきキャラクター揃いなのに加え、周りの大人が最高なの!

    ラストは声を上げて泣いてしまった。

    読了したのは昨春。2019上半期わたしのベスト1でした。残念ながら絶版なので、図書館か古本でどうぞ。

  • これは一気読みでした!

    有色人種のスーパーマン、T・Jは、白人至上主義の体育会系スポーツバカに打ち勝って、学校の選りすぐりアスリートの証であるスタジャンを、脳障害のあるクリスに与えてやりたかった。そこから集めた水泳チームは、言わば学校ではのけ者的存在な仲間たち。
    スポーツ苦手な私でも、もう彼らが大好きになってしまった!

    人種差別、DV、児童虐待、過去に抱えた心の傷といくつもいくつも問題を抱えながらも、なんとも優しく向き合いながら、痛快で、素晴らしくリズミカルに進んでいくストーリー。
    すごくかっこいい翻訳✨

    金原瑞人さんの訳者あとがきに、『豚の死なない日』に並んで、読み終えた後一言も声がでないくらい心揺さぶられる小説、圧倒的な力を持つYA作品と、書いている。

    今朝、喫茶店でクライマックスにたどり着いてしまい、あ、これはラストで泣くなと思い、途中で本を閉じてきて正解だった。。 やはり優れたYA文学、児童文学には、ステキな大人たちがちゃんといるのよー。あー。

    やり切れないところはたくさんだけど皮肉屋なT・Jにもみんなにも幸せになって欲しい。
    これ、若い子たちに勧めたーい!

  • 人種問題と、突き進む力、青春のお話し。

  • 主人公のT・Jは高校で、スポーツ成績優秀者に与えられるスタジャンを勝ち取るため、水泳チームを結成します。しかし集まったのは、運動とは縁がなさそうな7人のメンバー。そればかりか、彼らにはそれぞれに抱えている問題が・・・。スタジャンをとるために一致団結して、問題に対しても立ち向かって行く。今を必死に生きている人間の姿に心動かされる物語です。

  • も~~面白かった
    YAがメッチャ好き!!
    もやもやしたままかも・・・と思っていたら、なんと爽やかな終わりでしょう

  • 95点。これはぜひ映画化して欲しい。前半と後半で別の盛り上がりがある。(つづきはまた今度)

  • なんで読もうと思ったのか解らない。
    小説は基本 自分に禁じてるし(実生活がオロソカになる)
    分類はヤングアダルト。
    アラフォーの私が読む本じゃない…はず。

    書き出しで主人公が『黒人と日系と白人の混血』とあった、
    そこが引っかかっちゃったんだろう…。

    自分のアイデンテティに関わる問題でもあるので、そこのツボを付かれると弱い。

    でも、読んで良かった。
    一気読み。
    映画化しても良さそうな…。
    ストーリーとか、あらすじを説明したらアメリカ映画っぽいのに、
    浅くない。

    圧倒的な存在感のある本だった。

  • 2004年出版の本だが、児童虐待の描写を読むと、今の日本で読まれるべき内容だと感じた。
    子ども達をとりまく環境は、手加減無くヒドイが、全くセンチメンタルにならず、いわゆる青春物のようにきれいごとでなく、物語が進んでいく。
    差別やいじめは現にある。
    あるなかで、現状を受け止めて、次の手を打つ、その姿勢が良かった。
    読む力が少し必要な本だが、こういう本こそ、子ども達に薦めていかなくてはと、思えた一冊だった。

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