- Amazon.co.jp ・本 (522ページ)
- / ISBN・EAN: 9784898303016
感想・レビュー・書評
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2000年に刊行された同名タイトルの単行本に未収録エッセイ、スナップ、出演映画作品の資料を追加、収録しての文庫版。
インタビューでの新劇出身でありながら、自分は円谷(プロ)育ちと語るところなんて特撮ファンとしては思わずニヤリとしてしまう。
回想録では誰も彼の事を悪くは言わない。(飲酒については別として)
皆、岸田森を愛していたんだなというのが伝わってくる。(個人的には水谷豊の回想が印象深い)
岸田森というと殆どの人(ファン)は「怪奇大作戦」(牧 史郎)、「帰ってきたウルトラマン」(坂田健)、「ファイヤーマン」(水島三郎)、「傷だらけの天使」(辰巳五郎)、「シルバー仮面ジャイアント」(津山博士)、「血を吸うシリーズ」(ドラキュラ)、「太陽戦隊サンバルカン」(嵐山長官)、マニアックなところだと「斬り抜ける」(森伝八郎)、「あいつと俺」(花形)、「ピーマン白書」(幸田睨)、「特捜最前線」(桜井刑事の兄 桜井道夫)辺りを(他にも色々とあるだろうが)思い浮かべると思う。
勿論、自分もそうなのだけどそれ以外に岸田森といえばどうしても忘れられない作品が2作ある。
1つは「木の葉の家」。
子供の頃、土曜の昼に放送していたのを1回観ただけなので詳細等殆ど覚えていないのだが岸田森は星 由里子演じる口のきけないヒロインが嫁いだ先の義兄か義弟の役で星 由里子をいびるのだが、そのやり方が陰湿極まりないのだ。
林の中を歩く由里子の前に突然表れた森はなんと!側にいた青ガエルの皮を剥くのだ‼(それも無表情で! ギャ~‼)
そして その青ガエルを木の葉の上に乗せる森。
画面に映し出される皮を剥かれた青ガエル。(ギニャ~‼)
怖れおののく由里子。
テレビを観ていた自分も怖れおののく。
最後まで放送を観たのかチャンネルを変えたのかその後の事は覚えていない。
当然、次の週からの放送も観ていない。
それほど岸田森の演技(と青ガエル)の凄さというか不気味さに当てられてしまったのだ。
もう1つは「わが兄はホトトギス」。
ドラマの細部は殆ど覚えていない。
だが、ドラマ故に誇張・脚色されているのは当然とは言え きっと本物もこんな人物だったんだろうなと思わせる程 岸田森の演じた正岡子規がすごく印象に残っている。(因みにこのドラマで正岡子規を知った)
どちらも未ソフト化(ソフト化切望!)で1回しか観ていないのだが、というより1回しか観ていないからこそ自分の記憶に残っていると言える。
今も、ドラマ、映画、舞台と多くの俳優達が活躍している。
だが、岸田森の様に子供向けから大人向け(それこそポルノまで)と仕事を選ぶ事なく(たったワンシーンでも)手を抜かずに役を演じる俳優が何人いるだろうか?
だからこそ、岸田森の存在(と演じたキャラクター)は心に残り 忘れられない……イヤ、忘れる事など出来ないのだ。 -
私の中では帰ってきたウルトラマンに出てた人…である。
「岸田森 夭逝の天才俳優・全記録 」という本に「木の葉の家」全話のストーリー紹介が載っています。
ですが、す...
「岸田森 夭逝の天才俳優・全記録 」という本に「木の葉の家」全話のストーリー紹介が載っています。
ですが、すでに絶版でAmazonでも中古最安値で¥10046でした。
もし、町の古書店で手頃な値段で売っているのを見つけたらすぐに買う事をお勧めします。