- Amazon.co.jp ・本 (142ページ)
- / ISBN・EAN: 9784896949087
感想・レビュー・書評
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幻想的な作風に耽る画集としても楽しめるが、ルドン本人による芸術観、人生観が垣間見える文章が鑑賞に深みを与えてくれる。
芸術家と愛好家に明確な線引きをし、表層にある美しさや心地よさだけではなく内在する苦悩などを引き受けることこそが芸術家であると主張する。
その作品群は美しくも影があり、ときにグロテスクにもうつる。
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本書は、ルドン自身の言葉か記された2冊の書籍から抜粋された文で構成されている。この2冊は日本語訳が出版されていないようなので、ルドンが自身の芸術などをどのように考えていたかを知るのにいいと思う。作品を見ながら、彼の言葉を読めるのは、「愛好家(ディレッタント)」には至福の時間だろう。
ただ、芸術を解説するのは至難の業、とも思う。ある意味、言葉で表せられないから、絵になったり音楽になったり詩になったりするのだから。ルドンでもそれは同じ。ただ、画材には非常に気をつかっているのが分かって興味深い。「黒(ノワール)の時代」の木炭や鉛筆への表現は、感心した。また、同時代のさまざまな芸術家や学者からの影響が多い。幼少期を過ごした場所の”荒涼”とした風景は画家の原風景だし、病弱だったことも相まって”孤独”な感じをイメージするが、交友関係は広い。後年は象徴主義の若い人たちとともに展覧会へ参加していたりもする。
広範のページには、戦争に反対し平和や均衡を愛するルドンの”メッセージ”が載っている。それにしても、本書は図版は小さい(版型が単行本サイズだから仕方がないんだけれど)けれど、奥付まで図版を載せているところに好感が持てる。 -
例の黒いリトグラフなイメージが強いけど、晩年の色彩豊かな作品も素晴らしい。
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葉山別館で。
後期のパステルもいいな~ -
数いる画家の中で特別好きというわけでないけれど、ルドンの作品には惹き付けられるものがある。憧れというか。星を眺める時の、あの絶対手に入らないものを見つめる時の感覚に似ている。
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本人のコメントがあるので、その時の心情や背景が少し分かる。
絵って書く人が同じでもその時の心情や背景で違うものになるんだぁっと -
オディロン ルドンが好きなので…個人的に高評価です。
本後半の晩年のカラフルなパステル画ばかり見てます。 -
dark
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絵も文章も、好き。