人はなぜ花を愛でるのか (地球研ライブラリー)

著者 :
制作 : 日高 敏隆  白幡 洋三郎 
  • 八坂書房
3.33
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本棚登録 : 38
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784896948905

作品紹介・あらすじ

なぜ人は花に特別な思いを抱くのだろう?"花を愛でる"とはどのような行為なのか?考古学・人類学・日本史・美術史・文化史など、様々な視点から果敢に挑む。

感想・レビュー・書評

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  • この本で、「人はなぜ花を愛でるのか」結論は明示されていません。
    人類学や文化学の限界を超えたところに、花は存在するのだなと思いました。

    一番印象に残った章は、第7章:高階絵里加さんの「花を詠う、花を描く――文学・美術の中の花――」と、第8章:秋道智彌さんの「花を喰らう人びと」です。

    第7章:高階絵里加さんの章では、鏑木清方の『一葉女史の墓』の読み解きがとても興味深かったです。「たけくらべ」の主人公・美登利が登場すること、墓前の山茶花、胸に抱く水仙。
    絵解きが連なっていて、おなか一杯になれる絵だなと思いました。
    美登里が大人になる切なさが如実に表れた絵。。(鎌倉まで見に行こうかな)
    花は聖なる存在への通訳者なのか。。

    第8章:秋道智彌さんの章は、私達が日常、かなりの無意識で「花」を食べていることを論じていました。そうだ、ブロッコリーを私は頻繁に食べている(;☉д⊙) 香辛料も漢方薬もお世話になっております。。

    第9章:白幡洋三郎さんの 「花を育てる、花を観賞する:花を愛でる美意識の歴史」 では自発的な嗜好を拗らせて、人間が社会的に存在していくために愛でられる過程が紹介されていました。おもしろかったです。
    趣味は、純正なる自主性では為されない、確かにそう思います。

    結論。やっぱり「人はなぜ花を愛でるのか」の結論はわからない。
    これに尽きます。

    人類が滅亡しない限りわからないのかも。ネアンデルタール人を論じるかの如く。
    (滅亡しないでえええ)

  • [ 内容 ]
    なぜ人は花に特別な思いを抱くのだろう?
    “花を愛でる”とはどのような行為なのか?
    考古学・人類学・日本史・美術史・文化史など、様々な視点から果敢に挑む。

    [ 目次 ]
    第1章 先史美術に花はなぜ描かれなかったのか
    第2章 六万年前の花に託した心
    第3章 花を愛でれば人間か?―人類進化研究に読み込まれた解釈
    第4章 古代メソポタミアとエジプトにおける花
    第5章 人が花に出会ったとき
    第6章 花をまとい、花を贈るということ
    第7章 花を詠う、花を描く―文学・美術の中の花
    第8章 花を喰らう人びと
    第9章 花を育てる、花を観賞する―花を愛でる美意識の歴史

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    [ 参考となる書評 ]

  • 古代メソポタミアでは蕾が花開いて実を結ぶまでの一連の状態をあらわす言葉と愛や魅力をあらわす言葉が一緒というくだりが面白かった。

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著者プロフィール

小川勝(おがわまさる)/1942年8月8日、千葉県船橋市に生まれる。千葉県立千葉高等学校、静岡大学工学部卒業。山九株式会社勤務/現在、Ikaruga ICES SGG会員として法隆寺観光ボランティアを行っている/著書に『「開心大連」64歳からの中国滞在記―大連思いつくまま』(近代文芸社)がある。

「2020年 『俺の湾岸危機』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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