人形 (ポーランド文学古典叢書)

  • 未知谷
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (1248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784896427073

感想・レビュー・書評

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  • 斜陽貴族の令嬢に近づくために莫大な財を築き、貴族社会への足掛かりを得ようとする大商人ヴォクルスキの葛藤を軸に、分割統治下の政治、衰退する貴族社会とそのメンタリティ、都市市民の生活、露骨な反ユダヤ感情など、19C後半のワルシャワを活写する一大パノラマ。翻訳の力もあるだろう、長大な19C小説、と聞いてつい身構えていたのに驚くほど読みやすい。“最後のロマン主義者”ヴォクルスキが思いつめる恋慕のパートは重(暑)苦しいけれど、社長に忠実でお人好しの老番頭ジェツキの視点を織り込んで良い按配だ。カミェニーツァ(集合住宅)の競売や住人達のドタバタが面白かった。万博が開かれた時代のパリの喧噪が目に、耳に飛び込んでくるような章も印象に残る(1887~89新聞連載

  • ヴォイチェフ・イエジー・ハスの映画上映されないかな?
    人形 ヴォイチェフ・イエジー・ハス:監督 ヴォレスワフ・プルス:原作 < “ほん”の直ぐ近く < Tumblr
    http://nyankomaru.tumblr.com/post/66036349872/%E4%BA%BA%E5%BD%A2-%E3%83%B4%E3%82%A9%E3%82%A4%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%95%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%82%B8%E3%83%BC%E3%83%8F%E3%82%B9%E7%9B%A3%E7%9D%A3-%E3%83%B4%E3%82%A9%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%AF%E3%83%95%E3%83%97%E3%83%AB%E3%82%B9%E5%8E%9F%E4%BD%9C-21p-1987%E5%B9%B46%E6%9C%883%E6%97%A5

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    沼野充義氏激賞!
    ポーランド近代小説の最高峰の、これ以上は望めないほどの名訳。19世紀の社会史を一望に収めるリアリズムと、破滅的な情熱のロマンが交錯する。これほどの小説が今まで日本で知られていなかったとは!

    「僕の考えでは、これほど重要で、これほど美しいポーランド語の小説はない。本当のところ――トルストイ、フロベール、ドストイェフスキー…といった作家たちの最高傑作との比較に堪えうる唯一のポーランド語の偉大な小説だ」(ポーランドの現代詩人ブロニスワフ・マイの発言 2017)

    19世紀中葉のワルシャワを舞台に展開するこの長篇は24ヶ国語に翻訳され、世界中で愉しまれる古典中の古典。ようやく邦訳されこの国の読者に読まれることとなった――
    http://www.michitani.com/books/ISBN978-4-89642-707-3.html

  • 身分違いの恋と主人公の哲学的思索を軸に、老店員の回想的備忘録を挟み込みつつ、ポーランド社会の様相及び社会批評と、19世紀ヨーロッパの雰囲気を描き出す。文字通り「大作」。感想はブログにて。

    https://historia-bookreport.hatenablog.jp/entry/2020/03/14/153455

  • ポーランド文学古典叢書の1冊。
    まずはその分厚さ(1200ページ以上!)に圧倒されるが、読み始めると引き込まれるのが凄い。新聞連載だけあって、つい続きが気になってしまうのよね。こういう波瀾万丈さってディケンズっぽい。

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