- Amazon.co.jp ・本 (40ページ)
- / ISBN・EAN: 9784895881166
作品紹介・あらすじ
地主のオツベルと、その仕事場に現れた白い象。オツベルは象を言いくるめ、働かせます。初めは労働を楽しんでいたが、次第に疲弊する白象。ある晩、「苦しいです、サンタマリア」と、つぶやきます。
人間の欲に痛めつけられた白象を助けるため仲間の象が押し寄せてきて…。
象の感情が画面から溢れてくるような力強いタッチと色使い。クライマックスの象の押し寄せてくる場面は圧巻です。
感想・レビュー・書評
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荒井 良二 絵
「地主のオツベルと、その仕事場に現れた白い象。オツベルは象を言いくるめ、働かせます。初めは労働を楽しんでいたが、次第に疲弊する白象。ある晩、「苦しいです、サンタマリア」と、つぶやきます。
人間の欲に痛めつけられた白象を助けるため仲間の象が押し寄せてきて…。
象の感情が画面から溢れてくるような力強いタッチと色使い。クライマックスの象の押し寄せてくる場面は圧巻です。」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
小学校の授業で習ったお話。人間(オツベル)の勝手な貪欲ににこやかな象がどんどん衰えていく。資本家と労働者に喩えられてるんですね。無理ばかり言い、食べ物もどくに与えない資本家と日々笑顔がなくなり衰える労働者。労働者の象は最期に仲間の象達の立ち上がりにより救われます。しかし、その間にいる16人の百姓達。これまた、オツベルに雇われている真の労働者が何ひとつ言わず黙っている。象の言葉にギョッとしたりその場をうろうろしたり。声を上げなければならない百姓への不甲斐なさが描かれている。1字不明は投げかけ(子=君)表す。
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伊坂幸太郎のシーソーモンスターにオツベルと象のことが出てきて、前に読んだことあるけど中身はもう忘れていたので最終行の一行にある一字不明に調査してみる気もちにもならずだから
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白い象を他の象が助けにくるときのグララアガア、グララアガアとみんなが呼応してオツベルの屋敷に突撃していくところが恐ろしく感じた
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荒井良二版「オツベルと象」。
工場で労働者を働かせているオツベル、白象をこき使うオツベル、だんだんと弱っていく白象、大群で押し寄せる象の仲間…。
荒井良二の絵がぴったりマッチしている。
最後の、「おや、川へはいっちゃいけないったら。」が不穏…。
白象はオツベルからは逃げられたけれど…。
気が滅入る話…。
そういえば、オツベルって人間の名前だったか。
何となく白象の名前で記憶していた…。
タイトルから分かるはずなのに…。 -
実は宮沢賢治の作品を読んだことがありま…せん。多分。途中までだったり、忘れてたりするのかもしれませんが。
嘘です。注文の多い料理店読んでました。ぶふ
でもあまり読んだことがなくて、あと途中で挫折した記憶がはなはだ色濃くてちょっと近寄りがたいというか、先入観半端ないのです。
でも絵本で荒井さんの絵だったらいけるかもと思い、読まず嫌いはいかんといざ実読。
私の読解力ではわからない深い意味が潜んでいそうですが、起こった象たちはもののけ姫に出てくるオコトヌシ様たちより怖かった。そしてディズニー顔負けの表情(オツベルしかり象しかり)
ん〜やはり難しいな。。
でも宮沢賢治の作品もっと読んでみたい。色々漫画や音楽で度々登場するので興味深々なのであります。読むぞ〜 -
読んだのは、青空文庫版。
「グラガア、グラゴオ」とか、音の表現が面白い。 -
オツベルときたら たいしたもんだ。
稲扱器械の六台も据えつけて、
のんのんのんのんのんのんと、
おそろしい音をたててやっている。
ある日のことだ。オツベルはいつものようにやってきた。
そしたら そこへどういうわけか、白象がやって来た。
白い象だぜ、まさか ペンキを塗ったのでないぜ。
どういうわけで来たかって?
そいつは象のことだから、わからんね。 -
宮沢賢治の感性と荒井良二の作家性の融合。すごい。寝る前に読もうと思ったら眠れなくなった。
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絵のタッチで表現される、ぞうの心の変化。
世の中の理不尽さ、傲慢さ、弱さが生々しく描かれている児童文学だと思っているけれど、荒井さんのこの作品が「オツベルと象」にはぴったりです。