111本の木

  • 光村教育図書
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感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (36ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784895722681

作品紹介・あらすじ

インドに、女児の誕生を111本の木を植えて祝う村があります。ジェンダー平等を提唱するこのエコロジー活動により、村は豊かな自然を取り戻しました。女児に学ぶ機会を与え、児童婚から守るために行動した村長を描く実話。

感想・レビュー・書評

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  • 2022年読書感想文コンクール夏の課題図書 中学年の1冊。
    https://www.dokusyokansoubun.jp/books.html
    実話をもとにした絵本。

    インドのある村では、男の子が生まれると神様からの贈り物としてお祝いをしました。
    でも女の子が生まれるとみんながっかりしました。女の子は結婚したら相手の家の財産となるので、結婚させるためにとてもお金がかかるのです。
    この村で暮らすスンダルは、企業が金儲けのために村の自然を破壊すること、女の子たちはまだ小さいうちから結婚させられ働かされることに疑問を持ちます。
    貧しい村人の生活を助けたいと思ったスンダルは村長になります。
    大切な女性、お母さんと姉娘の死を通してスンダルは、女性も尊重されるように、女の子が産まれたら111本の木を植えてお祝いしようと働きかけます。


    ==
    貧困の差や性差別が当たり前だったところで、それは悪いことだからみんなで変えようと提唱して、みんなを説得し、実行し、結果を出しています。
    女の子も男の子と同じように尊重するという”意識”変革や、すぐには目に見えない自然破壊の悪影響を分かってもらうのは難しいことです。スンダルさんの場合は、水運びの重労働や水不足問題解決のために水道を引く、お祝いの木と一緒に実用なアロエも同時に植える、というような現実的な解決も同時に行い、またお祝いとして植えた木に糸を結んで象徴としたことで、継続しなければいけないという意識にもなってたという、実生活と人の意識と両方に働きかけたということが効果を出したのだと思いました。

  • 男の子が生まれたら盛大なお祝い、女の子が生まれたらがっかりする。歴史的な背景と持参金の負担や無学、貧困などによる悲しい慣習が今なお残っている。

    そんな中、女児の誕生を111本の木を植えて祝う村がある。この取り組みはジェンダー平等を提唱するこのエコロジー活動となり、荒れ果てた村は豊かな自然を取り戻している。
    学ぶ機会と児童婚から守るために行動した村長を描く実話。行動力がすばらしい。慣習になぜ?と思いながらも長年の行動を変化させるのは難しい。まわりにその行動の意義が正しく伝わることも難しい。行動にうつすことは大変だったと思う。
    悲しい慣習がなくなり、皆が笑顔で暮らせる新しい文化や歴史が築かれますように。子どもたちに自然環境保護やジェンダーとは、世界について考えるきっかけになる1冊。

  • HOME | rinasingh
    https://www.rinasingh.com

    Communication Jeunesse | Ferrer, Marianne
    https://www.communication-jeunesse.qc.ca/createurs/ferrer-marianne/

    111本の木|絵本|光村教育図書
    https://mitsumura-kyouiku.co.jp/ehon/251.html

  • インドのとある村で実際にあったことのお話。

    不平等を平等へ自然環境破壊を自然環境保護へ
    是正できるように行動した人

    男の子は尊ばれ女の子は苦労が多いとされた村で
    教育を受けることができるように尽力した人

    村の人を説得し、木を植え、水を蓄え
    村を豊かにする手がかりを作った人。

    遠い世界ではない、同じ星のお話。

    素晴らしい行動力!
    この本に出会って、さて自分はなにができるだろうかと考えさせられる一冊。

  • インドのある村では、男の子が生まれると農家の働き手となることを盛大に祝い、女の子が生まれると家は静まり返った。女の子が結婚する際に、多額の持参金を用意せねばならず、女の子を教育する余裕などなかった・・・・。幼い時に母親を亡くし、自分の娘を亡くしたピプラントリ村の<スンダル村長>が、自然が破壊されたままの村の環境保全のため、111本の木(娘たち、水、木)を植える運動によって、インド政府から大統領賞を授与された「オコフェミニスト」の感動の物語。(令和4年度課題図書)

  • 第68回青少年読書感想文全国コンクール小学校中学年課題図書。インドの村にすむスンダルさんは、大きな工場ができて、村の自然が失われていくこと、村にまずしく苦しんでいる人がいること、女の子は早くに結婚して、学校に行けないことに、心を痛めていました。自分の娘が亡くなったことをきっかけに、スンダルさんは木を植えることを思いつきました……。

    環境を考えること、ジェンダーについて考えること、2つのことをテーマにしたこの絵本はまさにSDGsが注目されている現代にうってつけの作品。インドでの古くからの習慣と考え方、それをどのように変えていったか、どのような困難があったのか、読んでいてとてもよくわかる。ただ木を植えて自然が増えた、ということにとどまらず、それをきっかけに水道や労働なども変えていったところがすごい。

  • 大理石工場のせいで荒れ地になった、インドの小さな村。上の娘を病気で亡くした村長さんは、村で女の子が生まれるたびに木を植えることを思い立つ。そして、女の子の誕生を祝う習慣がない村の人々の考えが変わっていく。木を植えることで、村の生活が変わり、女の子たちも学校に通えるようになった。インドの村の実話を元にしている。(36ページ)
    ※エコフェミニストという言葉を初めて知った。村長のスンダルさんの生い立ちを含めた生き方や考え方がいい。

  • 小学生の娘の感想文の課題図書。
    私も読みましたが、とっても良い本でした。実話が絵本になってるので、本当に感動するお話でした。
    大人が読んでも良い絵本だと思いますよ。

  • 2022中学年課題図書。インドの男尊女卑…実話だけに憤りさえ感じるが、こうやって、みんなに少しずつ理解をしてもらえる努力ができる人…すごいことなんだよなぁ。 中学年だから、きっと読み取れるね。

  • 2022年読書感想文課題図書中学年
    インドでは男の子が生まれるとよろこぶけど、女の子はおよめさんになるときにたくさんのかちくや道具などの持さん金が必要なので、よろこばれません。生む前におなかの中でころされることさえあります。
    これはそんなインドのしゅうかんをうちやぶるためにがんばった町長さんのお話です。家族が死んでしまう悲しみを大人になってもわすれなかったのです。
    好きな部類の本でしたが、やはりこの文字数で伝えるには限界あるかと思いました。111本は多い気もするけど、ほっといても更地に木が生えてくる日本とは違うんでしょうね。

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著者プロフィール

インドの公共図書館すらない小さな町に生まれ育つ。カナダに移住し、大学で文芸表現、教育学を学んだ。トロント在住。

「2021年 『111本の木』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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